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【教育学でポン!?】2020年12月26日

神奈川県立金沢文庫で開催中の特別展「東アジア仏教への扉」を観てきました。国宝や重要文化財がたくさん展示されていて、眼福でした。金沢文庫が伝えてきた仏典が研究史的にも極めて重要なことを改めて認識しました。写真は、称名寺の裏山にある、金沢文庫創設者とされる北条実時の墓。

文部科学省

■萩生田光一文部科学大臣記者会見録(youtube令和2年12月25日)
今年最後の会見です。前例のない大変な年で、舵取りも難しかっただろうと思います。教育に関する私個人の主義主張とは大きく異なりますが、下村氏と比べたら圧倒的にマシな仕事をしたと思います。まずはおつかれさまでした。

オンライン授業・ICT

■各大学の調査で見えてきた学生によるオンライン授業への高い評価。政府・政治家はEBPMの意識を(室橋祐貴)
昔の大学では授業以外の部分(いわゆる隠れたカリキュラム)での人間形成が重要だったのですが、文部科学省は意図的にそういう部分を削り落として、表面上のカリキュラムばかり充実させていきましたので(シラバスやコア・カリキュラムなど)、結果としてオンラインでもさほど変わりない状況になっている、ということでしょうかね。

教育全般(国内)

■41歳で夢だった小学校教員試験に合格「3人の子持ち、夫が単身赴任でも務まる?」女性の悩みに賛否激論(1)(JCAST会社ウォッチ)
■41歳で夢だった小学校教員試験に合格「3人の子持ち、夫が単身赴任でも務まる?」女性の悩みに賛否激論(2)(JCAST会社ウォッチ)
務まるためのサポートをするのが管理職や教育委員会の仕事でしょう。勤務地の選択とか、工夫できるところがふつうにたくさんあるでしょう。

■茨城県総合教育会議 ICT、教員確保探る 改革へ意見交わす(茨城新聞クロスアイ)
「総合教育会議」というものがどのように機能するのか生温かく眺めているのですが、なかなか具体的な形が見えてきませんね。

■大分・中1いじめ 再調査委が校長の改ざん認める 「公文書の適切管理を」(毎日新聞)
国のトップが公文書を軽視してもいいという姿勢を鮮明にしましたからねえ。連鎖しますよ。

■東大からオックスフォードに移った苅谷教授が、教育改革・入試改革を鋭く分析 書評:『コロナ後の教育へ――オックスフォードからの提唱』(中央公論)
書評を読む限りでは、前著と言っていることがほとんど同じような。まあ読みますけれども。

■「やらされる部活」にはない堀越高の強み コロナ禍で「成長速度が加速した」自粛期間(THE ANSWER)
納得感の高い記事でした。

■想像以上に搾取される保育士たち…良い保育園と悪い保育園の「決定的な差」 データから見えてくる「重要ポイント」(現代ビジネス)
長年この問題に取り組んでいる方だけあって、とても具体的で核心を突いた記事のように思いました。

■慎ましさという無言の圧力や、玉の輿至上主義の女性教師にZ世代が反論!(VOGUE)
一般的に言えば、教育の普及によってむしろジェンダー内・地域内で分断が加速するという皮肉と逆説ということなんでしょうが、当事者にとってはとても切実な問題です。

■【性教育】は3歳から!小学生からではもう遅い理由(VERY)
どうでしょう。3歳では性教育どころか「教育」そのものが必要ないかもしれませんよ?

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【教育学でポン!?】2020年12月25日

板橋区立美術館で開催中の「レオ・レオーニ展」を観てきました。とても良かったです。絵本のテーマは、ど真ん中ストライクでpersonalityとかidentityとかindividualityとかsingularityという概念に関わってくるのです。タイトルロゴをレオーニっぽいデザインにしてみようと思ったけど、うまくいきませんね。

オンライン授業・ICT

■コロナ第3波の今考える、同じ公立小なのにオンライン活用が進まない学校があるのはなぜか 「一律じゃないと不公平」は本当か(PRESIDENT Online)
■オンライン授業ができる公立校と未だ対応しない学校で教育の質に差が出はじめた 一律を追い求めたために起きた大差(PRESIDENT Online)
現場のナマの声として興味深く読みました。なるほど、5/11の文科省声明が大きかったことが分かりました。

教育全般(国内)

■【STOP!教員の性暴力】免許法改正見送りでも子どもを守る!被害者ゼロへの道はあるのか?6つの提案(末冨芳)
実質的な効果が挙がる方策を考えていきましょう。一方で、くらもちふさこ「海の天辺」や河原和音「先生!」が否定されているようで、複雑な気持ちにもなります。フィクションはフィクションとして楽しめる成熟した感性が大事ということか。

■40年の停滞は破られた!35人学級から「新たな学び」へブレイクスルーを起こせるか?問われる自治体の力(末冨芳)
■(社説)35人学級へ 教員の質確保に知恵を(朝日新聞DIGITAL)
制度は制度として、それを前向きに活用できるかどうかは、次は現場の力量にかかってきますね。

■進む教員のタイムカード管理 6府県が9割超、最低は…(朝日新聞DIGITAL)
一歩前進とはいえ、タイムカードが実態を反映しているかどうかは疑問だったりします。

■コロナ下での全校集会に激高、教諭がガラスたたき割る(讀賣新聞オンライン)
気持ちは分からないでもないですが、行動に移す前に6秒数えましょう。

校則

■小中高校の校則見直しへ 熊本市教委、人権や社会通念に配慮(熊本日日新聞)
見出しを見るだけだと誤解しやすそうですが、教育委員会が各学校に対して「校則見直し」を指示するのではなく、正しくは「校則見直しのガイドライン」を策定するということですね。あと、私立学校に対する指導はどうしましょうか。

■教諭も困惑、制服検査「あれはセクハラ」 校則は誰のためにあるのか(47NEWS)
苫野さんのコメントもありました。

■「校則なし」で区立中はどう変わったか 校則は誰のためにあるのか(47NEWS)
いろいろな意見はあるでしょうが、ともかく机上の空論ではなく、実際に行動しているところが感心しますね。

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【教育学でポン!?】2020年12月24日

M-1の審査の問題は、教育学的には「評価の妥当性と信頼性」という概念を援用して理解することができそうです。

教員免許がないとき、どうする

■令和3年度埼玉県公立学校教員採用選考試験民間企業経験者特別選考(埼玉県教育委員会)
教員免許、いらないってよ!
まあ正確には、これまでにも僅かながら運用されてきた「特別免許状」の制度を活用するわけですけれども。(※参考:特別免許状の授与に関する指針)。ただ、英語ができるという「教科に関する知識・技能」さえあればよく、教育の理念や方法や発達心理学や学級経営などの「教職に関する知識・技能」は学んでいなくてもOKなことは確かで。そして勤務条件を見ると、教職に関する知識も技能もないのに学級担任を受け持つらしいよ! つまり「教職課程を学ばなくても学級担任くらいできる」ということらしいです、はい。そしてこの先、ICTに関してこのようなケースが増えてくるだろうと予測いたしますよ。さて、なしくずしに教員採用の自由化(教員免許制度崩壊)につながる可能性を考えなきゃいけないかどうか、いやはや。ともかく、教員免許なしでも教壇に立てるんなら、真面目に「教員免許更新講習」を受けている先生たちが、かわいそうです。早く廃止してください。

■学校の臨時講師 教員免許偽造か(NHK NEWS WEB)
■高校教諭、無免許で8年間授業 熊本の私立校(熊本日日新聞)
実際、「教員免許なしでも問題ない」と教育委員会が言っちゃっているという。「大いに問題だったが、卒業生に遡って授業はやり直せない、仕方ない」と言わないとマズいんじゃないの? あるいは、CAを雇うくらいなら、こういう人たちに「特別免許状」を出せば?

教育全般(国内)

■七北田小学校の男性講師 いじめ調査改ざん受け研修会 市立小中高の校長対象〈仙台市〉(仙台放送 ※映像と音声が流れます)
「対策をしました」というアリバイに過ぎず、実質的には意味がないどころか、むしろ貴重なリソースをドブに捨てる行為だろうと思いました。

■「教師の暴力から子どもを守る法律がない」 被害児童の支援NPO、学校教育法の改正求める(弁護士ドットコムニュース)
学校の中(あるいは外であっても)では「校則」等によって「憲法で保障された基本的人権の一部停止」ができてしまうことが根本的な問題なのでしょう。

■高校再編「丁寧な議論を」 田辺地方の首長が県教委と意見交換(紀伊民報)
既存の枠内でいくら丁寧な議論をしても、結論は出ないと思います。「学校教育」の枠組みそのものを疑う観点が必要なんでしょう。

■東大教授が「日本の教育はロクなもんじゃなかった」と語る理由(DIAMOND online)
教育史の専門家からしてみれば、いろいろ文句も言いたくなる記事ではあります。が、まあ、大雑把には御指摘通りかな。

■教員向け情報サイト「TEAChannel」をオープン 日本漢字能力検定協会が授業風 景やコラムを掲載(Amebaニュース)
■TEAChannnel
登録してみました。ちなみに「言語活動」は、教科等横断的な視点から全ての教科に要求されているわけです。

■学習遅れ小中8割超で解消 夏休み短縮や行事減でコロナ禍の長期休校を挽回(神戸新聞NEXT)
この場合の「挽回」とは、「学習指導要領に書いてある内容を教師が話し終わった」という意味に過ぎず、子どもたちが本当に理解したかどうかは別の話です。

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【教育学でポン!?】2020年12月23日

上野の森美術館で開催中の「KING&QUEEN展」を観てきました。15世紀以降の英国王朝の肖像画を中心とした展覧会です。ローマカトリックに対抗する英国王朝は、個人的には、京都公家政権に対する関東武家政権のような印象を持ちます。テューダー朝(1485-1603)が日本では応仁の乱後から江戸幕府成立、ステュアート朝(1603-1714)が享保の改革まで、ハノーヴァー朝(1714-1837)が天保の改革までと、なんとなく日本武家政権の転換期とも符合しますしね。
写真は、上野の清水観音堂。クリスマス前なのにまだ紅葉が残っていました。

文部科学省

■Q 教育のデジタル化の一環としてのマイナンバー制度の活用について、どのように考えていますか。(文部科学省「最近よくあるご質問にお答えします」)
■マイナンバーと学校の成績をひもづけるってホント? 報道で炎上、専門家「どうしてこんな話に」(弁護士ドットコムニュース)
政府の目的そのものがやっと具体的に分かったけれども、だとしたらそれは「指導要録」の在り方の問題じゃないでしょうか。やはり意味が分かりません。

■大学等における後期等の授業の実施状況に関する調査(文部科学省WEB)
■対面の授業、半数未満が187校 大学後期、首都圏で大半(共同通信)
まあ、各大学が苦心して「作文」した様子はよく伝わってきました。しかしこれほど「妥当性・信頼性」共に意味の分からない調査も珍しいかもしれません。

オンライン授業・ICT

■多喜弘文 ICT導入で格差拡大 日本の学校がアメリカ化する日(中央公論)
全体的に抑制された筆の運びになっていますが、教育学プロパーからはハテナなところが多い論考でもありました。まず一番問題なのは、今年度の一斉休業中におけるオンライン授業と、学習指導要領が求めるICT活用では、基本的な考え方がまるで違ってくるはずなのですが、そこが無批判に繋がってしまっているところでしょうか。

■AI教材のatama plusと立命館が連携し、新しい高大接続と入試の在り方を考える共同研究会を設立(EdTechZine)
なるほど、前日の大雑把な記事では具体的に何を目指すのか分かりませんでしたが、この記事のおかげでよく分かりました。

■【独自】デジタル教科書に「不安」9割…「視力低下」「通信環境」など懸念(讀賣新聞オンライン)
ところで回答したのは現場の人じゃないんでしょ? 現場に聞いたら、もっと不安の割合が増えるかもしれませんね。

教育全般(国内)

■学校経営に参加した生徒の変化とは 教育改革者・工藤勇一校長の当事者意識の育て方(U22)
理屈を言うだけでなく、実際にやっているというところがすごいんですよね。

■大学でも進む「変人」教育 研究所や講座設置の意図は?(Forbes)
まあ個人的な経験では、「変人」を自称する人に本当に変な人はあんまりいなくて、むしろ自分を「普通」だと信じ込んでいる人に変な人が多い印象です。

■わいせつ罪実刑の元総長復職 東京福祉大「人格が卓越」(朝日新聞)
■「いきなり授業に現れ…」強制わいせつで実刑の東京福祉大・創設者 “運営関わらない”はずが総長復帰(FNNプライムオンライン)
私は教育史の専門家として「人格」概念の定着過程を研究していまして、「人格」という言葉の使われ方が人によってまったく異なることを明らかにしてきました。この場合の「卓越した人格」とは、具体的にいったいどういう状態を指して言っているのか、気になるところです。私が研究してきた「人格」とはどうも違う意味のように思えます。

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【教育学でポン!?】2020年12月22日

今年の授業が終わった。うれしい。

オンライン授業・ICT

■使用時間の制限撤廃 デジタル教科書、普及促進 文科省(時事通信)
5年前に大学で購入したデジタル教科書は「CD-ROMからインストール」という間抜けな形態でした。やめれ。

■政府が進める「デジタル教科書」の“不都合な真実” 5年間使った小学校が「紙の教科書」に戻したワケ(デイリー新潮)
実証的なデータを蓄積していくこと自体は大事でしょう。しかし2400年前には「文字は人間を堕落させる」と書いた哲学者もいたわけで。

■立命館大 人工知能で教材開発する企業と入学試験のあり方などについて共同研究(ABCニュース)
こういうニュースを見ると、ちょっと焦るなあ。

教育全般(国内)

■教職員、心の病による休職過去最多 働き方改革が急務に(朝日新聞)
PDCAサイクルの「C」がこれだけ揃っているのに、いつまで経ってもさらなるCだけ積み重ねて一向に「A」に移らないのは、どう考えてもやる気がないからとしか思えないんだぜ。

■公立小学校「35人学級」へ、手放しで喜べるのか(大人んサー)
御指摘通りですね。財務省は日本を滅ぼそうとしているとしか思えません。

■今年だけで10冊以上、「性教育本」が出版ブーム 背景にある教育への不安(YAHOO!JAPANニュース)
とても大切な取組みです。かつての日本では、親以外の大人から「性」の知識を得ていました。しかし現代では、親や教師以外の大人が何かを教えるということがなくなりました。いわゆる「ナナメの関係」が機能しなくなっていることが、性教育が機能不全に陥っている背景にあるのでしょう。道徳教育の停滞など、教育問題全般の背景に共通にある構造です。

■小中教員、平均年齢が低下 高校は過去最高 文科省調査(時事通信社)
年齢構造がいびつなことは、かなり前から指摘されています。

■体罰が問題になった2高校が協定 「開かれた学校」づくり目指す(神戸新聞NEXT)
学校の友好連携は、国内国外問わず様々ありますが、こういう形もありですね。実質的な効果が挙がるといいですね。

■行き過ぎ校則 下着脱がせる、眉は書く、整髪料は洗髪…福岡県弁護士会調査(毎日新聞)
一度は下火になったのですが、ゼロ・トレランスが流行ってから、また変な校則が増えた気がします。

■鬼滅の刃フィーバーは教育分野にも。最近の教材に”キャラクター推し”が多いワケ(LIMO)
教育効果が挙がるなら何でも使っていいだろうと思いつつ、単なる金儲け主義に見えるところがなんともいやはや。

ブロトピ:今日の学問・教育情報