【要約】公立学校の中で、内在的な問題意識から自覚をもって学びの転換を試みている実践を紹介します。テーマは、探究活動、不登校対応、院内学級、ICTの活用、自由進度学習、プロジェクト学習、インクルーシブ教育、教員研修と様々ですが、「教えの教育から、学びを支える教育」への転換という点がすべての実践に共通しています。
【感想】公立学校でもこれくらいの改革はできるという点で、確実な試金石となる実践ばかりだ。実際にできている公立校があるのだから、「うちの学校ではできない」というのはただの言い訳に過ぎない。できないとしたなら、他の学校(しかも公立)はできているのだから、どうしてできないかという原因を探し出し、潰していくべきなのだ。
そしておそらく2027年に公示される次期学習指導要領では、これらの実践を踏まえた形でより柔軟な教育課程が提示されると予測する。社会や保護者の意識の変化もめまぐるしい。学校だけが旧態依然というのは、もう許されない。各学校(特に管理職)が本書なども参考にしながら、勇気をもって変化に対応しなくてはいけない。そしてそういう学校を支えるために、文部科学省や財務省が従来の圧力的な姿勢を改め、先生たちが活き活きと能力を発揮できる環境を整えなければならないのだが・・・
そして私としては教員養成に関わる専門家としてできる仕事を精一杯やっていくしかない。がんばろう。