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教育概論Ⅱ(栄養)-8

▼11/7

前回のおさらい

・評価。
・生徒の発達の支援。
・学校運営上の留意事項。

家庭科

第1 目標

生活の営みに係る見方・考え方や技術の見方・考え方を働かせ、生活や技術に関する実践的・体験的な活動を通して、よりよい生活の実現や持続可能な社会の構築に向けて、生活を工夫し創造する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 生活と技術についての基礎的な理解を図るとともに、それらに係る技能を身に付けるようにする。
(2) 生活や社会の中から問題を見いだして課題を設定し、解決策を構想し、実践を評価・改善し、表現するなど、課題を解決する力を養う。
(3) よりよい生活の実現や持続可能な社会の構築に向けて、生活を工夫し創造しようとする実践的な態度を養う。

・「総則」で学んだことと関連づけながら「家庭科」を読もう。
・「生活の営みに係る見方・考え方」という観点。←「主体的・対話的で深い学び」を実現するために家庭科が果たす役割。
・「よりよい生活の実現」や「持続可能な社会の構築」とは?←「社会に開かれた教育課程」を実現するために家庭科が果たす役割。
・目標と「学力の三要素」との関係。

第2 各分野の目標及び内容

〔家庭分野〕
1 目標
生活の営みに係る見方・考え方を働かせ、衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して、よりよい生活の実現に向けて、生活を工夫し創造する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 家族・家庭の機能について理解を深め、家族・家庭、衣食住、消費や環境などについて、生活の自立に必要な基礎的な理解を図るとともに、それらに係る技能を身に付けるようにする。
(2) 家族・家庭や地域における生活の中から問題を見いだして課題を設定し、解決策を構想し、実践を評価・改善し、考察したことを論理的に表現するなど、これからの生活を展望して課題を解決する力を養う。
(3) 自分と家族、家庭生活と地域との関わりを考え、家族や地域の人々と協働し、よりよい生活の実現に向けて、生活を工夫し創造しようとする実践的な態度を養う。

A:家族・家庭生活。
B:衣食住の生活。
C:消費生活・環境。

第3 指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1) 題材など内容や時間のまとまりを見通して、その中で育む資質・能力の育成に向けて、生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際、生活の営みに係る見方・考え方や技術の見方・考え方を働かせ、知識を相互に関連付けてより深く理解するとともに、生活や社会の中から問題を見いだして解決策を構想し、実践を評価・改善して、新たな課題の解決に向かう過程を重視した学習の充実を図ること。

・「主体的・対話的で深い学び」との関係。
・「生活の営みに係る見方・考え方」とは?
・「新たな課題の解決に向かう過程を重視した学習」とは?

2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 指導に当たっては、衣食住やものづくりなどに関する実習等の結果を整理し考察する学習活動や、生活や社会における課題を解決するために言葉や図表、概念などを用いて考えたり、説明したりするなどの学習活動の充実を図ること。
(2) 指導に当たっては、コンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活用して、実習等における情報の収集・整理や、実践結果の発表などを行うことができるように工夫すること。
(3) 基礎的・基本的な知識及び技能を習得し、基本的な概念などの理解を深めるとともに、仕事の楽しさや完成の喜びを体得させるよう、実践的・体験的な活動を充実すること。また、生徒のキャリア発達を踏まえて学習内容と将来の職業の選択や生き方との関わりについても扱うこと。
(4) 資質・能力の育成を図り、一人一人の個性を生かし伸ばすよう、生徒の興味・関心を踏まえた学習課題の設定、技能の習得状況に応じた少人数指導や教材・教具の工夫など個に応じた指導の充実に努めること。
(5) 生徒が、学習した知識及び技能を生活に活用したり、生活や社会の変化に対応したりすることができるよう、生活や社会の中から問題を見いだして課題を設定し解決する学習活動を充実するとともに、家庭や地域社会、企業などとの連携を図るよう配慮すること。

*「総則」の記述に対応していることを意識しながら「家庭科」の記述を理解しよう。
(1)言語活動。
(2)ICTの活用。
(3)体験的な活動。キャリア教育。
(4)個に応じた指導。
(5)問題解決学習。家庭や地域との連携。

「社会に開かれた教育課程」と「カリキュラム・マネジメント」のおさらい

*社会に開かれた教育課程
(1)学校教育の目標を社会と共有する。
(2)社会や世界に通用する資質・能力を育成する教育課程。
(3)学校外の人的資源を確保する。

*カリキュラム・マネジメント=社会に開かれた教育課程を実現するために、カリキュラムをマネジメント(経営・運営)する。
(1)教科横断的な教育課程編成。
(2)評価。PDCAサイクルの確立。
(3)人的・物的な資源の確保。

・「家庭科」はどのように「社会に開かれた」ものになるか、あるいは家庭科に絡んでどのようにカリキュラムをマネジメントするか。

復習

・「総則」と「家庭科」がどのように絡んでいるかを把握しよう。

予習

・学習指導要領の変遷について調べておこう。特に1947年度版について確認しておこう。

教育概論Ⅱ(栄養)-7

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前回のおさらい

・「主体的、対話的で深い学び」とはどういうことか。
・「見方、考え方」。

第3の2:学習評価の充実

学習評価の実施に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1) 生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し、学習したことの意義や価値を実感できるようにすること。また、各教科等の目標の実現に向けた学習状況を把握する観点から、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫して、学習の過程や成果を評価し、指導の改善や学習意欲の向上を図り、資質・能力の育成に生かすようにすること。
(2) 創意工夫の中で学習評価の妥当性や信頼性が高められるよう、組織的かつ計画的な取組を推進するとともに、学年や学校段階を越えて生徒の学習の成果が円滑に接続されるように工夫すること。

・評価の種類:相対的評価、絶対的評価。
・それぞれの評価のメリットとデメリット。
・診断的評価、形成的評価、総括的評価。
・評価の法的根拠:学校教育法施行規則第24条、第28条。「指導要録」←「通知表」や「内申書」との違いに注意。
*指導要録:学籍に関する記録(保存期間20年)、指導に関する記録(保存期間5年)。

第4 生徒の発達の支援

1 生徒の発達を支える指導の充実

教育課程の編成及び実施に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 学習や生活の基盤として、教師と生徒との信頼関係及び生徒相互のよりよい人間関係を育てるため、日頃から学級経営の充実を図ること。また、主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと、個々の生徒の多様な実態を踏まえ、一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方により、生徒の発達を支援すること。

*学級経営の充実。信頼関係と人間関係。
・ガイダンスの機能。
・カウンセリングの機能。

(2) 生徒が、自己の存在感を実感しながら、よりよい人間関係を形成し、有意義で充実した学校生活を送る中で、現在及び将来における自己実現を図っていくことができるよう、生徒理解を深め、学習指導と関連付けながら、生徒指導の充実を図ること。

・自己実現。
・生徒理解。
*生徒指導の充実。『生徒指導提要』を参考。

(3) 生徒が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう、特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて、キャリア教育の充実を図ること。その中で、生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、組織的かつ計画的な進路指導を行うこと。

*キャリア教育:特別活動を要としつつ、各教科等で行う。
・家庭科で行う「キャリア教育」とは?
*進路指導。

(4) 生徒が、基礎的・基本的な知識及び技能の習得も含め、学習内容を確実に身に付けることができるよう、生徒や学校の実態に応じ、個別学習やグループ別学習、繰り返し学習、学習内容の習熟の程度に応じた学習、生徒の興味・関心等に応じた課題学習、補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れることや、教師間の協力による指導体制を確保することなど、指導方法や指導体制の工夫改善により、個に応じた指導の充実を図ること。その際、第3の1の(3)に示す情報手段や教材・教具の活用を図ること。

*個に応じた指導=(1)個別学習(2)グループ別学習(3)習熟度別学集(4)課題学習(5)補充学習(6)発展学習

2 特別な配慮を必要とする生徒への指導

(1)障害のある生徒などへの指導:「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」の作成。
(2)海外から帰国した生徒などの学校生活への適応や、日本語の習得に困難のある生徒に対する日本語指導
(3)不登校生徒への配慮:保護者や関係機関との連携、心理や福祉の専門家の助言や援助。
(4)学齢を経過した者への配慮

第5 学校運営上の留意事項

1 教育課程の改善と学校評価、教育課程外の活動との連携等

(ア)各学校においては、校長の方針の下に、校務分掌に基づき教職員が適切に役割を分担しつつ、相互に連携しながら、各学校の特色を生かしたカリキュラム・マネジメントを行うよう努めるものとする。また、各学校が行う学校評価については、教育課程の編成、実施、改善が教育活動や学校運営の中核となることを踏まえつつ、カリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するものとする。

・「カリキュラム・マネジメント」と学校評価。
・学校教育法:第42条、43条、49条(中学校)に規定。
・学校教育法施行規則:自己評価の実施・公表「小学校は、当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について、自ら評価を行い、その結果を公表するものとする。」(第66条)、保護者など学校関係者による評価の実施・公表(第67条)、それらの評価結果の設置者への報告(第68条)、中学校への準用(第79条)

(イ)教育課程の編成及び実施に当たっては、学校保健計画、学校安全計画、食に関する指導の全体計画、いじめの防止等のための対策に関する基本的な方針など、各分野における学校の全体計画等と関連付けながら、効果的な指導が行われるように留意するものとする。

・各種「全体計画」の作成。

(ウ)教育課程外の学校教育活動と教育課程の関連が図られるように留意するものとする。特に、生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化、科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等、学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際、学校や地域の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行い、持続可能な運営体制が整えられるようにするものとする。

*部活動:教育課程外の活動。

2 家庭や地域社会との連携及び協働と学校間の連携

・家庭や地域との連携。世代を超えた交流。
・他の学校との交流。障害のある幼児児童生徒との交流および共同学習。

復習

・「評価」の機能について押さえておこう。
・「生徒の発達の支援」について、押さえておこう。

予習

・学習指導要領に「家庭科」がどのように位置づけられているか確認しよう。

教育概論Ⅱ(栄養)-6

▼10/23

前回のおさらい

・学習指導要領総則:教育課程の編成
・様々なルール。

学習指導要領総則:主体的、対話的で深い学び

学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,第3の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して,創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で,次の(1)から(3)までに掲げる事項の実現を図り,生徒に生きる力を育むことを目指すものとする。(『学習指導要領』3頁)

主体的・対話的で深い学び

第3 教育課程の実施と学習評価
1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善
各教科等の指導に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1) 第1の3の(1)から(3)までに示すことが偏りなく実現されるよう、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら、生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと。
特に、各教科等において身に付けた知識及び技能を活用したり、思考力、判断力、表現力等学びに向かう力人間性等を発揮させたりして、学習の対象となる物事を捉え思考することにより、各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(以下「見方・考え方」という。)が鍛えられていくことに留意し、生徒が各教科等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう過程を重視した学習の充実を図ること。(『学習指導要領』7~8頁)

(1) 学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しをもって粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているかという視点。
(2)子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているかという視点。
(3) 習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているかという視点。
(『学習指導要領解説 総則編』77頁)

・主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を考えることは単元や題材など内容や時間のまとまりをどのように構成するかというデザインを考えることに他ならない。(『学習指導要領解説 総則編』77頁)

・主体的・対話的で深い学びの実現を目指して授業改善を進めるに当たり、特に「深い学び」の視点に関して、各教科等の学びの深まりの鍵となるのが「見方・考え方」である。各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方である「見方・考え方」は、新しい知識及び技能を既にもっている知識及び技能と結び付けながら社会の中で生きて働くものとして習得したり、思考力、判断力、表現力等を豊かなものとしたり、社会や世界にどのように関わるかの視座を形成したりするために重要なものであり、習得・活用・探究という学びの過程の中で働かせることを通じて、より質の高い深い学びにつなげることが重要である。 (『学習指導要領解説 総則編』77~78頁)

「家庭科」に特有の「見方・考え方」とは何だろうか?

生活の営みに係る見方・考え方や技術の見方・考え方を働かせ、知識を相互に関連付けてより深く理解するとともに、生活や社会の中から問題を見いだして解決策を構想し、実践を評価・改善して、新たな課題の解決に向かう過程を重視した学習の充実を図ること。(『学習指導要領』121頁)

言語環境の整備と言語活動の充実

(2) 第2の2の(1)に示す言語能力の育成を図るため、各学校において必要な言語環境を整えるとともに、国語科を要としつつ各教科等の特質に応じて、生徒の言語活動を充実すること。あわせて、(7)に示すとおり読書活動を充実すること。

(1)教師は正しい言葉で話し、黒板などに正確で丁寧な文字を書くこと。
(2)校内の掲示板やポスター、生徒に配布する印刷物において用語や文字を適正に使用すること。
(3)校内放送において、適切な言葉を使って簡潔に分かりやすく話すこと。
(4)より適切な話し言葉や文字が用いられている教材を使用すること。
(5)教師と生徒、生徒相互の話し言葉が適切に行われるような状況をつくること。
(6)生徒が集団の中で安心して話ができるような教師と生徒、生徒相互の好ましい人間関係を築くこと。
(『学習指導要領解説 総則編』81頁)

家庭科で「言語活動」を重視するとは?

衣食住やものづくりなどに関する実習等の結果を整理し考察する学習活動や、生活や社会における課題を解決するために言葉や図表,概念などを用いて考えたり、説明したりするなどの学習活動の充実を図ること。

コンピュータ等や教材・教具の活用

(3) 第2の2の(1)に示す情報活用能力の育成を図るため、各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること。また、各種の統計資料や新聞、視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。

・IT化への対応と、情報の正確な読みとり。
・情報モラル。

見通しを立てたり,振り返ったりする学習活動

(4) 生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を、計画的に取り入れるように工夫すること。

・予習と復習の重要性。
・キャリア形成の方向性と学ぶ意欲。

体験活動

(5) 生徒が生命の有限性や自然の大切さ、主体的に挑戦してみることや多様な他者と協働することの重要性などを実感しながら理解することができるよう、各教科等の特質に応じた体験活動を重視し、家庭や地域社会と連携しつつ体系的・継続的に実施できるよう工夫すること。

集団の中で体系的・継続的な活動を行うことのできる学校の場を生かして、地域・家庭と連携・協働して、体験活動の機会を確保していくこと。(『学習指導要領解説 総則編』87頁)

家庭科での「体験活動」とは?

仕事の楽しさや完成の喜びを体得させるよう実践的・体験的な活動を充実すること

課題選択及び自主的、自発的な学習の促進

(6) 生徒が自ら学習課題や学習活動を選択する機会を設けるなど、生徒の興味・関心を生かした自主的、自発的な学習が促されるよう工夫すること。
家庭科における「自主的、自発的な学習」とは?

生徒が、学習した知識及び技能を生活に活用したり、生活や社会の変化に対応したりすることができるよう、生活や社会の中から問題を見いだして課題を設定し解決する学習活動を充実するとともに、家庭や地域社会、企業などとの連携を図るよう配慮すること。

学校図書館、地域の公共施設の利活用

(7) 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすとともに、生徒の自主的、自発的な学習活動や読書活動を充実すること。また、地域の図書館や博物館、美術館、劇場、音楽堂等の施設の活用を積極的に図り、資料を活用した情報の収集や鑑賞等の学習活動を充実すること。

各教科等を横断的に捉え、学校図書館の利活用を基にした情報活用能力を学校全体として計画的かつ体系的に指導するよう努めることが望まれる。(『学習指導要領解説 総則編』89頁)

復習

・「主体的、対話的で深い学び」について、自分の言葉で説明できるようにしておこう。

予習

・『学習指導要領』8~11頁を読んでおこう。

教育概論Ⅱ(栄養)-5

▼10/17

前回のおさらい

・学習指導要領の前文。社会に開かれた教育課程。
・学習指導要領の総則。生きる力、カリキュラム・マネジメント。

学習指導要領総則:教育課程の編成

1 各学校の教育目標と教育課程の編成

教育課程の編成に当たっては、学校教育全体や各教科等における指導を通して育成を目指す資質・能力を踏まえつつ、各学校の教育目標を明確にするとともに、教育課程の編成についての基本的な方針が家庭や地域とも共有されるよう努めるものとする。その際、第4章総合的な学習の時間の第2の1に基づき定められる目標との関連を図るものとする。(4~5頁)

総合的な学習の時間の第2の1

各学校においては、第1の目標を踏まえ、各学校の総合的な学習の時間の目標を定める。(144頁)

総合的な学習の時間:第1の目標

探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 探究的な学習の過程において、課題の解決に必要な知識及び技能を身に付け、課題に関わる概念を形成し、探究的な学習のよさを理解するようにする。
(2) 実社会や実生活の中から問いを見いだし、自分で課題を立て、情報を集め、整理・分析して、まとめ・表現することができるようにする。
(3) 探究的な学習に主体的・協働的に取り組むとともに、互いのよさを生かしながら、積極的に社会に参画しようとする態度を養う。(144頁)

2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成

(1) 各学校においては、生徒の発達の段階を考慮し、言語能力、情報活用能力(情報モラルを含む。)、問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成していくことができるよう、各教科等の特質を生かし、教科等横断的な視点から教育課程の編成を図るものとする。
(2) 各学校においては、生徒や学校、地域の実態及び生徒の発達の段階を考慮し、豊かな人生の実現や災害等を乗り越えて次代の社会を形成することに向けた現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力を、教科等横断的な視点で育成していくことができるよう、各学校の特色を生かした教育課程の編成を図るものとする。(5頁)

3 教育課程の編成における共通的事項

(1)内容について
・書いてあることは全部扱う。
・書いていないことも、付け加えて扱ってよい。ただし目標をはみ出したり、生徒の負担過重になってはいけない。
・教える順序は決まっていない。
・複式学級の場合は、学年別の順序は臨機応変に対応。
・生徒や地域の実態に合わせて、選択教科を開設してよい。
・道徳教育の内容に関する事項。

(2)時間数について
・各教科の授業は年間35週以上。
・特別活動(生徒会活動・学校行事)は、適切に考える。
・時間割について
(ア)「1単位時間」は、各学校が適切に定める。
(イ)10分や15分の短い時間の活用ルール。
(ウ)給食や休憩については、各学校が適切に定める。
(エ)創意工夫を活かして弾力的に編成する。
・「総合的な学習の時間」と「特別活動」の内容がカブっている場合の特別ルール。

(3)配慮事項
各学校においては、次の事項に配慮しながら、学校の創意工夫を生かし、全体として、調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。

4 学校段階間の接続

(1)小学校との接続。義務教育に対する意識。
(2)高校との接続。

復習

・学習指導要領総則、4~7頁を読み込んで、教育課程編成の基本的なルールを確認しておこう。

予習

・学習指導要領総則、7~9頁を読み込んでおこう。

教育概論Ⅱ(栄養)-4

▼10/10

前回のおさらい

・教育課程編成のルール。
・教育基本法→学校教育法→学校教育法施行規則→学習指導要領。

学習指導要領(前文)

社会に開かれた教育課程

教育課程を通して、これからの時代に求められる教育を実現していくためには、よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会とが共有し、それぞれの学校において、必要な学習内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを教育課程において明確にしながら、社会との連携及び協働によりその実現を図っていくという、社会に開かれた教育課程の実現が重要となる。(2頁)

これからの時代に求められる教育とは?

・知識基盤社会。
・少子高齢化、グローバル化、情報化。

求められる資質・能力とは?

ア)教科等を横断する汎用的なスキル(コンピテンシー)等に関わるもの
①汎用的なスキル等としては、例えば、問題解決、論理的思考、コミュニケーション、意欲など
②メタ認知(自己調整や内省、批判的思考等を可能にするもの)
イ)教科等の本質に関わるもの(教科等ならではの見方・考え方など)
例:「エネルギーとは何か。電気とは何か。どのような性質を持っているのか」のような教科等の本質に関わる問いに答えるためのものの見方・考え方、処理や表現の方法など
ウ)教科等に固有の知識や個別スキルに関するもの
例:「乾電池」についての知識、「検流計」の使い方

家庭や地域との連携

生徒が学ぶことの意義を実感できる環境を整え、一人一人の資質・能力を伸ばせるようにしていくことは、教職員をはじめとする学校関係者はもとより、家庭や地域の人々も含め、様々な立場から生徒や学校に関わる全ての大人に期待される役割である。(2頁)

学ぶことの意義?

・どうしたら「学ぶことの意義」を実感できるのか?

生涯学習、学校間連携

幼児期の教育及び小学校教育の基礎の上に、高等学校以降の教育や生涯にわたる学習とのつながりを見通しながら、生徒の学習の在り方を展望していくために広く活用されるものとなることを期待して、ここに中学校学習指導要領を定める。(2頁)

学習指導要領(総則)

生きる力

・「知・徳・体のバランス」=「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」(3頁)

学力の三要素

(1) 知識及び技能が習得されるようにすること。
(2) 思考力、判断力、表現力等を育成すること。
(3) 学びに向かう力、人間性等を涵養すること。(4頁)

カリキュラム・マネジメント

各学校においては、生徒や学校、地域の実態を適切に把握し、教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと、教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと、教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して、教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする。(4頁)

復習

・学習指導要領の「前文」と「総則」2~4頁を読み込んで、日本が目ざしている教育の方向性を理解しよう。

予習

・学習指導要領総則4~7頁に目を通しておこう。