【教育学でポン!?】2020年1月24日

偶然なのかどうか、今日は「学校制度(中高一貫・小中一貫)」に関する記事配信がまとまっていました。

学校制度

“公立”一貫校が高校募集停止ラッシュ 私立が危機感「学費の差は大きい」(AERA dot.)

公立中高一貫教育のメリットとデメリットについて、理論的には様々に議論されてきましたが、現実のデータを踏まえて教育学的に検証を加える時期に入ってきました。東京私立中学高等学校協会会長のコメントは、ポジショントーク丸出しの上にブーメランなので、もうちょっと教育学的に深みのある内容が欲しかったところです。

飯舘の小中一貫校「希望の里学園」 4月5日開校 新校歌披露も(福島民報社)

中高一貫と小中一貫では、基本的な考え方が異なります。小中一貫は、この記事に「五・四制などへの移行も検討」とある通り、学級担任か教科担任かにも関わって、学校教育法(六三三制)を根本から変える発想に結びつきやすいです。具体的事例として注目していきたいと思います。

多賀、網代小の統合計画、第一など3校も検討へ 熱海市教委素案(静岡新聞)

上の記事とも関係してきますが、小中一貫は、過疎化や少子高齢化への対応策として、学校の機能そのものをゼロから考え直そうというアイデアとも結びついてきます。これまでの近代学校のあり方を前提にしない大胆な発想が求められる時代に突入しています。

教育全般

なぜ入学時の順位と大学進学実績は異なるのか(PRESIDENT Online)

まあ、入学時の順位と卒業時の順位が同じだったら、「教育」の効果がゼロってことですよ…

浜松“ブラック校則”見直しへ研修会(静岡県)(DaiichiTV)

「校則」の改廃を通じて、そもそもルールとは誰が何のためにどのように作るのかという民主主義の原則を実体験するチャンスだと思うのですが。

「勉強好き。国語好き。辞書好き」普通高で学ぶ18歳 特別な存在ではなく“一つの個性”(沖縄タイムス)

「共生社会」に向けての「インクルーシブ教育」の理念が、少しずつでも浸透するといいなと思います。障害のある方の過ごしやすい世の中は、そうでない人も過ごしやすい世の中のはずです。

部活動は誰のため 「本気の自主練習」に導こう 神戸で考える会(毎日新聞)

個人的には、勝利至上主義の克服が一番のポイントだと思います。

灘高生の熱意、行政動かす プログラミングの「国際競争力高めたい」(神戸新聞NEXT)

頼もしい話です。若い才能はどんどん世界で活躍していただきたいです。

子ども向けプログラミング教室を選ぶ前に知っておきたいこと(AERA)

まあプログラミングに限らず、子どもが何かやりたいと言ったときにやりたいことを応援するのが一番うまくいくだろうと思います。

絵本作家がつくった学校 女性クリエーターが社会変える(日経ARIA)

学びたい人が学びたいことを学べるような個性的な学校がどんどんできるといいな、と思います。

早大教授がアカハラ 50代男性2人処分(時事通信社)

他山の石とせよ。

日本の働く人をスキルアップさせ、稼げる高度人材へと養成。「第2義務教育」が日本を救う(週プレNEWS)

状況分析とアイデア自体は普通だけど(普通だから悪いということではなく)、ラベルの付け方はユニークかも。

【教育学でポン!?】2020年1月23日

偶然なのかどうか、今日は「島の学校」に関する記事配信が集中していました。

島の学校

「島が学校!」ある女子高校生の離島留学(日テレNEWS24)

識者の間では有名な実践ですね。この記事と映像では、教育学的に深いところはまったく分かりませんけれども。

瀬戸内海に浮かぶ島に開校した公立中高一貫校が注目を集めるワケ(AERA dot.)

90年代後半から始まった高校多様化の流れが、公立中高一貫校というブースターを加え、いよいよ加速してきている感じがします。専門家としてはひとつひとつの実践を丁寧に検証したいところですが、なかなか追いつきません…。がんばろう。

高校がないから島を離れる…離島の教育課題 島を出ることに親は肯定的 内閣府調査(沖縄タイムス)

上の記事と対照的です。どうするのがいいのか、知恵を持ち寄らないといけませんが…

教育全般

2020年の教育改革で何が変わるの?家庭で出来る対応策は?(Grapps)

まあ、不安を煽ってくる教育産業のウソに騙されないことが、いちばんの対応だと思います。

フィリピンに教員派遣へ 静岡県教委、現地で語学研修 小学校の英語教科化で(静岡新聞)

数十年前のイメージでフィリピンを語っちゃってる慌てん坊がたたくさん釣れてますね。

横浜市で進む保育所民間移管 運営の効率化狙い(産経新聞)

さて、理屈通りに行くかどうか。専門家としてしっかり状況を注視していきたいと思います。

幼児教育学ぶ学生 子どもたちに創作劇披露 岩手・滝沢市(テレビ岩手)

みなさんのご活躍を期待しております!

児童一時保護所、4割研修せず 行動観察・記録、国指針なく 70自治体調査(毎日新聞)

まずは専門職として尊重するところから始めないと、研修だけ義務化しても意味ないような。

【山田ルイ53世のお悩み相談】不登校の小4の息子の勉強をどうサポートすべきでしょうか。(クロワッサンONLINE)

山田ルイ53世の「ひきこもり」に関する文章は、力が抜けて、ほっこりしますね。「学校というシステム」のくだり、おっしゃるとおりだと思います。

「いじめ防止法」改正議論を 大津いじめ遺族ら要望書「現場が危機感を持っていない」(讀賣テレビ)

この問題は、専門家として引き続きフォローしていかないといけません。

【要約と感想】ルーカーヌス『内乱―パルサリア』

【要約】史実を元にした大河フィクションです。
ローマの運命を賭けて、カエサルとポンペイウスの二大巨頭が対決しました。エネルギッシュで狡猾で恐れを知らないカエサルを前に、かつての大英雄ポンペイウスは悲惨な最期を遂げ、ローマから自由が失われました。しかし外国と戦争して領土や宝物を獲得するならともかく、ローマ人同士で戦う内乱は、悲惨きわまりないものです。(著者非業の死により、未完)

【感想】どちらかというと、日本人は外国との戦争のほうを悲惨なものと認識し、日本人同士の殺し合いはエンターテイメントとして楽しんでいる感じがする。源平合戦とか戦国時代とか幕末維新とか。まあ保元平治の乱や真田父子の犬伏の別れのように、親兄弟が敵味方に分かれることは悲劇として描かれるとしても。どういうことか、少し気にかかるところではある。

文章は、なかなか激越で、おもしろく読んだ。カエサルとポンペイウスを対照的に取り扱うなど、人物を極端にキャラクター化している感じも興味深い。女性では、破廉恥で淫乱なクレオパトラと貞淑で甲斐甲斐しいコルネリアが対照的だ。
しかし読後にいちばん印象に残っているのは、カトーが砂漠を縦断するくだりだったりする。グロくて、悪趣味で、恐ろしい描写だった。

ルーカーヌス/大西英文訳『内乱―パルサリア』岩波文庫、2012年

【教育学でポン!?】2020年1月22日

「試験」というものを考察するときは、「妥当性」と「信頼性」という観点を押さえているかいないかで、論理的な説得力が決定的に違ってくるのです。

教育全般

センター試験採点、実はマークを目視で確認していた 「公平・公正」貫いた財産とは?(AERA dot.)

公平とか公正は確かに大事ですが、あんなに短い時間と異常な空間でパフォーマンスを発揮するように要求すること自体、「試験」として本質的に間違っている可能性があるという視点を持った方がいいだろうと思います。また、入試の「資格試験化」に触れたのは良いことですが、残念ながら視野が狭い話に留まっているように思います。

日本の15歳、読解力低下 「論理」を学び、「文学」も楽しめる教材とは(EduA)

「論理」を前面に打ち出しているわりには論理性の欠けた、不思議な文章でした。新聞で「文学」が楽しめる理由が書いてありません。

「子どもたちにプログラミング体験を」 地域のボランティアが支えるプログラミング道場(AERA dot.)

学習指導要領の目指す「プログラミング教育」とは、まったく趣旨が違っています。まあ、それとは別に、子どもが楽しくコーディングを学ぶ機会が与えられることは良いことなのでしょう。ちなみに私は小学生の時に『はるみのプログラミングレッスン(PC-8001)』でコーディングを修得し、機械語(Z80)を使用できるようになりました。

小中一貫なのに進学できない事態に 定員大幅に減って一部抽選に(沖縄タイムス)

こんなことが起きちゃうんですね。専門家として、この事例はしっかり覚えておきたいと思います。

全国学力テストは教育基本法違反です!(前谷毅)

まあ教育基本法違反と言うまでもなく、統計学的に考えてみれば、悉皆方式にまったく意味がないんですよね。ちょっと考えれば分かるはずなのに止まらないということは、お金が絡んでる臭いがしますです、はい。

スポーツも五輪も所詮は「国の支配」。池田教授が繙く運動の歴史(MAG2NEWS)

まあ、おっしゃる通りですね。

なぜ「体操」は子どもの集中力や判断力を高めるのか(DIAMOND ONLINE)

まあ、仮説ですね。

【教育学でポン!?】2020年1月21日

センター試験が一段落して、受験関連記事が少なくなりました。

教育全般

日本人の“読解力”は落ちたのか 教育現場でのデジタルデバイス活用が明暗を分けた(FNN PRIME)

落ち着いた内容の記事でした。こういう姿勢で問題ないと思います。

国立大の学費上げ、なぜ相次ぐ 学生に国際競争の余波(NIKKEI STYLE)

国立大の学費上げが最近になって突然始まったかのようなミスリードをしている、変な記事ですね。問題の根っこは35年前の臨時教育審議会と「新自由主義」にありますよ。

デジタル教科書、2024年度以降に本格導入!?(ベネッセ教育情報サイト)

教育学的には、デジタルかどうかというより、教科書検定の質の方が問題になりそうなところですね。検定する人たちの頭が固いと、どうしようもないわけで。

大学教授から研究を奪う、皮肉な「支援」(Forbes JAPAN)

ははは。実情がそこそこ赤裸々に表現されている記事ですね(←本当は笑っている場合ではない)。

中央大学の誇り「法学部」の都心移転が巻き起こす私大文系の乱(ulm)

大学の都心回帰は10年くらい前には進んでいて、最近始まった話ではありませんよね。取材不足の気がします。

「第二の保健室」の図書室…民間委託雇用、生徒と交流ダメ? 司書の役割とは(西日本新聞)

個別の事例については、事実の正確な把握が必要なのでコメントはしません。教育学の一般論として言えば、「チーム学校」の話や校長のマネジメントの話になるところです。が、そもそもは専門的な仕事であるはずの学校司書を民間会社の業務委託に頼らざるを得ないところが大問題だという認識が必要でしょう。

「息子がいじめに加担している」…悩む45歳父親へ鴻上尚史がおくる魂の回答「いじめと闘う道を歩くために」〈AERA dot.〉

「魂を汚したくない」という表現が、とてもいいですね。大人たち全体の問題として考えたいものです。

4時禁はブラック校則か?「監視されている気分」「安全考慮」(岐阜新聞Web)

単純に考えて、憲法に保障された「自由権」の侵害にしか見えないわけですが。しかし子ども相手なら権利を侵害して構わないってところが、教育の論理の怖いところですね。

教育は成功、でも子育ては失敗! 親の仕事は教育ではなく「心を育てる」ことです(Newsweek)

内容以前に、ずいぶん乱暴に「教育」という言葉を定義していることが気になってしまいます。専門家から言わせてもらえれば、EducationとInstructionという言葉(どちらも「教育」と翻訳されます)の違いを丁寧に意識してほしいところではありました。

「人格の完成」とは何か?