【要約と感想】伊藤良高『増補版幼児教育行政学』

【要約】2006年の教育基本法改正以降、新自由主義的行政がさらに進行し、幼児教育を歪めています。幼児教育行政は、サービス消費の観点から営利追求を追認するのではなく、公共性の観点から子ども本位で構想するべきです。首長のリーダーシップの在り方にも注意が必要です。保育学の専門性を確立するために、関係者一同が協力していきましょう。

【感想】単なる事実の羅列に終始するのではなく、保育学確立を願う著者の志と理念を十分に感じられる、格調の高い本だった。2006年の教育基本法改正以来、幼児教育の分野も含めて、教育界では大激変が続いている。教育委員会の形も大きく変わった。そんな中、ただ世間の波に翻弄されるのではなく、自分の立ち位置を見定めるために、良い本だと思った。

伊藤良高『増補版幼児教育行政学』晃洋書房、2018年