教職基礎論(栄養)-5

▼短大栄養科 5/26

前回のおさらい

・先生の仕事には、大きく分けて「学習指導」と「生徒指導」の二本柱があります。
・そもそも教育の目的は、教育基本法第一条「人格の完成」です。

個性

・他のものと交換することができない、かけがえのない、それが取り去られたら、私が私でなくなってしまう何かをさして使う言葉です。
・「個性を尊重する」とはどういうことでしょうか?
・教育者が言ってはならない、個性を否定するような言葉があります。
・たとえば「名前」は重要なものです。

児童の権利条約第7条-1

「児童は、出生の後直ちに登録される。児童は、出生の時から氏名を有する権利及び国籍を取得する権利を有するものとし、また、できる限りその父母を知りかつその父母によって養育される権利を有する。」
*児童の権利条約:1989年に国連総会で採択し、日本は1994年に批准しました。

アイデンティティ

・日本語では「自我同一性」や「存在証明」などと訳されることがあります。
・「わたし は わたし」とはどういうことでしょうか?
・自同律:「A=A」という式をアイデンティティの法則と呼びます。
・この世に変化しないものなどあるでしょうか? 「A→A’」
・私は常に変化し続けている(新陳代謝)にも関わらず、どうして常に「わたしはわたし」と言うことができるのでしょうか?
・わたしの属性について考えてみましょう。A=X、A=Y、A=Z・・・・。常に一致しているのは何でしょうか?
・主語と述語とは何でしょうか。常に主語であるものにはアイデンティティが成立しています。
・「主体性」とは具体的に何を表しているのでしょうか? 述語に重点を置くか、主語に重点を置くかで、話は大きく変わってきます。

個人主義の教育

*人間の尊厳:かけがえのない、他の何者とも交換不可能な、独立した、一人の人間として認められる。
・日本国憲法第13条:「すべて国民は、個人として尊重される。」
・日本国憲法第24条2項:「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」

自由と責任

・教育基本法第一条に続けて書かれている「平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質」とは何でしょうか?
・モノは自由ではないが、人格は自由です。
・教育とは、自由でないようなものを、自由にするための営みであると言えそうです。
・子供は不自由で、大人が自由? →子供は生理現象に無条件に従わざるを得ませんが、大人は同じ生理現象に対しても様々な選択肢を持っています。
・人間は、本当に自由なのでしょうか?

思考実験:自由と責任

case1:殺人 選択肢がある場合
case2:リモコン 選択肢がない場合
case3:運命 選択肢はあったのか?→(余談)悲劇とは何か
case4:隕石 物理法則には選択肢の余地がない
case5:因果関係 因果関係に選択肢はあるか→(余談)決定論
case6:責任 選択肢は、あったはずだ

・「責任をとる」ということは「自由」でなければ起こりえません。自由だから責任があるのではなく、責任をとれるから自由があると言えそうです。
・「自由」であるということは、因果律に支配された「モノ」とは違うということです。
・因果律に支配されないものとは何でしょうか? →人格
立法能力:自分でルールを作って、自分で守ることができるような力のことです。他人の作ったルールに従う(他律)のではなく、自らの意志でルールに従う(自律)ことができる力のことです。

復習

・「個性を尊重する」というとき、教師は具体的に何をするべきか、考えてみよう。

予習

・「自己実現」という言葉について調べておこう。

課題

・締め切り:2週間 6/9(土)
・形式:800字程度。手書きOK、コンピュータOK。用紙サイズなど、日本語で読めれば何でも可。
・内容「自分が希望する都道府県が理想としている教師像について調べ、自分自身の持ち味や課題を踏まえて感想を述べて下さい」