「講義」カテゴリーアーカイブ

【要約と感想】田原総一朗『緊急提言!デジタル教育は日本を滅ぼす』

【要約】学校や教育がおかしくなったのは、単に「正解」を教える場所に成り下がっているからです。その経緯は、ゆとり教育をめぐる論争に色濃く刻印されています。正解のない時代を生き抜くためには、「正解」を教え込む教育ではダメです。デジタル教育は単に「正解」を教える風潮を助長するだけです。もっと人と人が触れあって、多様な考えを受容しながらも自分の意見を主張できるような教育にするべきです。

【感想】タイトルの付け方が、ちょっと微妙だ。軽薄なタイトルに対し、内容はもうちょっと地に足がついている。もう少し本質的なタイトルにした方が良かったような気がする。

本書は、ジャーナリストらしく、関係者から直接言質を取っているのが、説得力を増しているように思う。たとえば小渕恵三や山谷えり子などの政治家、あるいは前川喜平や寺脇研や小野元之などの文部官僚、丹羽健夫や藤原和博や陰山英男などの実践家、または苅谷剛彦や佐藤学などの研究者から、様々な言質を引き出している。なかなか興味深く読める。
まあ、すでに教育行政に関して知識がある向きからすればさして新しい情報ではないものの、直接的な言質を加えることで、既存の枠組みの意味をさらに確認することができる。特に臨時教育審議会の持つ意味については、ひょっとしたらけっこうエグい形で本質を抉り出している本なのかもしれないと思った。タイトルも「臨時教育審議会は日本を滅ぼした」で良かったのではないか、と思えるくらい。なかなか良い仕事をしてくれたように思う。

ほか、少国民世代(昭和ヒトケタ)の教育実体験談サンプルとしても、ちょっと重宝できる本かもしれない。戦中から戦後の価値観の転換に戸惑う軍国少年という点で、極めて典型的な言質を得ることができる。

田原総一朗『緊急提言!デジタル教育は日本を滅ぼす-便利なことが人間を豊かにすることではない!』

【講義】教育課程の意義と編成(麻布)

第1回(9/23)

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第2回(9/30)

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第3回(10/7)

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第4回(10/14)

プリント(第4回)
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第5回(10/21)

プリント(第5回)
時間割作成用紙
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第6回(10/28)

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第7回(11/11)

プリント(第7回)
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第8回(11/18)

プリント(第8回)
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授業の目的と評価

・この授業の最終的な目的は、「教育課程」とは何か?を理解することです。
・教員採用試験に関しては、必ず出題される『学習指導要領』について理解します。
・評価は、期末テストと提出課題によって行います。出席が足りていない者には受験を認めません。
・90 分の復習と 90 分の予習を前提として授業を構成します。
・出席は、基本的にスマートホンを利用します。スマホが使えない者は、紙媒体等で出席を取るので、授業後すみやかに申し出てください。
・質問は、udono-a@tokyo-kasei.ac.jpまで。

課題

・中学校の「教育課程」を一つ完成させることを目指します。
・教育課程を作るためには、基礎的な知識がたくさん必要になります。各授業でひとつひとつの知識を定着させながら、すこしずつ教育課程を作っていきます。
・最終的に教育課程が完成したら、書類にして体裁を整え、提出してください。
・コンピュータによる提出を想定しています。

教科書

『中学校学習指導要領(平成 29 年告示)』および『中学校学習指導要領解説 総則編』を手に入れておいてください。
文部科学省の WEB サイトから無料で手に入れることもできますし、本として購入することもできます。
『中学校学習指導要領(平成 29 年告示)』
『中学校学習指導要領解説 総則編』

 

【講義】教育概論Ⅱ(中高)

第1回(9/21・9/24)

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第2回(9/28・10/1)

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第3回(10/5・10/8)

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第4回(10/12 10/19・10/15)

※台風接近につき、10/12(土)は1・2限とも休講です。
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第5回(11/2・10/29)

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時間割作業用紙
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第6回(11/9・11/5)

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第7回(11/16・11/12)

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今回行う作業
※主体的・対話的で深い学びの具体的な内容に関するヒント
【理科編】中学校学習指導要領解説(23頁~28頁、176頁~180頁)
【社会編】中学校学習指導要領解説(23頁~24頁、121頁~129頁)
【外国語編】中学校学習指導要領解説(10頁~16頁、82頁~100頁)
【美術編】中学校学習指導要領解説(9頁~20頁、125頁~136頁)
【家庭科編】中学校学習指導要領解説(16頁~17頁、128頁~133頁)

第8回(11/23・11/19)

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構造改革特区(首相官邸webサイト)

第9回(11/30・11/26)

編集中

授業の到達目標

(1)カリキュラムの意義と機能を説明できる。
(2)学習指導要領の理念と内容を説明できる。
(3)ナショナリズムなど、現代的な教育の基本的な課題を説明できる。
(4)現代教育の課題を踏まえ、解決に向けた見通しを持って協働的に問題解決に取り組む。

授業概要

(1)新学習指導要領が目指す「社会に開かれた教育課程」および、その具体的な実現のための「カリキュラムマネジメント」について理解する。
(2)日本社会の変化を踏まえて、学習指導要領の変遷を理解する。
(3)現代日本の教育が抱える課題を理解し、プレゼンテーションやグループワーク等を行い、他の学生の考えを尊重しながら自分の考えをまとめ、教師としての自覚を深める。
(4)教育基本法や学習指導要領の理解を通じて、公教育に携わる専門家としての意識を育む。

評価方法

(1)期末テスト50%
(2)提出課題40% 課題内容については初回の講義で説明する。
(3)平常点(ディスカッションやディベートへの参加態度)10%

教科書

『学習指導要領』最新版
『学習指導要領解説 総則編』最新版

自学自習のための参考ページ

「学力」とは何か?―学校教育法の定義と背景―
【教育課程編成の基礎】スコープとシークエンスとは?
社会に開かれた教育課程とは―新学習指導要領の理念―
カリキュラム・マネジメントとは―3つの指針と学校運営の要点―
【教育課程編成の基礎】教科等横断的な視点とは何か?
育成を目指す資質・能力とは―知識から21世紀型能力へ―
主体的・対話的で深い学びとは―アクティブラーニングを超えて―

質問はこちら

教えて!せんせい

 

【要約と感想】藤川大祐『いじめで子どもが壊れる前に』

【要約】いじめはどの学校、どの学級でも起こりえます。完全に撲滅することは不可能でしょうが、重要なのは、深刻化させないことです。
そのために、授業にディベートを取り入れて、多様な考えを受け入れられるような子どもに育てましょう。子どもの「観測気球」に臨機応変に対応しましょう。過去の教訓から学び、危機管理の原則を踏まえた学校運営と学級経営をこころがけましょう。深刻な場合は、警察との連携を躊躇してはいけません。

【感想】本書の特徴は、教育方法学の立場からの考察にあるのだろう。教師の日々の授業実践が、いじめの発生に関わってくるという観点だ。教科書に書いてある決まり切った答えを一方的に教え込み、できるかできないかで子どもたちを差別し、子どもを見下すような教師の下では、自然といじめが発生しやすい条件になるということだ。まあ、そうなんだろう。
逆にというか、それゆえにというか、他のいじめ論者が主張するような「人権教育」とか「子どもの権利条約の精神」とか「加害者への徹底指導」とか「被害者の回復プロセス」とか「事実確認の手法」とかいう話は、極めて弱い。そのあたりは別の本で参照すればよいだろう。

【言質】
「アイデンティティ」と「個性」という言葉の用例サンプルを得た。

「この時期、すなわち思春期から青年期の子どもたちにとって重要な課題は、アイデンティティの形成です。アイデンティティとは自我同一性などと訳されるもので、他者とは異なる、かけがえのない存在としての自分ということです。」(122頁)
「「個性尊重」などという使い古された言い方をすると誤解を招きそうですが、個々の子どもが劣っている部分も含めて自分らしさを発揮し、そのことを受け入れられるようにしていくことが重要です。」(124頁)

「個性尊重」という言葉に対して、使い古されて誤解を招くという認識を示しているのは、なかなか興味深い。サンプルとして確保しておきたい。
アイデンティティに関しては、「存在」という言葉を著者がどのように認識しているかが気になるところではある。

藤川大祐『いじめで子どもが壊れる前に』角川oneテーマ21、2012年