鵜殿篤 のすべての投稿

【教育学でポン!?】2022年8月14日

練馬区美術館で開催された「生誕100年 朝倉摂展」を見たあと、熊谷守一美術館をハシゴ。熊谷守一美術館のカフェは、コーヒーカップが味わい深くて好き。
【本日の歩数】8224歩■練馬を闊歩。

夏休みの宿題

■「AIドリル」も登場、変わる夏休みの宿題◆廃止に代行、今後の在り方は?【時事ドットコム取材班】(時事通信)
仮に学校がやめたくても、保護者の圧が強くて思い通りにならないことが多いと思います。

不登校

■「つながり」大切に、ゆっくりと さいたま市「不登校支援センター」 教諭4人が担当、本年度開設(さいたま新聞)
いろんな選択肢が用意されていると安心します。

ジェンダー

■理工系学部に「女子枠」、文科省が創設促す…名古屋大工学部は学校推薦定員の半数を女子限定(讀賣新聞オンライン)
形式から入って、うまく事が運ぶのかどうか。

学校

■子どもをめぐる環境を少しでも良くしたい思い。子どもの人権を保障する施設と出合って(Yahoo!)
保育界ではよく知られている、先進的な取り組みです。

高等教育

■大学講義90分が耐えられない学生たち 「倍速視聴や飛ばし見ができないのは苦行」(マネーポストWEB)
ちなみに大学教員たる私も、90分の会議には耐えられません。

戦争と教育

■「戦争だから仕方ない」みんなそう思っていた──サンリオ辻名誉会長が語る軍国主義教育の恐ろしさと、「みんな仲よく」の信念 #戦争の記憶(Yahoo!ニュース特集)
サンリオの創業には、こういう背景があったんですね。

■「墨塗り教科書」の教訓 伊那の向山さん保管(長野日報)
子どもが自分で教科書に墨を塗り、それまで正しいと信じていたことが間違っているという現実を突きつけられるのは、そうとう強烈な経験です。

【要約と感想】会田雄次・渡辺一夫・松田智雄『ルネサンス』

【要約】タイトルは「ルネサンス」となっていますが、実はルネサンスを直接検討の対象とした本ではありません。マキアヴェッリ、エラスムス、トマス・モア、ルターの4人の思想と著作に関するエッセイ集です。著者が3人いて、ルネサンス観はそれぞれバラバラです。

【感想】中公バックス『世界の名著』冒頭の「解説」をある共通項に沿って一冊にまとめた叢書で、本書はルネサンスが一応の共通項。中公バックス『世界の名著』の解説は、原著者の履歴や内容の説明だけでなく、学問の歴史における位置づけや、日本が受容した経緯、その時点での最新研究動向などがコンパクトにまとまっている上に、解説者個人の関心や研究姿勢が伺えるエッセイ風の読み物としても読み応えがある。本書も斯学の泰斗の筆が冴えているのではあるが、ただしタイトルにもなっている「ルネサンス」について理解を深めようとすると、肩すかしを食らう。というか混迷が深まる。というのは、そもそも中公バックス発行当初の「解説」がルネサンス概念を明らかにしようという目的で書かれたものではないからだ。そしてもちろん著者3人で打ち合わせたわけもないので、ルネサンス観もバラバラ、共通点が見当たらない。「いわゆるルネサンスと呼ばれる時期に活躍した思想家3人のごった煮」という副題が相応しいかもしれない。

【今後の研究のための備忘録】ルネサンスの定義
 ルネサンスに関わる記述があったので、メモしておく。

ルネサンスとは周知のように、一四世紀のイタリアにはじまって全ヨーロッパにひろがった、ギリシアーローマの古典復興の運動をいう。中世の暗黒時代が去って、人々が封建制とローマ教会によって歪められた人間性を回復し、現実主義、合理主義にのっとって生きようとしだしたとき、かつてそういう立場で輝かしい文化と社会を築いたギリシアーローマ時代を再現しようとした運動である。」17-18頁。会田執筆「マキアヴェリ」

 ブルクハルト(1860年)以来の教科書的な見解である。しかしこの解説が書かれた時点で、既にこの教科書的見解には様々な疑義が寄せられている。著者(会田)もおそらくそのことを知っており、この文章の後にはイタリア・ルネサンスを可能にした北イタリアの経済史的条件についての解説が続く。グローバルな商業活動と羊毛産業による潤沢な資本を背景として北イタリア諸都市に大商人を中心とする共和的な政体が生まれ、それが世俗的で合理的な考え方を育んだという、わかりやすい図式だ。しかし一方その共和的な政体は、もちろん当時ヨーロッパで立ち上がりつつあった絶対王政へは向かわない。その弱点はフランスや神聖ローマ帝国による侵略という形で露呈する。この共和制と絶対王政の相反する2つのベクトルの力学から『君主論』が登場するという筋立てで、マキアヴェッリはこの矛盾の解決を「決断」と「力(ヴィルトゥ)」に見出した、と会田は見る。ここまでくると、実は本当の問題は「いわゆるルネサンス」にはなく、お互いに無関係に急速に発展する経済と政治との間の矛盾であることが分かる。ホイジンガ風に、「内容と形式」の間の矛盾と言っていいだろうか。

【今後の研究のための備忘録】ユマニスムの定義
 ユマニスム(日本語では伝統的に「人文主義」と訳される)の定義についてもメモしておく。著者の意見ではなく、フランス人歴史家の言である。

「ヘブライ、ギリシア、ローマなどの古代の学芸の復興から糧を与えられた人々が、まず具体的には、福音精神の探究と聖書の再検討という形でキリスト教の自己批判を要求し、ひいては既成のさまざまな制度や学芸にも批判を加え、より血の気の通った(humanior)制度・学芸を招来しようと望んだのが、人文主義(ユマニスム humanisme)の最初の姿であると考えたい。」94-95頁

 教科書的な「人文主義」の定義からすると圧倒的に控え目な言い方になっていて、ここからは「中世を脱して近代へ向かう」ような強烈なエネルギーは感じられない。それは著者(渡辺)も踏まえていて、「生ぬるいほどの正気」(95頁)と評している。
 思い返してみれば、ユマニストたちが対峙したスコラ学の形式的表現には、たしかに寸分の血の気も通っていないような印象を持つ。ユマニストたちがスコラ学の「哲学」に対して「雄弁」を重んじた事情もある程度理解できる。しかしそれは、自然科学に通じるアリストテレス主義を批判し、キケロを経由してプラトンを称揚する貴族主義的な姿勢であって、近代の啓蒙主義にも民主主義にも繋がらない。むしろ社会契約説も含めて、近代化への傾向に関してはプラトンよりもエピクロスの方が重要ではないか(だからヴァッラは侮れない)。だとすれば、実はヨーロッパの近代(資本主義と民主主義)は、スコラ学でも人文主義でもないところから立ちあがってくるのではないか。たとえばコペルニクスは、どういうふうに人文主義の文脈に回収できるのか。アリストテレス主義から説明する方が素直に分かりやすいのではないか。むしろいわゆる人文主義は、勃興しつつある唯物主義・拝金主義的な資本主義の世相に対する道徳主義・高踏主義的な反動だったのではないか。ペトラルカが徹底的に批判したようなところ(アリストテレス主義に基づく自然探求)からホンモノの近代が立ちあがってきたのではないか。そういう疑問に本書はまったく答えてくれないのだが、もちろんそれは著者たちのせいではない。
 そんなわけで、ルネサンスや人文主義というものに対する理解がますます混迷の度を増していくのであった。

会田雄次・渡辺一夫・松田智雄『ルネサンス』中公クラシックス・コメンタリィ、2008年

【教育学でポン!?】2022年8月13日

ちょっと涼しくなったと思って温度計を見たら29.0度。これでも涼しく感じるという。
【本日の歩数】1197歩■引きこもり。

働き方改革

■小中高で深刻な教員不足、その数1,000人超…どうすれば教員は増えるのか?(TOKYO MX)
総合的に制度疲労を起こしているのは間違いないところで、姑息な手段をいくら弄しても、まさに「焼け石に水」です。

ICT

■全公立小中にデジタル端末配備終了 鹿児島県内 最多は鹿児島市の4万9500台、最少は三島村78台(南日本新聞)
■GIGAスクール、理念だけ先行? デジタル端末配備終わったけど…地方のネット環境不十分 メリット生かせず(南日本新聞)
準備の時間が十分にあったのにやれていないということは、単にやる気がなかったと見なされても仕方がありません。

夏休みの宿題

■「子どもの読書感想文」に思わず頭を抱えたエピソードに共感…その解決策は?(kufura)
■自由研究、こんなのいかが? 群馬大生や教員、YouTube配信(毎日新聞)
残り時間も少なくなって参りました。

いじめ

■「いじめは犯罪行為」と誤解する親たちの落とし穴 法律の誤解が「解決の可能性」を消す場合も(東洋経済ONLINE)
極めて基礎的なところからの解説ですが、基本が大事です。

学校

■ラジオ体操に宿題 親世代とずいぶん違う…夏休み事情(tys)
今の学校の具体的な現実の姿が分かる記事でした。

■「公立でこれはすごい!」 県立奄美高校の斬新な生徒募集ポスターが話題…「逆風」っちなんですか?(まいどなニュース)
教育学的には、公立の高校がこういう広報活動を始めていることに注目です。

教育全般(国内)

■「初めて湯船に浸かって、心地良さに漏らしてしまう子もいると聞いた」ゴルゴ松本が語った少年院での“命の授業”(ABEMA TIMES)
とても大事な仕事です。家庭や学校だけに子育てを押しつけず、大人みんなで寄ってたかって頑張りましょう。

■「いかに子どもたちが消費されない社会をつくるか」――オンラインとリアルで10代の「居場所づくり」に取り組むNPO代表に聞く 【子どもたちが、生きやすく】(日テレNEWS)
■10代は社会から“ネグレクト”されている――子どもたちの悲痛な声を聞くNPO代表の実感 【子どもたちが、生きやすく】(日テレNEWS)
家庭や学校以外の子育ての第三の場所は「社会」です。この社会による子育てが痩せ細っているのが、様々な矛盾の根本にあります。それがよく分かる記事です。

■閉校した小学校の図書室「図鑑センター」で再出発 岐阜・下呂市、空間と蔵書活用(岐阜新聞Web)
第三の場所として存分に活用されて欲しいです。

■驚愕…!絵の苦手な子どもが、たった10分で「絵画が上手くなる」3つのコツ 苦手意識をつくった絵画教育の歴史(現代ビジネス)
予想外に山本鼎の事績が批判的に取り上げられている記事でした。そしてこの美術教育の問題は、音楽教育や体育教育にも通じるものがあります。技術を教えないという。

■走るのも投げるのも苦手だった子が…スポーツの基礎学ぶ教室でコツを覚えて積極性や精神的な成長も(メ~テレ)
技術を教えればできるようになるし、できるようになると楽しくなります。体育もそうなら、美術や音楽もそうです。

教育全般(海外)

■綿花摘みの授業で精神的苦痛、アフリカ系女子生徒が損害賠償求め提訴(AFP BB News)
仮に主張そのものに正当性があったとしても、いきなり訴訟するのは意味不明。まず話し合いをしましょう。

【教育学でポン!?】2022年8月12日

夏休み前には美術館に出かける予定をたくさん入れていたのに、暑くて外に出る気にならない。
【本日の歩数】1845歩■引きこもり。

働き方改革

■教員に残業代出ない理不尽な法律「給特法」の改正、廃止機運は高まるか 学校の「ブラック化」に一石投じる裁判の行方(education×ICT)
前半は一般的な話ですが、後半は本質に切り込んでいきます。

■職員室のリノベーションで「働き方が変わる」学校事務職員の知られざる底力 イノベーションを起こす土壌をどうつくるか(education×ICT)
文部科学省は、学校事務職員の地位を上げる制度改革を進めています。

ICT

■小中高生が「先端デジタル機器」で自由に表現活動できる無料施設の正体 「コンピュータクラブハウス」で格差是正へ(education×ICT)
こういう学校以外での学びの場が増えるのは、子どもにも社会にもとても良いことです。メディア・ラボの本も読んだことがありますが、とてもおもしろかったです。

■学校でのICT活用、肯定派と否定派との間に必要な「共通了解」どうつくるか 「あいつはわかってない」の前に考えるべきこと(education×ICT)
時間がかかることを前提に、物事を丁寧に進めていこうということですね。ICTに限らず、当てはまります。

夏休みの宿題

■【夏休み】自由研究はまだ間に合う!夏休みの子どもの宿題の片付け方 小学校学習指導要領でわかる「自由研究」の重要性(LIMO)
■【賛否】夏休み「自由研究」いらない? 過去には“人命救助”に生かせたテーマも(テレ朝news)
■読書感想文の書き方講座 21日 参加者募集(タウンニュース)
何もしていない子がそろそろ焦り始める時期。

不登校

■今春開設の夜間中学、不登校の中学生を受け入れ 香川で全国初の試み(朝日新聞DIGITAL)
不登校特例校運用の可能性が広がるか。

高等教育

■発言を促しても無反応… 大学教員を困惑させる「いい子症候群」の大学生の実態(マネーポストWEB)
うちの学生にはまったく当てはまらず、ちっとも実感を伴いませんが、全国的にこうなってるの?

学校

■中学校等卒業者の進学率は4年連続過去最高(テレ玉)
製造業の調子が良い時には中卒での就職口もたくさんあったわけですが。

教育全般(国内)

■小島よしおが「動画とゲームの時間が守れない」という小1男子に伝えたい、約束を守る方法(AERA dot.)
一般論に終始せず具体的な方策を次々と提案するところに説得力を感じるのでしょうか。

■我が子の「読書スイッチ」はどこにあるんだろう?…保護者たちに聞いた「子どもが本好きになった理由」(まいどなニュース)
親が日常的に本を読むのが一番でしょう。

【教育学でポン!?】2022年8月11日

どこにも出かける気にならない暑さ。
【本日の歩数】1488歩■引きこもり。

働き方改革

■教育現場での残業代未払い年9000億円分!~給特法について調べてみた(FNNプライムオンライン)
問題は複合的で、背景には教員を専門家とはみなさない社会の雰囲気があったります。

インクルーシヴ教育

■難病の子も地域の学校へ…「合理的配慮」って何? 「特別支援」との違いについて専門家が解説する(東洋経済ONLINE)
障害の有無に限らず、実際はひとりひとりに個別のニーズがあります。だから本当は、ひとりひとりに対して合理的配慮を行ないたいわけです。これまではコストの面で無理がありましたが、テクノロジーが可能にしてくれる領域もあります。

夏休みの宿題

■夏休みの中学生が「本格的な科学実験」体感~九州大学の教授や学生が先生役に(RKBオンライン)
■科学教育センター 理科好き増やす体験授業 サレジオ高専が協力〈町田市〉(タウンニュース)
■「夏の自由研究」に悩む子どもたちへ テーマ決めのポイント&おすすめキットを紹介【大分発】(テレビ大分)
■夏休みの読書感想文は、「子どもへのインタビュー」でまとめる? プロが教える攻略法(AERA dot.)
夏休みも半分が終わりましたので、そろそろ始めないと。

学校間接続

■公立高校の“過密カリキュラム”が原因!? 増える「授業をしない塾」「自立型学習」で大学受験に勝つ秘訣(ALL About)
自分に合った勉強法で進めるのがいちばん楽しいでしょう。

高等教育

■大学に増加する「実務家教員」の功罪 元テレビマンの業界ノリに学生たちは辟易(マネーポストWEB)
教職課程では校長先生を経験した方に様々な指導をお願いしていますが、変な人は少ない印象ですよ。

■消える“まちなかの学生寮” 大学と学生「寮費は3倍…2年しか住めない…なぜ?」すれ違う思いを聞いてみた(MRO北陸放送)
大学から異物を排除しようとする全国的な傾向です。東大駒場寮の廃寮に関しては個人的にもいろいろ思うところがありました。

学校

■教員の意識に関する調査2022(ジブラルタ生命)
文科省や教育委員会が行なうアンケートとは質問項目の方向性が違っています。

教育全般(国内)

■潜在保育士の復職、個性育てる教育支援など 2年連続待機児童ゼロ 福島市の取組とは…(福島中央テレビ)
行政が本気を出すかどうかで、もちろん結果が変わってくるわけです。

■昔ながらの「寺子屋」登場!夏休みの子どもたち 世代越えて地域の人と学び合い 富山・高岡市(チューリップテレビ)
教育活動も含めて、お寺はもっと存在感を出してもいいでしょう。

■今の若者に「絶対かけてはいけない言葉」3選 褒めることすらNGな理由とは(デイリー新潮)
オジサンのほうが言うことは実は50年前からまったく変わっていません。