【要約と感想】古荘純一・磯崎祐介『教育虐待・教育ネグレクト―日本の教育システムと親が抱える問題』

【要約】親が善意でやったことは、必ずしも子どもにとって良いこととは限りません。それは虐待の可能性があります。教育現場では、本質的に虐待が起きやすいものです。子どもは想像以上にストレスに弱いうえに、ストレスを抱えてしまうものです。子どもの主観的な立場に立って働きかけ方を考えましょう。

【感想】教育関係者に臨床的知見が届かない苛立ちを随所に感じることができる本だ。まあ、言っていることは分からないではない。個人的には、反省の材料としたい。
しかしまあ、それは逆にも当てはまってしまうことであって、個人的には、教育学的知見がまったく臨床家に届いていないことに落胆せざるを得ない。本書も教育学に関する勉強不足が随所に現れていて、残念な気持ちになる。門外漢のシロウトが専門外のことに口を挟むなら、もうちょっと勉強してもいいのではないかと思ってしまうのであった。
磯崎氏の文章は、とても興味深く読んだ。20世紀初頭の「生の哲学」を彷彿とさせる内容だ。

古荘純一・磯崎祐介『教育虐待・教育ネグレクト―日本の教育システムと親が抱える問題』