「歴史散歩」カテゴリーアーカイブ

【愛知県新城市】鳳来寺は子宝パワースポットだけど、鳳来山東照宮はトップ3に入れるか問題

愛知県東部の山の中にある、鳳来寺に行ってきました。
鳳来寺の御本尊である薬師如来へお参りと、子宝パワースポットとして有名な鳳来山東照宮へのお参りが目的です。

本来は鳳来山の麓から1425段の石段を踏むべきではあるのですが、今回はパークウェイを使って山腹までピュッとショートカットです。駐車場から鳳来寺までは徒歩10分足らずで着きます。効験があったら、今度は麓からちゃんと登ってお礼をしに行かないといけませんね。
とはいえ、駐車場から鳳来寺までの道もなかなか凄いところです。写真の位置から金網の向こうを見下ろすと、眼下は垂直に切り立った断崖絶壁になっていて、眺めていると吸い込まれそうになります。写真ではなかなか立体感が出ないので分かりにくいですが、現場は相当の迫力です。

まずは鳳来山東照宮へお参りします。鳥居の向こうに立派な拝殿が見えます。

案内板によると、三代将軍家光が祈念して造営した東照宮のようですね。

別の案内板には、ちゃんと「奥方」ではなく「伝通院於大の方」と出ていますね。そして「日本の三東照宮」の一つとされています。んー、日光東照宮と久能山東照宮が一番二番の東照宮なのは間違いないとして、三番目は世良田の東照宮もかなり有力な気がしますけれども。岡崎と川越の東照宮もたいへんな由緒がありますし、三番目をどれにするかは難しい問題じゃないですかね。まあ、愛知県民としては鳳来山東照宮が三番目で問題ないかな。

そして鳳来山東照宮は、拝殿だけではなく本殿も直接拝むことができます。そんなわけで拝殿を回り込んで本殿の前へ。

拝殿の背後にある中門から本殿にお参り。何もなくここまで入れてもらえるところは珍しいんじゃないのかな?

東照宮の石垣の間を降りて、鳳来寺へ向かいます。鳳来寺の看板の下にちょうど梅が盛りとなっておりました。桃色でとても綺麗です。

鳳来寺の本堂にお参りします。御本尊は薬師如来です。本当はちゃんと麓から仁王門を通って登ってくるべきですが、それはまた今度。いちおう6歳の時に1425段は達成しておりますよ。

案内板は、鳳来山の自然や歴史についての解説が充実しております。

本堂前の展望台から南側を臨むの図。とても雄大な景色で、清々しい気分になります。写真だと雄大さが半減しちゃってますけどね。

今度は石段を登ってさらに奥の院まで行こうと決意を込めつつ、鳳来山を後にするのでした。
(2018年3/26訪問)

【長野県上田市】上田城は尼ヶ淵に降りて見上げないと来た意味がないんじゃないかな

長野県上田市の上田城に行ってきました。
上田城は真田氏ゆかりの城として有名ですね。近年では2016年の大河ドラマ『真田丸』が記憶に新しいです。

上田駅では、改札口から真田家のシンボル六文銭を大プッシュしております。

JRの駅にも大きな六文銭のデザインがあしらわれています。他にも、街中には至る所に六文銭を見ることができます。愛されていますねえ。手前の銅像は、上田駅に突進する馬上の真田幸村。かっこいいです。

二の丸と本丸を隔てる巨大な堀を超えると、立派な櫓門が待ち構えています。この光景には胸が高まります。格好いいですねー。

しかしまあ、案内板によれば、櫓は戦国の真田時代に建てられたものではなく、江戸時代に入ってから仙石氏によって築かれたものということです。真田氏が造った上田城は、煮え湯を二度も飲まされた家康によって徹底的に破壊されてしまったので、当時の遺構が残っていないのは仕方ないところですね。

櫓の中は史料展示スペースになっていて、特に真田三代の事績や、上田合戦の具体的な展開について知ることができます。なかなかお金がかかっていて、充実しています。

これも残念ながら真田時代のものではありませんが、尼ヶ淵から見上げる石垣も極めて立派で、見応えがあります。写真は、下から見上げる西櫓。本丸ばかり見て尼ヶ淵に降りてこない観光客も散見されますが、たいへん勿体ないですね。ここから見上げないと、上田城の神髄は分からないんじゃないかと思います。

江戸時代は、この石垣の直下まで千曲川分流の河原になっていました。こちら側から城を攻めることはほぼ不可能で、堅固な城であったことが推測できます。真田氏の居城時にはどのような土の姿だったのか、興味をかき立てられます。

かつての河原から西櫓を見上げます。格好いいですね~。

案内板によると、一部に古い時代の石垣も確認できるとのことですね。

写真は、東側から石垣を臨むの図。手前に見えるのが南櫓で、奥に見えるのが西櫓です。とことん格好いいなあ。

上田城がかっこよく見えるのは、姿形だけのせいではなく、それが辿った歴史に負うところが大きいかもしれません。二度も徳川軍を撃退するという実戦を経験していることが、極めて強く印象に残るわけです。我が鵜殿家も徳川氏との遺恨があったりなかったりするので、徳川氏に煮え湯を飲ませた上田城にはたいへん親近感を覚えるわけですね(?)。

さて、上田を訪れた2018年3/26は、東京では桜が満開になっていたようでしたが、こちらでは梅が盛りでした。紅梅が鮮やかです。

東側の土塁の上では、白梅が見事に咲いておりました。

二の丸の東側にある上田市立博物館も見学してきました。博物館本館の方では江戸時代の仙石氏や松平氏の治績が展示されており、別館の方で真田氏に関する展示が行われています。本館だけだと、実は真田氏関連資料をまったく見られないので、要注意ですね。
本館の展示では、幕末の兵学者、赤松小三郎の事跡を興味深く見ました。佐久間象山との交流もあり、幕末に大きな役割を果たした学者です。一般的には幕末の学者が注目されることはあまりありませんが、個人的には藤田東湖とか横井小楠とか学者たちの動向にとても興味があります。が、この赤松小三郎、志半ばで薩摩藩の中村半次郎(後の桐野利明)に暗殺されてしまいます。2018年の大河ドラマでは暗殺実行者の中村半次郎がなかなか重要な人物として描かれそうな感じがしますが、赤松小三郎暗殺エピソード等はどう扱われるんですかね。
いっぽう別館の展示のほうは、真田一色でした。上田城合戦や犬伏の別れなど、詳しく紹介されています。上田城もCGで復元されて、当時の姿を確認することができます。
(2018年3/24訪問)

【池袋散歩20180329】あるいは法明寺の桜

飛鳥山公園で桜を見たあと、王子から都電荒川線に乗って都電雑司ヶ谷で降りて、池袋の「東通り」を西へ歩き、途中で法明寺の桜を見て、JR池袋から離脱という流れ。

25年前には都電雑司ヶ谷駅の近くに住んでいました。四半世紀前は下町的な雰囲気が濃厚に漂っていましたが、現在はずいぶん雰囲気が変わっています。決定的なのは豊島区役所のデカいビルが建ったことですが、さらに南池袋公園の整備でオシャレ感が増幅し、大人向けの落ち着いた雰囲気が漂うエリアになりました。個性的なお店も増えているように思います。

「東通り」の半ばあたりの道を南下して鬼子母神のほうに向かうと、法明寺という桜の名所に出ます。露店が立ち並ぶなど地元ではよく知られた桜の名所ですが、東京全体での知名度はまだそんなに高くないのかな。穴場と言っていいかもしれません。

法明寺は、たいへん風情があるお寺で、南池袋エリアのオシャレなお店でランチやカフェを楽しんだ後などに寄ると、よりいっそう情緒が膨らみそうです。サンシャイン通り方面は中高生やオトメたちが多くて賑やかではありますが、平均年齢が低く騒々しい空気に辟易してきたら、南池袋エリアはお勧めです。

その南池袋エリアは、さらに西武が新しいビルを建てていて、さらに展開しそうです。(参考:池袋旧本社ビル建て替え計画)。相変わらず人口密度の低いメトロポリタン口から南側を覗くと、巨大なビルが出現しつつあるのを見ることができます。2019年3月に完成予定とのことです。このビルができると、たぶん西武池袋駅の南口が大きくなって池袋の南側に人の流れができるので、さらに南池袋の開発が展開していきそうな気がします。

さて、大学のそばを流れる石神井川の桜も盛りを超えて散り始めました。

桜の向こうに、研究室が入っている120周年記念館が見えます。

東京家政大学にお世話になって、早くも1年が経とうとしています。今年度もよろしくお願いします。

【東京都の桜の名所2018】石神井川→飛鳥山→上野公園→千鳥ヶ淵

桜が咲いたので、東京の桜の名所を一回りしてきました。まずは石神井川沿いを王子方面に歩きます。

全体的には7分咲きという感じですが、気が早い樹は満開になっています。

続いて飛鳥山公園へ。こちらは石神井川沿いよりも開花が遅く、全体的には五分咲きという感じでした。

京浜東北線に乗って王子から上野に出て、上野公園へ。戊辰戦争彰義隊慰霊碑の脇の桜が見事に咲いていて、人気を博していました。大河ドラマで上野の山の戦いがどのように描かれるのか。

上野公園では、すでにへべれけに酔っ払っている人たちがたくさんいました。明日明後日が本番ですよ。もうすぐ満開です。

上野で銀座線に乗って、半蔵門線に乗り換えて半蔵門へ。桜の向こうにかろうじて半蔵門が見えます。千鳥ヶ淵公園は7分咲きという感じでした。

千鳥ヶ淵緑道も7分咲きくらいでしたが、場所と角度によってはいい感じに見えます。明日と明後日は凄い人出になりそうですね。

【池袋散歩20180322】あるいは人口密度の低いサンシャイン

今日も今日とて健康維持のために散歩へ。サンシャイン60まで徒歩20分強なので、サンシャインの中を3周ほどしてきました。

GPSで見ると同じところを回っているように見えるけれど、実際には1階→2階→3階→屋上と立体的に移動しています。

ところで思うのは、人々はサンシャインシティのポテンシャルを活かし切れていないのではないかということです。ナンジャタウンや水族館やプラネタリウムはもちろん素晴らしいアトラクションスポットではありますが、このあたりには金をかけずに良い雰囲気を作れるスポットがたくさんあります。

たとえばサンシャインシティの4階は屋上庭園となっており、季節の花々を楽しむことができます。

が、あまりに人口密度が低いのでした。昼間なのにこんな感じで人がいません。スペイン階段の向こうに見えるアニメイトの周辺はオトメたちですさまじい人口密度になっているのですが、こちらは閑散としております。

単に人がいないからお勧めなのではなく、散歩ルートとしてもなかなか優れています。カップルで行くのも良いと思います。ロマンチックな上に人がいない場所というのは、かなり貴重です。

サンシャインシティ4階の南側角は、様々な樹木を楽しめる、ちょっとした迷路庭園となっています。

見上げると、サンシャイン60ビルが屹立しております。

Googleマップで上空から見るとこんな感じ。庭園の迷路がどうなっているか丸わかりですね。

今の季節の庭園では乙女椿が盛りとなっています。

なかなかゴージャスな花ですね。見に来る人が少ないのは、本当に勿体ないなあ。まあ、この空間は17:00で閉鎖されてしまうので、日が暮れてから月を見たりするのに使えないのが残念ですけれども。

そんなわけで、サンシャインシティの屋上はどこもかしこも閑散としております。上の写真は北側のスペース。

これは意図的に設計された空間だと思うのだけれど、誰もいません。災害時に集合場所になったりするのかな? 使い道がよく分かりません。フットサル場にでもすれば良さそうなスペースに見えますが。
まあ、同人誌即売会が開催されている日は、こういうところで協同購入グループが戦利品を広げて交換していたりするので、週末に行くのは微妙かもしれませんが。

上の写真は南側スペース。下を覗くと、首都高速5号東池袋インターチェンジが見えます。ここの出入口には近未来感が漂っていて、外国人は喜ぶかもしれません。タルコフスキーとか。

サンシャインシティ北側の階段を降りると、東池袋中央公園の裏に出ます。休日はコスプレイヤーたちで2.5次元空間となる東池袋中央公園ですが、普段は閑散としております。東池袋中央公園の裏からサンシャインシティに入るルートを押さえておくと、通っぽくなりますね。

巣鴨プリズン跡地の碑に手を合わせて、サンシャインシティと東池袋中央公園を後にするのでした。