「教育学でポン」タグアーカイブ

【教育学でポン!?】2020年1月21日

センター試験が一段落して、受験関連記事が少なくなりました。

教育全般

日本人の“読解力”は落ちたのか 教育現場でのデジタルデバイス活用が明暗を分けた(FNN PRIME)

落ち着いた内容の記事でした。こういう姿勢で問題ないと思います。

国立大の学費上げ、なぜ相次ぐ 学生に国際競争の余波(NIKKEI STYLE)

国立大の学費上げが最近になって突然始まったかのようなミスリードをしている、変な記事ですね。問題の根っこは35年前の臨時教育審議会と「新自由主義」にありますよ。

デジタル教科書、2024年度以降に本格導入!?(ベネッセ教育情報サイト)

教育学的には、デジタルかどうかというより、教科書検定の質の方が問題になりそうなところですね。検定する人たちの頭が固いと、どうしようもないわけで。

大学教授から研究を奪う、皮肉な「支援」(Forbes JAPAN)

ははは。実情がそこそこ赤裸々に表現されている記事ですね(←本当は笑っている場合ではない)。

中央大学の誇り「法学部」の都心移転が巻き起こす私大文系の乱(ulm)

大学の都心回帰は10年くらい前には進んでいて、最近始まった話ではありませんよね。取材不足の気がします。

「第二の保健室」の図書室…民間委託雇用、生徒と交流ダメ? 司書の役割とは(西日本新聞)

個別の事例については、事実の正確な把握が必要なのでコメントはしません。教育学の一般論として言えば、「チーム学校」の話や校長のマネジメントの話になるところです。が、そもそもは専門的な仕事であるはずの学校司書を民間会社の業務委託に頼らざるを得ないところが大問題だという認識が必要でしょう。

「息子がいじめに加担している」…悩む45歳父親へ鴻上尚史がおくる魂の回答「いじめと闘う道を歩くために」〈AERA dot.〉

「魂を汚したくない」という表現が、とてもいいですね。大人たち全体の問題として考えたいものです。

4時禁はブラック校則か?「監視されている気分」「安全考慮」(岐阜新聞Web)

単純に考えて、憲法に保障された「自由権」の侵害にしか見えないわけですが。しかし子ども相手なら権利を侵害して構わないってところが、教育の論理の怖いところですね。

教育は成功、でも子育ては失敗! 親の仕事は教育ではなく「心を育てる」ことです(Newsweek)

内容以前に、ずいぶん乱暴に「教育」という言葉を定義していることが気になってしまいます。専門家から言わせてもらえれば、EducationとInstructionという言葉(どちらも「教育」と翻訳されます)の違いを丁寧に意識してほしいところではありました。

【教育学でポン!?】2020年1月20日

ふだんは「日本の大学は入りにくくて出やすいのがケシカラン!」と言う方がけっこう多いのですが、なぜか受験シーズンになると「厳しい試験を課して入りにくくしろ!」と主張する方が増えますよね。どうしてでしょうか?(ヒント=ルサンチマン)

教育全般

科学で世界とつながる高校生たち 世界最大の国際科学コンテスト「ISEF」への道(GLOBE+)

こういう夢の大きな記事が、もっと読まれてほしいですね。若い人には、どんどん世界で活躍していただきたいです。

足元の教育が危ない―大学入試改革よりも公教育の立て直しを(nippon.com)

教育学的な基本知識に基づいた、至極ごもっともな見解ですよね。教育にかけるお金を増やすところから始めてもらわないと。

プログラミング教育の問題点 どう向き合う(日テレNEWS24)

一部の民間業者が無闇やたらと保護者の不安を煽って、金儲けに走っているのは知っています。一部の民間業者が「ゆとり教育」をネタに保護者の不安を煽りに煽って金儲けに走ったときと同じ光景が繰り返されています。

2020年は日本教育の節目の年、中学受験にも大きな影響はある?(MONEY PLUS )

まあ、教育産業のあれやこれやが、保護者の不安につけこんで金儲けしようと、てぐすねひいてスタンバってますよね。

教員の暴言や体罰が放置される私立学校。お受験の先にある地獄(HARBOR BUSINESS)

教育の公共性が破壊され、自己責任論が蔓延して行き着く先は、こういうことになりますね。

教職員の働き方改革は?長崎市教委の取り組み(テレビ長崎)

誰もが気づいていることですが、仕事内容が減らないのに勤務時間だけ減らしても、もっとおかしなことになるだけですよ。仕事内容を減らさないのだったら、教育にかけるお金と人を増やすしかありませんよね。まあ、常識的に考えれば分かるものですけどね…

“最後のセンター試験”全日程が終了 「教員の負担が大きい」経験者の明星大藤井准教授は試験監督の大変さに言及(AbemaTIMES)

理想的なことを言えば、中等教育関係者が「高校卒業程度の到達度評価」を行なって、大学関係者は試験監督なんかやらず、マッチングの判定に精力を傾けるべきなんですよね。

佐藤ママが「幼児教育に英語は不要」とする理由(東洋経済ONLINE)

英語だけ話せても何の意味もなく、「話す内容が重要」というのはその通りですね。林修先生もテレビで言っていました。

大学受験参考書をサブスクで。「低価格で使い放題」が市場に投じる一石とは(ForbesJAPAN)

なるほど、新しい動きですね。ビッグデータを活用した「評価と指導の一体化」という点でも注目していきたいと思います。

【教育学でポン!?】2020年1月19日

センター試験、無事に終わりましたでしょうか。しかし考えてみれば、社会に出てからは、ああいう極めて特殊な環境でパフォーマンスを発揮することなんて、あまり求められません。もっとリラックスして全力を出せる環境でやればいいのになあと、個人的には思っちゃいますね。たとえば私は、甘いもの食べてエネルギーを脳味噌に回してるときとか、風呂に入っているときとか、頭の回転が普段よりも早くなるんですよ。同じテストの点でも5%くらいは上がるんじゃないですかね。

教育全般

ヨーロッパ学力一位、教育電子化を大胆に進めるエストニアに見る未来の教育(AMP)

日本では電子化が「目的」となっている恐れが強いのですが、この記事を読む限り、エストニアではしっかり「手段」として機能しているようです。教育に関してコンピュータが威力を発揮するのは、「形成的評価」の領域です。このあたり、教育学者が言っていることをちゃんと聞いてほしいなあ。

守谷市が教科担任制、4月導入へ 小学5・6年 理科、音楽、図工(茨城新聞)

小中連携や小学校での教科担任制など、戦後の学校教育法の枠組みを相対化していく様々な取組みについては、具体的な事例をたくさん見ておきたいと思います。

センター試験、共通テスト意識か…漢文や日本史で「背景読み解く」問題(讀賣新聞)

つまりみんな去年の「ムーミン」を覚えてないってことなんですね。

東大・京大に受かる子どもは「足し算」をどのように解くか?(幻冬舎GOLD ONLINE)

タイトルと内容がリンクしていないし、算数に関する内容そのものは学研ひみつシリーズレベルの話でした。

「学院」と「学園」で大違い? いかにも混同しそうな大学名【初級編】(マネーポストWEB)

上級編?では東京家政大学と東京家政学院大学もよろしくお願いします。

最近の私立大学医学部の入試問題って…:竹内洋×佐藤優対談(幻冬舎GOLD ONLINE)

「到達度評価」についてまったく触れないで「大学の作問力」とか言われると、教育学的には溜め息が出ます。

京大の「自治の精神」を支える吉田寮と、そこで暮らす学生の姿(ブックバン)

熊野寮のことも忘れないであげてください。

神奈川県の公立小中学校、定数に対して61人教員足りず(TBS NEWS)

教育に金をケチっていいことなんてあるんですかね?

書類申請で消耗…「研究・開発」を窒息させる、大企業・教育現場の不合理(現代ビジネス)

記事は理系についての話でしたが、多かれ少なかれ文化系にも当てはまるように思ってしまいました。

子どもが勉強を嫌いになってしまう3つの原因(ベネッセ教育情報サイト)

というか、大人が勉強していない環境で、子どもが勝手に勉強を始めることはないと思いますよ? 子どもを「ほめる」とか「必要性を説明する」とか言う前に、大人自身が率先して勉強したほうが効果的でしょうね。

【教育学でポン!?】2020年1月18日

私の妻は寒いのが極度に苦手な体質なので、センター試験で本来のパフォーマンスを発揮できなかった可能性が高かったんじゃないかと思っております。センター試験が夏だったらもっと高い点を取る子って、けっこういるんじゃないでしょうか。季節による有利不利ってのも、たぶんありますよね。

教育全般

小学校の飼育小屋から「ニワトリ」「ウサギ」が消えつつある…きっかけは鳥インフルエンザだった!?(FNN PRIME)

教育学的にも、なかなか興味深く、考えれば考えるほど様々な要素が複雑に絡むテーマのように思えます。自宅の近くの学校ではヤギを飼っていて、高いところに登りたがる生態を観察できたりして、けっこう楽しいですね。

「センター試験」30年の功罪を見つめる 良問の一方でテクニック重視も(オトナンサー)

単に入試制度だけに注目する視野の狭い記事が多いなか、この記事はしっかり「高大接続改革」に触れて入試改革の本質に言及しており、好感が持てます。が、ヤフコメを見ると、その良質な部分が世間には伝わっていないようです。

難化による安全志向ではない 受験生が“東大早慶”を受けない理由(FRIDAY DIGITAL)

国際バカロレアなど選択肢が増えて、考え方が多様化しているのは間違いありません。方向性としては悪くないと思っています。

「なぜ宿題をしなかった?」東大に合格した生徒、さすがの返答(幻冬舎GOLD ONLINE)

御多分に漏れず、私も宿題はしないくせにテストはほぼ全て満点という、教師にとっては扱いにくい生徒で、恐縮でした。まあ専門的に言えば、宿題というものが「評価」を伴っていないことが問題の核心にあります。逆に言えば「形成的評価」を伴った宿題であれば意味があるということになるのでしょう。

【大塚英志氏書評】国語教育の論理国語化醸成を狙う同調圧力(NEWSポストセブン)

「他者と公共性を構築していくための国語」という観点には共感するけれど、この本の書評で言う必要はあまりないように感じました。

センター試験監督は「憂鬱の極み」、数々の要求とクレーム(NEWSポストセブン)

この記事を書いた人は、受験の環境自体が極めてオカシイことは常に念頭に置いておいた方が思います。社会人は、あんな環境や姿勢で仕事なんかしませんよ。個人的には、コーヒーでも飲みながらもっとリラックスして実力を出し切れるようにすればいいなんて思っちゃうんですけどね。

子供の成績が「下がる部屋」「上がる部屋」の大差(東洋経済ONLINE)

おそらく個性に合わせるのが一番うまくいくはずです。

医学部入試「差別あった」 聖マリアンナ医大の第三者委(朝日新聞DIGITAL)

こういうズルって、最後にはぜったいバレますから、やめたほうがいいですよね。

小学校プログラミング教育 2市町「指導体制不足」 文科省見解(静岡新聞)

具体的な調査の内容と対応が垣間見えて、ちょっと参考になりました。こういう具体的なことが分かるのが、地方紙独特の強みですね。

理不尽なブラック校則の思い出「修学旅行で洗髪禁止」「駅のベンチに座ってはいけない」(キャリコネニュース)

にわかには信じがたいですね。いやはや。

次世代の子どもの感性を育む、森の学校の教育とは。(FIGARO)

日本でもこういう幼児教育を行なう団体が増えつつあるように思います。個人的には、早期教育を行っている団体よりも好ましいと思っております。

 

【教育学でポン!?】2020年1月17日

明日からセンター試験ですね。私が受けたのは1991年で、第2回目でした。湾岸戦争で世界はこんなに大変なのに、俺たちは世界の片隅でしこしこ試験なんだなと黄昏れていた記憶があります。

教育全般

工夫重ねた巨大テスト 18日から最後のセンター試験(朝日新聞DIGITAL)

今では私も問題を作る側(センターじゃありませんが)に回っております。そして、問題を作ると、学んでいたときより、対象の本質がよりはっきりと見えてきたりします。

最後のセンター試験「迷走する英語試験」 なぜ日本人は英語コンプレックスを抱くのか(文春オンライン)

教育学の知見を踏まえれば、民間試験導入が強行されようとしたのは、この記事が言うような英語コンプレックスが原因などではなく、35年前の臨時教育審議会に端を発する「新自由主義」の傾向が極まったせいだろうと思いますよ。

「宿題」を廃止したわけ ~ 型破り校長の改革論(ニッポン放送)

目的と手段を取り違えるなって話のはずですが、相変わらず読解力の低いヤフコメ欄が地獄。教育環境の違いを指摘して何か言った気になっている人が相変わらずいるようですが、目的を実現するために環境に合わせて手段を見直し続けることが大事って話ですね。

中学受験はなぜ親子を「狂気」にまで追い込むのか、その構造的理由(現代ビジネス)

最初はよくある話かと思ってしまいましたが、最後まで読んだらけっこうまとまってオチがついた話になっていました。

日本一の女子校の礼法 叩き込んだ“型”の先にあるもの(Wedge)

個性的な学校の個性的な実践記事は、楽しく読めますね。

校則なし、先生の残業なし。発達障害児や不登校だった子もみんな一緒に学ぶ小学校(HUFFPOST)

各方面に大きな影響を与えつつある、注目の実践と教育者の話です。専門的に言っちゃうと、「社会関係資本」を充実させれば教育がうまくいくという話ですね。

PISA型読解力「情報を見極める学びを」 川村学園女子大・田中孝一教授(産経新聞)

産経新聞がこういう「情報を見極めるための学び」を前面に打ち出す記事を配信しちゃうのは、ちょっと微笑ましいですね。