鵜殿篤 のすべての投稿

【教育学でポン!?】2021年11月16日

学生たちがいっしょうけんめい実習に取り組んでいました。成長著しくて、心強いです。
【本日の歩数】8214歩■浦和に実習巡回指導。

ICT

■国公立高校のデジタル化は大都市圏で遅れ 端末配備率は47%(ITmedia PC USER_)
義務教育ではないということで、高校はこういうところで取り残されやすい構造になっています。

■eスポーツ教育の最前線! 全国の高校生たちの取り組みを紹介(GAME Watch)
仮にスポーツに教育効果があるとしたら、もちろんeスポーツにも教育効果はありますよね。健康増進効果があるかどうかは分かりませんが。

■タブレット使って迅速に 「学習への関心度・理解度調査」福井県教育総合研究所(福井テレビ ※動画あり)
いわゆる「評価と一体化した指導」を実現するためには、ICTの活用が不可欠になります。

■脱プリント地獄。学校の連絡がアプリに変わったら「聞いてないよ」がなくなった話(BuzzFeed)
逆にどうしてこれまでできなかったのか。

文部科学省

■教員免許更新制、来年度末に廃止 新たな研修制度創設、中教審部会(共同通信)
世紀の大愚策として、後世まで語り継ぎましょう。

校則

■靴下の色「灰色も認めて」 白以外禁止の校則 生徒の検討委、半年かけ見直し案 先生たちの反応は 鹿児島市の中学校(南日本新聞)
こういうとき、意外に生徒の方が保守的だったりすることもありますね。

学校間接続

■【小学校受験2022】立川国際中等附属小、第1次抽選倍率4.49倍(ReseMon)
教育全体の質を上げることに貢献するのか、あるいは公教育の解体に拍車がかかるか。

学校

■学校存続の危機にトップクリエイターが一肌 生徒募集のポスター作りを指導 今治北高大三島分校【愛媛】(テレビ愛媛 ※動画あり)
生徒自身が関わっているのは心強いです。いい作品ができるといいですね。

教育全般(国内)

■「大学進学の壁」あまりにも高い里子たちの苦悩 日本には「学ぶ権利」を剥奪された子どもがいる(東洋経済ONLINE)
なんとか社会全体で支援する仕組みを整備したいですが、日本はただでさえ教育に公金支出をケチる国です。

【教育学でポン!?】2021年11月14日

2単位の授業も半分終わって、後半戦に突入。がんばろう。
【本日の歩数】4712歩■自宅と学校を往復。

ICT

■「学べるゲーム」児童が考え製作 プログラミングで苦手な科目を楽しく克服 開発会社が小学校に協力(神戸新聞NEXT)
一石三鳥じゃないですか。

学校

■昭和の小学校に必ずあった「ハイテク筆箱」が知らぬ間に姿を消したワケ(ulm)
いわゆる「スタンダード」の有害性は、広く認識されていいでしょう。

学校間接続

■「歴史を暗記するより、数学を学んでほしい」早稲田政経の入試改革が伝える”あるメッセージ” 知識は”スマホ”で手に入る時代だ(PRESIDENT Online)
まあ理屈は指摘されている通りですので、あとは現実が理屈通りに回るかどうか。

■共通テストにも導入予定の新科目「歴史総合」…小中学生から始める3つの対策(PHPオンライン衆知)
「対策」を立てる必要はありません。日頃から子どもの興味関心を大切にしていればいいでしょう。大人にできることは「邪魔しないこと」です。

■中学受験で放置される子どもたち 「ネオ・ネグレクト」とは何か(新潮社Foresight)
こうやって自分でできる領域を削られていって全てを専門家に依存するという現象は、もう50年前にイリイチが「学校化社会」と名付けています。

教育全般(国内)

■部活的な「中学・高校3年ずつで育成」は世界的に見て非効率? ブラジル在住記者の《日本サッカー停滞打破》大胆提言(NumberWeb)
部活は勝利のためにやってるわけじゃないですからね。勝利を目指すなら、そのためのロジックでそのための組織を作らないと。

【感想】伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」

 東京国立博物館で開催されている「伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」」を見てきました。タイトルに偽りなく、確かに天台宗の法統を一通り網羅していて、とても見応えのある展覧会でした。
 専門の教育史的関心からは、国宝の「光定戒牒」に大注目でした。奈良時代までの僧侶教育が、これを転換点として決定的に変わります。正式な僧侶になるためには受戒しなければいけませんが、戒壇院は奈良時代には東大寺、太宰府観世音寺、下野薬師寺の三箇所にしかありませんでした。最澄は延暦寺にも大乗戒壇を設立すべく、僧侶教育の方針を「山家学生式」に著すなど努力を重ねますが、その願いは生前には叶いませんでした。このあたりの事情は、私が大学で受け持っている「教育原論」の日本教育史パートでもしっかり触れるところです。さて、最澄入滅後11日経ってから、大乗戒壇院設立の勅許が降ります。これを受けて翌年、光定が延暦寺一乗止観院で大乗菩薩戒を受け、嵯峨天皇から正式な僧侶としての身分証である「戒牒」を与えられます。これを転機として日本における僧侶教育のあり方が大きく変わっていきます。延暦寺で学んだ僧侶たちが個性的な主張を展開する鎌倉新仏教の隆盛も、ここに起点を持つということになるでしょう。ちなみに嵯峨天皇の確実な真筆はこれのみだとも言われているようですが、筆跡は優雅なのに力づよく、実に見事で、眼福でありました。実物を見たという経験を加えて、今後の私の授業の説得力も多少は増すと良いのですが。
 しかし展示を一覧してしみじみと思ったのは、中学高校の教科書レベルでは天台宗=最澄でファイナルアンサーということになっているけれども、実は天台宗を土台で支えていたのは最澄の弟子たち(光定・円仁・円珍など)の献身的な努力だったんだなあということです。教科書には現れない弟子たちの努力があって、実は初めて師匠の最澄の業績が輝くことになります。「教育」というものの意味と機能を考える上でも、いろいろな示唆を受けるような気がしました。最澄と弟子たちの関係に留まらず、その後も延暦寺が教育機関としてズバぬけた力を発揮したことの理由と意味は、しっかり考えていく必要があるように思います。(2021年11/12観覧)

【教育学でポン!?】2021年11月13日

藤井聡太さんが竜王位を奪取して四冠。あの豊島さんを4タテとは、進化のスピードが凄すぎる。
【本日の歩数】6205歩■自宅と学校を往復。

ICT

■文科省の推奨仕様パソコン「低スぺック」指摘 「Windows 11」入れて動くのか(JCASTトレンド)
動画編集はやりたいですよね。

いじめ

■「いじめを隠蔽する教員ほど出世する」学校現場がいじめ認定に消極的な根本原因 防止法の趣旨がねじ曲げられている(PRESIDENT Online)
渾身の記事でした。一読の価値があると思います。#1から読み応えがあります。

学校間接続

■国立大志願者は原則「情報」受験、1月にも決定へ…25年以降の共通テスト(讀賣新聞オンライン)
私立にも影響が出るのかどうか。

学校

■新学習指導要領を公立中学の教員が読み込んだら「教える順序が違ってきた」(前屋毅)
前文と総則もぜひ読んでみて下さい、と伝えたいところ。

教育全般(国内)

■【3人に1人が該当!?】教材の重さは15年で約2倍に!想像以上に深刻な「#ランドセル症候群」って一体どんなもの?(おやこのくふう)
子どもの背負い方の工夫でなんとかする問題ではなく、学校側の合理的判断でどうにかすべき問題でしょう。

■卒業生、寺子屋に恩返し 郡山・無料学びの場、東大生が講師に(福島民友新聞)
教育委員会が主催している取り組みでした。正規の公教育が削られているぶん、こういう形で下支えする工夫をしていくしかないところです。

【感想】Bunkamuraザ・ミュージアム「ポーラ美術館コレクション展―甘美なるフランス」

 Bunkamuraザ・ミュージアムで開催された「ポーラ美術館コレクション展―甘美なるフランス」を観てきました。モネやルノアールなど印象派から始まって、ゴッホやセザンヌなどポスト印象派を経て、マティスやピカソやモディリアーニなど20世紀絵画に至るという、まあ、日本人好みの構成。全体的に気持ちの良い空間。
 で、なんとなくセザンヌの良さが分かってきたような気がしたりしなかったり。ちょっと前までは「中途半端に彩度の低い、つまらない絵ばかり描く画家(←中学生的見解)」としか思っていなかったけれども、今日はとても美しく見えた。相当上手ではなかろうか。なんでこれが分からなかったのか。これが大人になるということか。
 しかし一方、やはりゴーギャンは相変わらず下手くそにしか見えなかった。日本画では横山大観が下手くそにしか見えないのと同様(←あくまでも個人的な感想です)。しかしたくさんファンがついているということは必ずそこに何かしらの良さがあるに決まっているわけで、私の感性がそれをキャッチできないというだけのことだし、またあるいは凄いのだと理論的に説明されればシロウトとしては「なるほどそうか」と思うしかないのだけれど、自分の目で実際に見たら下手くそにしか感じないのだからどうしようもない。いつか私にも分かる日が来るのかどうか。
 まあ、今日いちばん気持ちが良かったのは、モネでもルノアールでもなく、マリー・ローランサン。なんとなく東郷青児を思い出しつつ。(2021年11/12観覧)