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教育概論Ⅱ(栄養)-3

▼10/3

前回のおさらい

・スコープとシークエンス。
・経験主義と系統主義。様々なカリキュラム構成原理。

時間割のプレゼン

・どこを工夫したか話し合おう。

教育課程編成のルール:教科と時間数

・どの各教科をどれだけ教えるかは、法律に定められている。各学校が勝手に時間割を組めるわけではない。

学校教育法施行規則

第72条 中学校の教育課程は、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭及び外国語の各教科(以下本章及び第七章中「各教科」という。)、道徳、総合的な学習の時間並びに特別活動によつて編成するものとする。
第73条 中学校(併設型中学校、第74条の二第二項に規定する小学校連携型中学校、第75条第二項に規定する連携型中学校及び第79条の九第二項に規定する小学校併設型中学校を除く。)の各学年における各教科、道徳、総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの授業時数並びに各学年におけるこれらの総授業時数は、別表第二に定める授業時数を標準とする。
第74条 中学校の教育課程については、この章に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する中学校学習指導要領によるものとする。

別表第二(第73条関係)
区分
第一学年
第二学年
第三学年
各教科の授業時数
国語
140
140
105
社会
105
105
140
数学
140
105
140
理科
105
140
140
音楽
45
35
35
美術
45
35
35
保健体育
105
105
105
技術・家庭
70
70
35
外国語
140
140
140
道徳の授業時数
35
35
35
総合的な学習の時間の授業時数
50
70
70
特別活動の授業時数
35
35
35
総授業時数
1015
1015
1015

備考
一 この表の授業時数の一単位時間は、五十分とする。
二 特別活動の授業時数は、中学校学習指導要領で定める学級活動(学校給食に係るものを除く。)に充てるものとする。

学校教育法

第21条 義務教育として行われる普通教育は、教育基本法(平成18年法律第120号)第五条第二項に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
二 学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
三 我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
四 家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。
五 読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。
六 生活に必要な数量的な関係を正しく理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
七 生活にかかわる自然現象について、観察及び実験を通じて、科学的に理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
八 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。
九 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。
十 職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。

教育基本法

第一条 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
第二条 教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
三 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
四 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
五 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

復習

・教育基本法→学校教育法→学校教育法施行規則→学習指導要領の流れを確認しよう。

予習

・学習指導要領「総則」を読んでおこう。

教育概論Ⅱ(栄養)-2

▼9/26

前回のおさらい

・教育課程=カリキュラムの意味と役割。
・教育を「計画」することの位置づけ。
・『学習指導要領』の性格と構造。

教育課程を編成する

・教育課程編成(特に教育内容の配列)をする上で、重要な2つの観点。「スコープ」と「シークエンス」

スコープ

・教育課程編成をするとき、どの教育内容を選択するのか、学習の範囲あるいは領域のこと。教育の目的や目標(生徒が身につけるべき知識や能力)に即して取捨選択する。

→生活主義(生徒たちの生活や人生の必要に即して学ぶべき領域を設定する):ex.「料理を作る/病気にならない/お金を稼ぐ/友達と仲良くする/親を大切にする/人の話を聞く/計算をする・・・」
経験主義(生徒の興味関心を重視して「教科」を設定する):ex.「健康/自然/お金/人間関係/言葉/数字・・・」
→学問主義(既存の学問体系に即して学ぶべき領域を設定する):ex.「医学/生物学/栄養学/物理学/化学/天文学/自然地理学/人文地理学/倫理学/経済学/政治学/社会学/言語学/幾何学/代数学・・・」
系統主義(学問の系統に従って「教科」を設定する):ex.「保健体育/家庭科/道徳/理科/社会科/国語/数学・・・」

経験主義と系統主義

・経験主義の長所=子供の興味関心や個性に即しており、自分の生活に対して学習の持つ意味が明確になりやすく、学習への意欲を持ちやすい。
・経験主義の短所=知識の体系的な修得が困難。一斉教授が困難。授業の効率への疑問。受験に対する不安。

・系統主義の長所=既存の科学体系を踏まえて、知識を体系的に修得する道筋が明確。一斉授業が容易。
・系統主義の短所=子供が学習に対する意義を見失いやすく、興味関心を持続できない。

教科構成のバリエーション

類型構成方法具体例
相関カリキュラム関係の深い複数の教科間で内容の関連を図る。「地理」と「歴史」をひとつにまとめる。
融合カリキュラム複数の教科から共通の要素を抽出し、新しい教科に再編する。「理科」と「社会」を融合して「生活科」を作る。
広域カリキュラム複数の教科を大きな領域に編成する。「政治学」「経済学」「歴史学」「自然地理学」「人文地理学」「倫理学」「教育学」「社会学」「哲学」「心理学」をまとめて「社会科」にする。
クロス・カリキュラム。横断カリキュラム。複数の教科の教員が連携して、お互いにほかの教科の内容との関連を図る。「安全」という観点から、「家庭科」「理科」「社会科」などを横断して学習する。
コア・カリキュラム中心となる基本教科を決め、周辺にほかの教科を関連させて配列する。「社会科」を中心とし、そこで必要になる知識や技能を国語科や数学で身につける。

シークエンス

・教育課程編成をするとき、教育内容をどのような順番で配列するかという順序のこと。生徒の発達段階に即して配列する。

→段階型:簡単なものから難しいものへ。単純なものから複雑なものへ。具体的なものから抽象的なものへ。
→現代型:難しいものや複雑なものや抽象的なものも低年齢から教えられる。

→同時並行型:複数の領域を同時に進行していく。
→一点集中型:ひとつの領域をまとめて教授し、順番に領域をこなしていく。
→螺旋型:複数の領域を、学年が上がるごとに繰り返していく。

カリキュラム編成をしてみよう

・どのような大人にしたいのか、ゴール地点を意識する。
・どのような知識や技能を身につける必要があるかを考える。

復習

・カリキュラム編成の構造を、「スコープ」や「シークエンス」という言葉を使って説明できるようにしよう。
・系統主義と経験主義の特徴を押さえておこう。
・教科編成のバリエーションを押さえよう。

予習

・自分が作った時間割の意味を説明できるように、理屈を考えておこう。

教育概論Ⅱ(栄養)-1

▼9/19

授業の目的

・本講義は教員免許(家庭科教諭・栄養教諭)取得に関わる授業であり、特に「教育課程の意義及び編成の方法」について扱う。
・「教育課程」とは何かについて理解する。
・教育課程を編成する原理について、教科を横断する内容等も含め、基本的な考え方のパターンを理解する。
・『学習指導要領』の性格を理解する。
・現行『学習指導要領』の背景を理解する。
・カリキュラム評価の基本的な考え方を理解する。
・『学習指導要領』の変遷と背景について理解する。

※現行(平成29年3月)の『中学校学習指導要領』を手に入れておくこと。

評価

・期末テストと提出課題(全2回予定)によって評価する。
・出席が足りなかった者には受験を認めない。
・出席はmanabaシステムを利用する。スマホを忘れたものは、紙媒体で出席を取るので、授業後すぐに申し出ること。

教育課程とは何か?

・英語では「カリキュラム」。
・教育実践のサイクル。目的→計画→実践→評価→目的
・目的を達成するためには、適切に計画を立てなければならない。
・復習:教育の目的とは??

教育の計画

※いつから、いつまで、どこで、だれが、誰に対して、何を、どのように教えるか?
・いつから:現在は義務教育は6歳からだが……
・いつまで:現在の義務教育には留年がないが……
・どこで:現在の日本では学校だが……
・だれが:現在の日本では、教員免許を持って正式に採用された者だが……
・誰に対して:現在の日本では子供だが……
・何を:
・どのように:

教育計画の主体

※だれが、どのような権利で、どのように決めるか?
・だれが:家庭、教師、学校、国家
・どのような権利で:
・どのように:

学習指導要領

・復習:『学習指導要領』の性格について。
・「学習指導要領とは、こうした理念の実現に向けて必要となる教育課程の基準を大綱的に定めるものである。」(2頁)
・「学習指導要領が果たす役割の一つは、公の性質を有する学校における教育水準を全国的に確保することである。」(2頁)
・「各学校においては、教育基本法及び学校教育法その他の法令並びにこの章以下に示すところに従い、生徒の人間として調和のとれた育成を目指し、生徒の心身の発達の段階や特性及び学校や地域の実態を十分考慮して、適切な教育課程を編成するものとし、これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うものとする。」
・復習:『学習指導要領』の構造について。

復習

・教育課程とは何か、自分の言葉で説明してみよう。

予習

・自分が中学生の頃の時間割を思い出しておこう。