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教育課程の意義と編成-9

▼11/20(月)

前回のおさらい

・評価。指導要録。
・発達の支援。学級経営の充実。生徒指導提要。
・学校運営。学校評価。校務分掌。

学習指導要領の吟味

・討論を通じて、『学習指導要領』が目指す教育の方向性を確認しよう。
▼文部科学省が意図していることを正確に読み取り、目指している教育の構造を理解しよう。(思考力)
▼把握した文部科学省の意図が、はたして本当に有効かどうか、有効としたらどのような効果をもたらすか、様々なデータや知識、あるいは自分の経験と照らし合わせて判断しよう。(判断力)
▼教育の課題に対する自分の意見をまとめ、適切なキーワードを使用して、論理的にわかりやすく伝えよう。(表現力)

(1)『学習指導要領』で育成を目指すとされている「資質・能力」の設定は適切だろうか? 世界や日本社会の変化に対する現状認識が適切かどうか、社会で必要とされる「人材」の設定が適切かどうかを考えて、学習指導要領が育成を目指す資質・能力を吟味してみよう。
(2)「社会に開かれた教育過程」について。これまで学校教育で学んだ知識が本当に社会に出てから通用しないのか、本当に学校教育を社会に開くように変える意味があるのかどうか、吟味してみよう。
(3)「カリキュラム・マネジメント」について。教科横断的な資質・能力は本当にこのやり方で身につくのか、吟味してみよう。

参考資料

育成を目指す資質・能力
社会に開かれた教育課程
カリキュラム・マネジメント
主体的・対話的で深い学び

教育課程の意義と編成-8

▼11/13(月)

前回のおさらい

・主体的、対話的で深い学び。
・深い学び:単に知識を身につけるのではなく、「見方・考え方」を働かせる過程を重視した学び。
・言語活動、ICT、体験活動など。

第3の2:学習評価の充実

学習評価の実施に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1) 生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し、学習したことの意義や価値を実感できるようにすること。また、各教科等の目標の実現に向けた学習状況を把握する観点から、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫して、学習の過程や成果を評価し、指導の改善や学習意欲の向上を図り、資質・能力の育成に生かすようにすること。
(2) 創意工夫の中で学習評価の妥当性や信頼性が高められるよう、組織的かつ計画的な取組を推進するとともに、学年や学校段階を越えて生徒の学習の成果が円滑に接続されるように工夫すること。(8-9頁)

・評価の種類:相対的評価、絶対的評価。
・それぞれの評価のメリットとデメリット。相対的評価=統計学的な根拠に基づき客観的な評価が期待できるが、教育活動の成果が反映しているかどうかのチェック指標として疑問。絶対的評価=教育活動の成果が反映しているかどうかの指標として期待できるが、教師の主観性に左右されやすい。
・診断的評価、形成的評価、総括的評価。
・評価の法的根拠:学校教育法施行規則第24条、第28条。「指導要録」←「通知表」や「内申書」との違いに注意。
*指導要録:学籍に関する記録(保存期間20年)、指導に関する記録(保存期間5年)。

第4 生徒の発達の支援

1 生徒の発達を支える指導の充実

教育課程の編成及び実施に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 学習や生活の基盤として、教師と生徒との信頼関係及び生徒相互のよりよい人間関係を育てるため、日頃から学級経営の充実を図ること。また、主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと、個々の生徒の多様な実態を踏まえ、一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方により、生徒の発達を支援すること。(9頁)

*学級経営の充実。信頼関係と人間関係。
・ガイダンスの機能。
・カウンセリングの機能。

(2) 生徒が、自己の存在感を実感しながら、よりよい人間関係を形成し、有意義で充実した学校生活を送る中で、現在及び将来における自己実現を図っていくことができるよう、生徒理解を深め、学習指導と関連付けながら、生徒指導の充実を図ること。(9頁)

・自己実現。
・生徒理解。
*生徒指導の充実。『生徒指導提要』を参考。

(3) 生徒が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう、特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて、キャリア教育の充実を図ること。その中で、生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、組織的かつ計画的な進路指導を行うこと。(9頁)

*キャリア教育:特別活動を要としつつ、各教科等で行う。
・理科で行う「キャリア教育」とは?
*進路指導。

(4) 生徒が、基礎的・基本的な知識及び技能の習得も含め、学習内容を確実に身に付けることができるよう、生徒や学校の実態に応じ、個別学習やグループ別学習、繰り返し学習、学習内容の習熟の程度に応じた学習、生徒の興味・関心等に応じた課題学習、補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れることや、教師間の協力による指導体制を確保することなど、指導方法や指導体制の工夫改善により、個に応じた指導の充実を図ること。その際、第3の1の(3)に示す情報手段や教材・教具の活用を図ること。(9頁)

*個に応じた指導=(1)個別学習(2)グループ別学習(3)習熟度別学集(4)課題学習(5)補充学習(6)発展学習

2 特別な配慮を必要とする生徒への指導

(1)障害のある生徒などへの指導:「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」の作成。
(2)海外から帰国した生徒などの学校生活への適応や、日本語の習得に困難のある生徒に対する日本語指導
(3)不登校生徒への配慮:保護者や関係機関との連携、心理や福祉の専門家の助言や援助。
(4)学齢を経過した者への配慮(9-11頁)

第5 学校運営上の留意事項

1 教育課程の改善と学校評価、教育課程外の活動との連携等

(ア)各学校においては、校長の方針の下に、校務分掌に基づき教職員が適切に役割を分担しつつ、相互に連携しながら、各学校の特色を生かしたカリキュラム・マネジメントを行うよう努めるものとする。また、各学校が行う学校評価については、教育課程の編成、実施、改善が教育活動や学校運営の中核となることを踏まえつつ、カリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するものとする。(11頁)

・「カリキュラム・マネジメント」と学校評価。
・学校教育法:第42条、43条、49条(中学校)に規定。
・学校教育法施行規則:自己評価の実施・公表「小学校は、当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について、自ら評価を行い、その結果を公表するものとする。」(第66条)、保護者など学校関係者による評価の実施・公表(第67条)、それらの評価結果の設置者への報告(第68条)、中学校への準用(第79条)
・「校務分掌」と教員の役割分担。
・教員の負担軽減のための学校運営。

(イ)教育課程の編成及び実施に当たっては、学校保健計画、学校安全計画、食に関する指導の全体計画、いじめの防止等のための対策に関する基本的な方針など、各分野における学校の全体計画等と関連付けながら、効果的な指導が行われるように留意するものとする。(11頁)

・各種「全体計画」の作成。

(ウ)教育課程外の学校教育活動と教育課程の関連が図られるように留意するものとする。特に、生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化、科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等、学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際、学校や地域の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行い、持続可能な運営体制が整えられるようにするものとする。(11頁)

*部活動:教育課程外の活動。

2 家庭や地域社会との連携及び協働と学校間の連携

・家庭や地域との連携。世代を超えた交流。
・他の学校との交流。障害のある幼児児童生徒との交流および共同学習。(12頁)

復習

・「評価」の機能について押さえておこう。
・「生徒の発達の支援」について、押さえておこう。
・「学校運営」について、「校務分掌」の言葉の意味と共に押さえておこう。

予習

・「社会に開かれた教育課程」「カリキュラム・マネジメント」「主体的、対話的で深い学び」について、疑問点を洗い出しておこう。

教育課程の意義と編成-7

▼11/6(月)

前回のおさらい

・カリキュラム・マネジメント
(1)教科横断的な教育課程編成。
(2)評価とPDCAサイクルの確立。
(3)人的・物的な資源の確保。
・カリキュラム編成のルール。

学習指導要領総則:主体的、対話的で深い学び

学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、第3の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、次の(1)から(3)までに掲げる事項の実現を図り、生徒に生きる力を育むことを目指すものとする。(『学習指導要領』3頁)

主体的・対話的で深い学び

第3 教育課程の実施と学習評価
1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善
各教科等の指導に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1) 第1の3の(1)から(3)までに示すことが偏りなく実現されるよう、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら、生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと。
特に、各教科等において身に付けた知識及び技能を活用したり、思考力、判断力、表現力等学びに向かう力人間性等を発揮させたりして、学習の対象となる物事を捉え思考することにより、各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(以下「見方・考え方」という。)が鍛えられていくことに留意し、生徒が各教科等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう過程を重視した学習の充実を図ること。(『学習指導要領』7~8頁)

*主体的・対話的・深い学びとは、それぞれどういうことか?
(1) 学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しをもって粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているかという視点。
(2)子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているかという視点。
(3) 習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているかという視点。
(『学習指導要領解説 総則編』77頁)

・主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を考えることは単元や題材など内容や時間のまとまりをどのように構成するかというデザインを考えることに他ならない。(『学習指導要領解説 総則編』77頁)

・主体的・対話的で深い学びの実現を目指して授業改善を進めるに当たり、特に「深い学び」の視点に関して、各教科等の学びの深まりの鍵となるのが「見方・考え方」である。各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方である「見方・考え方」は、新しい知識及び技能を既にもっている知識及び技能と結び付けながら社会の中で生きて働くものとして習得したり、思考力、判断力、表現力等を豊かなものとしたり、社会や世界にどのように関わるかの視座を形成したりするために重要なものであり、習得・活用・探究という学びの過程の中で働かせることを通じて、より質の高い深い学びにつなげることが重要である。 (『学習指導要領解説 総則編』77~78頁)

「理科」に特有の「見方・考え方」とは何だろうか?
(1)単元など内容や時間のまとまりを見通して、その中で育む資質・能力の育成に向けて、生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際、理科の学習過程の特質を踏まえ、理科の見方・考え方を働かせ、見通しをもって観察、実験を行うことなどの科学的に探究する学習活動の充実を図ること。
(2) 各学年においては、年間を通じて、各分野におよそ同程度の授業時数を配当すること。その際、各分野間及び各項目間の関連を十分考慮して、各分野の特徴的な見方・考え方を総合的に働かせ、自然の事物・現象を科学的に探究するために必要な資質・能力を養うことができるようにすること。 (『学習指導要領』82頁)

・「理科の学習過程の特質」とは何か?
・「各分野の特徴的な見方・考え方を総合的に働かせ」とはどういうことか?

言語環境の整備と言語活動の充実

(2) 第2の2の(1)に示す言語能力の育成を図るため、各学校において必要な言語環境を整えるとともに、国語科を要としつつ各教科等の特質に応じて、生徒の言語活動を充実すること。あわせて、(7)に示すとおり読書活動を充実すること。

(1)教師は正しい言葉で話し、黒板などに正確で丁寧な文字を書くこと。
(2)校内の掲示板やポスター、生徒に配布する印刷物において用語や文字を適正に使用すること。
(3)校内放送において、適切な言葉を使って簡潔に分かりやすく話すこと。
(4)より適切な話し言葉や文字が用いられている教材を使用すること。
(5)教師と生徒、生徒相互の話し言葉が適切に行われるような状況をつくること。
(6)生徒が集団の中で安心して話ができるような教師と生徒、生徒相互の好ましい人間関係を築くこと。
(『学習指導要領解説 総則編』81頁)

理科で「言語活動」を重視するとは?
2の(3) 1の(3)の学習活動を通して、言語活動が充実するようにすること。
→1の(3) 学校や生徒の実態に応じ、十分な観察や実験の時間、課題解決のために探究する時間などを設けるようにすること。その際、問題を見いだし観察、実験を計画する学習活動、観察、実験の結果を分析し解釈する学習活動、科学的な概念を使用して考えたり説明したりする学習活動などが充実するようにすること。(『学習指導要領』82頁)

コンピュータ等や教材・教具の活用

(3) 第2の2の(1)に示す情報活用能力の育成を図るため、各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること。また、各種の統計資料や新聞、視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。

・IT化への対応と、情報の正確な読みとり。
・情報モラル。

2の(4) 各分野の指導に当たっては、観察、実験の過程での情報の検索、実験、データの処理、実験の計測などにおいて、コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的かつ適切に活用するようにすること。(『学習指導要領』82頁)

見通しを立てたり,振り返ったりする学習活動

(4) 生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を、計画的に取り入れるように工夫すること。

・予習と復習の重要性。
・キャリア形成の方向性と学ぶ意欲。

体験活動

(5) 生徒が生命の有限性や自然の大切さ、主体的に挑戦してみることや多様な他者と協働することの重要性などを実感しながら理解することができるよう、各教科等の特質に応じた体験活動を重視し、家庭や地域社会と連携しつつ体系的・継続的に実施できるよう工夫すること。

集団の中で体系的・継続的な活動を行うことのできる学校の場を生かして、地域・家庭と連携・協働して、体験活動の機会を確保していくこと。(『学習指導要領解説 総則編』87頁)

理科での「体験活動」とは?
(8) 観察、実験、野外観察などの体験的な学習活動の充実に配慮すること。また、環境整備に十分配慮すること。
(10) 科学技術が日常生活や社会を豊かにしていることや安全性の向上に役立っていることに触れること。また、理科で学習することが様々な職業などと関係していることにも触れること。(『学習指導要領』83頁)

課題選択及び自主的、自発的な学習の促進

(6) 生徒が自ら学習課題や学習活動を選択する機会を設けるなど、生徒の興味・関心を生かした自主的、自発的な学習が促されるよう工夫すること。

学校図書館、地域の公共施設の利活用

(7) 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすとともに、生徒の自主的、自発的な学習活動や読書活動を充実すること。また、地域の図書館や博物館、美術館、劇場、音楽堂等の施設の活用を積極的に図り、資料を活用した情報の収集や鑑賞等の学習活動を充実すること。

各教科等を横断的に捉え、学校図書館の利活用を基にした情報活用能力を学校全体として計画的かつ体系的に指導するよう努めることが望まれる。(『学習指導要領解説 総則編』89頁)

(9) 博物館や科学学習センターなどと積極的に連携、協力を図るようにすること。(『学習指導要領』83頁)

復習

・「主体的、対話的で深い学び」について、自分の言葉で説明できるようにしておこう。

予習

・『学習指導要領』8~11頁を読んでおこう。

教育課程の意義と編成-5

▼10/23(月)

前回のおさらい

・学習指導要領(前文):社会に開かれた教育課程、家庭や地域との連携、大綱的な基準、生涯学習・学校間連携。

学習指導要領の構造(目次)

・総則
・各教科(国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、外国語)
・特別の教科 道徳
・総合的な学習の時間
・特別活動

学習指導要領(総則)、3~4頁

教育課程の編成

第1 中学校教育の基本と教育課程の役割
1 各学校においては、教育基本法及び学校教育法その他の法令並びにこの章以下に示すところに従い、生徒の人間として調和のとれた育成を目指し、生徒の心身の発達の段階や特性及び学校や地域の実態を十分考慮して、適切な教育課程を編成するものとし、これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うものとする。

・教育課程を編成し、教育を行う主語は「各学校」である。
・教育課程編成の上で留意すべきことは3つある。

「主体的・対話的で深い学び」と「生きる力」

2 学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、第3の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、次の(1)から(3)までに掲げる事項の実現を図り、生徒に生きる力を育むことを目指すものとする。

・「主体的・対話的で深い学び」とはどういう学びで、それを実現する授業とはどういう授業か?
・「アクティブ・ラーニング」との関わり。
*生きる力=「知・徳・体のバランス」→「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」

確かな学力:学力の三要素

(1) 基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等を育むとともに、主体的に学習に取り組む態度を養い、個性を生かし多様な人々との協働を促す教育の充実に努めること。その際、生徒の発達の段階を考慮して、生徒の言語活動など、学習の基盤をつくる活動を充実するとともに、家庭との連携を図りながら、生徒の学習習慣が確立するよう配慮すること。

・学力の三要素←学校教育法第30条2項

前項の場合においては、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。

・学力の三要素と「PISAショック」
*PISA:学習到達度調査。Programme for International Student Assessment。高校1年生対象。
*OECD:経済協力開発機構。Organisation for Economic Co-operation and Development
*PISAショック:2003年と2006年の調査で日本の順位が大幅に下がったことに教育関係者一同衝撃を受けたこと。←しかし2009年と2012年の調査では順位が上昇。
*全国学力・学習状況調査:2007年より毎年実施。小6と中3を対象。
・A問題とB問題。

豊かな心

(2) 道徳教育や体験活動、多様な表現や鑑賞の活動等を通して、豊かな心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努めること。
学校における道徳教育は、特別の教科である道徳(以下「道徳科」という。)をとして学校の教育活動全体を通じて行うものであり、道徳科はもとより、各教科、総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて、生徒の発達の段階を考慮して、適切な指導を行うこと。
道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、自己の生き方を考え、主体的な判断の下に行動し、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標とすること。

・理科でも道徳教育を行う。

第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(6) 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき、道徳科などとの関連を考慮しながら、第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について、理科の特質に応じて適切な指導をすること。(82頁)

2 第2の内容の取扱いについては、次の事項に配慮するものとする。
(2) 生命を尊重し、自然環境の保全に寄与する態度を養うようにすること。(82頁)

健やかな体:スポーツライフ

(3) 学校における体育・健康に関する指導を、生徒の発達の段階を考慮して、学校の教育活動全体を通じて適切に行うことにより、健康で安全な生活と豊かなスポーツライフの実現を目指した教育の充実に努めること。特に、学校における食育の推進並びに体力の向上に関する指導、安全に関する指導及び心身の健康の保持増進に関する指導については、保健体育科、技術・家庭科及び特別活動の時間はもとより、各教科、道徳科及び総合的な学習の時間などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めること。また、それらの指導を通して、家庭や地域社会との連携を図りながら、日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し、生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮すること。

(1)食育(2)体力(3)安全(4)健康
・理科でも「健やかな体」を育成する。

復習

・学習指導要領の「総則」2~4頁を読み込んで、「生きる力」の具体的な中身について理解しよう。

予習

・学習指導要領総則4~5頁に目を通しておこう。

教育課程の意義と編成-4

▼10/16(月)

前回のおさらい

・時間割のプレゼン。教育課程編成が「どういう人間を作るか」という教育目的と密接な関係にある。
・教育課程編成のルール。年間授業時数=年35時間×週あたり何回。
・教育基本法→学校教育法→学校教育法施行規則→学習指導要領。

学習指導要領(前文)

社会に開かれた教育課程

教育課程を通して、これからの時代に求められる教育を実現していくためには、よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会とが共有し、それぞれの学校において、必要な学習内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを教育課程において明確にしながら、社会との連携及び協働によりその実現を図っていくという、社会に開かれた教育課程の実現が重要となる。(2頁)

これからの時代に求められる教育とは?

・知識基盤社会。
・少子高齢化。
・グローバル化。
・情報化。

求められる資質・能力とは?

ア)教科等を横断する汎用的なスキル(コンピテンシー)等に関わるもの
①汎用的なスキル等としては、例えば、問題解決、論理的思考、コミュニケーション、意欲など
②メタ認知(自己調整や内省、批判的思考等を可能にするもの)
イ)教科等の本質に関わるもの(教科等ならではの見方・考え方など)
例:「エネルギーとは何か。電気とは何か。どのような性質を持っているのか」のような教科等の本質に関わる問いに答えるためのものの見方・考え方、処理や表現の方法など
ウ)教科等に固有の知識や個別スキルに関するもの
例:「乾電池」についての知識、「検流計」の使い方

家庭や地域との連携

生徒が学ぶことの意義を実感できる環境を整え、一人一人の資質・能力を伸ばせるようにしていくことは、教職員をはじめとする学校関係者はもとより、家庭や地域の人々も含め、様々な立場から生徒や学校に関わる全ての大人に期待される役割である。(2頁)

学ぶことの意義?

・どうしたら「学ぶことの意義」を実感できるのか?
・生活との関わり。知識が実際に役立つという実感。

チーム学校

・教師の力を最大限に発揮できる組織を作ると同時に、学校外の専門家の力も有効に活用する。
・スクールカウンセラー、ソーシャル・スクール・ワーカー、部活動支援員など。
・校長のリーダーシップ。マネジメント機能の強化。
・教職員がそれぞれの能力を発揮することができる環境。

チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)

コミュニティ・スクール

・学校運営協議会が組織され、学校運営に意見が反映されている学校。(根拠:地教行法第47条の6)
(1)校長が作成する学校運営の基本方針を承認する。
(2)学校運営について、教育委員会又は校長に意見を述べることができる。
(3)教職員の任用に関して、教育委員会規則に定める事項について、教育委員会に意見を述べることができる。

コミュニティ・スクール2017(文部科学省パンフレット)

大綱的な基準

学習指導要領とは、こうした理念の実現に向けて必要となる教育課程の基準を大綱的に定めるものである。学習指導要領が果たす役割の一つは、公の性質を有する学校における教育水準を全国的に確保することである。また、各学校がその特色を生かして創意工夫を重ね、長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら、生徒や地域の現状や課題を捉え、家庭や地域社会と協力して、学習指導要領を踏まえた教育活動の更なる充実を図っていくことも重要である。(2頁)

・大綱的な基準であって、細かいところまですべて決められているわけではない。→教育課程とは、各学校が、生徒や地域の実態を踏まえた上で、特色を生かして創意工夫を重ねて作るもの。
・ただし、すべてが自由であるわけでもない。→全国的な教育水準の確保。

生涯学習、学校間連携

幼児期の教育及び小学校教育の基礎の上に、高等学校以降の教育や生涯にわたる学習とのつながりを見通しながら、生徒の学習の在り方を展望していくために広く活用されるものとなることを期待して、ここに中学校学習指導要領を定める。(2頁)

・「生涯学習」の理念と現実。知識の賞味期限切れが早くなったとき、どうするか。
・これからの教育に必要なことは、単に「何かを学ぶ」のではなく、「学び方を学ぶ」こと。

復習

・学習指導要領の「前文」(2頁)を読み込んで、日本が目ざしている教育の方向性を理解しよう。

予習

・目次に目を通して、学習指導要領の構造についてそれぞれの教育領域の特質について考えておこう。
・学習指導要領総則3~4頁に目を通しておこう。