「講義」カテゴリーアーカイブ

教育学Ⅱ-11

■新松戸キャンパス 12/7(金)
■龍ケ崎キャンパス 12/10(月)

前回のおさらい

・知識基盤社会、第四次産業革命、Society5.0

問題行動

懲戒と体罰

【学校教育法第11条】
「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。」

・何がどこまで「懲戒」で、どこから「体罰」なのでしょうか?
・「問題行動を起こす児童生徒に対する指導について(通知)
・「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例

いじめ

・「いじめ防止対策推進法

【(定義)第二条】
この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。

・いじめの防止:第15条。
・いじめの早期発見:第16条。
・いじめに対する措置:第23条。

・「千葉県いじめ防止等基本的方針
・「家庭用いじめ発見チェックシート

特別支援教育

・平成19年の学校教育法改正により、すべての学校(幼稚園含む)で特別支援教育を推進することが明確となりました。
・「特別支援教育の推進について(通知)」2007年。
・「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」2012年。

特別支援教育の理念

共生社会:障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ、様々な人々が活き活きと活躍できる社会です。誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様なあり方を相互に認め合える全員参加型の社会です。
インクルーシブ教育:障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするためにも、障害のある子供が障害のない子供と共に教育を受けられる仕組みです。
教育的ニーズ:子供が必要としている支援です。
合理的配慮:障害のある子供が、他の子供と平等に教育を受ける権利を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある子供にたいし、その状況に応じて、学校教育を受ける場合に個別に必要とされるものです。体制面・財政面において、均衡を失した過度の負担は課しません。
ユニヴァーサル・デザイン:あらかじめ、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方です。

発達障害

発達障害:これまでの特殊教育の対象とはなっていなかった、知的な遅れのない障害のことです。
→LD(学習障害):知的発達に遅れはありませんが、聞く・話す・読む・書く・計算するなどの能力のうち、特定の分野に極端に苦手な側面が見られます。
→ADHD(注意欠如・多動症):注意力や衝動性、多動性などが年齢や発達に不釣り合いで、社会的な活動や学業に支障をきたすことがあります。
→自閉症スペクトラム:他者の気持ちを察することや周りの状況に合わせたりする行動が苦手だったり、特定のものにこだわる傾向が見られます。

具体的な教育のかたち

(1)特別支援学校:個別の教育的ニーズをかなえるため、専門的なケアや自立支援が手厚く受けられる学校に通います。1学級標準人数は6人です。特別支援学校は「個別の支援計画」や「個別の指導計画」を作成します。
(2)特別支援学級:個別の教育的ニーズをかなえるため、通常の学校に通いながら、専門的なケアが受けられる学級で指導を受けます。1学級標準人数は8人です
(3)通級:通常の学級に在籍しながら、必要に応じて個別の教育的ニーズをかなえるために特別の場を設けることがあります。
(4)通常学級:通常の学級に在籍します。

復習

・「問題行動」それぞれの定義と実際を押さえよう。
・特別支援教育の理念と実際について考えを深めよう。

予習

・「道徳の教科化」について自分なりに調べておこう。

教育概論Ⅱ(中高)-12

▼語学・心カ・教福・服美・表現 12/22
▼栄養・環教 12/4

前回のおさらい

・主体的、対話的で深い学び。見方・考え方。
・学習評価の充実。

教育課程編成のルール:教科と時間数

・どの各教科をどれだけ教えるかは、法律に定められています。各学校が勝手に時間割を組めるわけではありません。

学校教育法施行規則

第72条 中学校の教育課程は、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭及び外国語の各教科(以下本章及び第七章中「各教科」という。)、道徳、総合的な学習の時間並びに特別活動によつて編成するものとする。
第73条 中学校(併設型中学校、第74条の二第二項に規定する小学校連携型中学校、第75条第二項に規定する連携型中学校及び第79条の九第二項に規定する小学校併設型中学校を除く。)の各学年における各教科、道徳、総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの授業時数並びに各学年におけるこれらの総授業時数は、別表第二に定める授業時数を標準とする。
第74条 中学校の教育課程については、この章に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する中学校学習指導要領によるものとする。

別表第二(第73条関係)
区分
第一学年
第二学年
第三学年
各教科の授業時数
国語
140
140
105
社会
105
105
140
数学
140
105
140
理科
105
140
140
音楽
45
35
35
美術
45
35
35
保健体育
105
105
105
技術・家庭
70
70
35
外国語
140
140
140
道徳の授業時数
35
35
35
総合的な学習の時間の授業時数
50
70
70
特別活動の授業時数
35
35
35
総授業時数
1015
1015
1015

備考
一 この表の授業時数の一単位時間は、五十分とする。
二 特別活動の授業時数は、中学校学習指導要領で定める学級活動(学校給食に係るものを除く。)に充てるものとする。

学校教育法

第21条 義務教育として行われる普通教育は、教育基本法(平成18年法律第120号)第五条第二項に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
二 学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
三 我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
四 家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。
五 読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。
六 生活に必要な数量的な関係を正しく理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
七 生活にかかわる自然現象について、観察及び実験を通じて、科学的に理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
八 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。
九 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。
十 職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。

教育基本法

第一条 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
第二条 教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
三 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
四 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
五 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

学習指導要領(前文)

社会に開かれた教育課程

教育課程を通して、これからの時代に求められる教育を実現していくためには、よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会とが共有し、それぞれの学校において、必要な学習内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを教育課程において明確にしながら、社会との連携及び協働によりその実現を図っていくという、社会に開かれた教育課程の実現が重要となる。(2頁)

・「これからの時代に求められる教育」とは何だろう?
・「よりよい学校教育」とは何だろう?
・「よりよい社会」とは何だろう?
・「資質・能力」とは何だろう?
・「社会との連携及び協働」はどう実現するのだろう?

大綱的な基準

学習指導要領とは、こうした理念の実現に向けて必要となる教育課程の基準を大綱的に定めるものである。学習指導要領が果たす役割の一つは、公の性質を有する学校における教育水準を全国的に確保することである。また、各学校がその特色を生かして創意工夫を重ね、長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら、生徒や地域の現状や課題を捉え、家庭や地域社会と協力して、学習指導要領を踏まえた教育活動の更なる充実を図っていくことも重要である。(2頁)

・大綱的な基準であって、細かいところまですべて決められているわけではありません。→教育課程とは、各学校が、生徒や地域の実態を踏まえた上で、特色を生かして創意工夫を重ねて作るものです。
・ただし、すべてが自由であるわけでもありません。→全国的な教育水準の確保をしなければいけません。

生涯学習、学校間連携

幼児期の教育及び小学校教育の基礎の上に、高等学校以降の教育や生涯にわたる学習とのつながりを見通しながら、生徒の学習の在り方を展望していくために広く活用されるものとなることを期待して、ここに中学校学習指導要領を定める。(2頁)

・「生涯学習」の理念と現実。知識の賞味期限切れが早くなったとき、どうしなければいけないでしょうか?
・これからの教育に必要なことは、単に「何かを学ぶ」のではなく、「学び方を学ぶ」ことです。

教育課程の編成における共通的事項

(1)内容について
・書いてあることは全部扱う。
・書いていないことも、付け加えて扱ってよい。ただし目標をはみ出したり、生徒の負担過重になってはいけない。
・教える順序は決まっていない。
・複式学級の場合は、学年別の順序は臨機応変に対応。
・生徒や地域の実態に合わせて、選択教科を開設してよい。
・道徳教育の内容に関する事項。

(2)時間数について
・各教科の授業は年間35週以上。
・特別活動(生徒会活動・学校行事)は、適切に考える。
・時間割について
(ア)「1単位時間」は、各学校が適切に定める。
(イ)10分や15分の短い時間の活用ルール。
(ウ)給食や休憩については、各学校が適切に定める。
(エ)創意工夫を活かして弾力的に編成する。
・「総合的な学習の時間」と「特別活動」の内容がカブっている場合の特別ルール。

(3)配慮事項
各学校においては、次の事項に配慮しながら、学校の創意工夫を生かし、全体として、調和のとれた具体的な指導計画を作成するものとする。

復習

・教育基本法→学校教育法→学校教育法施行規則→学習指導要領の流れを確認しよう。

予習

・生徒指導について調べておこう。

課題

【栄養・環教】

締切り:2019年1/15(火)
形式:800字程度。手書きOK、コンピュータOK。用紙サイズなど、日本語で読めれば何でも可。
・内容(環教)「STEM教育あるいはSTEAM教育について調べ、これからの理科教育に何が期待され、どのように変化するか考えて下さい。」(参考「日本STEM教育学会 第一回年次大会」「シンポジウム「イノベーションを創出する次世代人材育成のための創造性教育」)
・内容(栄養)「男女共同参画社会について調べ、これからの家庭科教育に何が期待され、どのように変化するか考えて下さい。」(参考:内閣府「男女共同参画社会って何だろう?」)

【語学・心カ・教福・服美・造形】

締切り:2019年1/26(土)
形式:800字程度。手書きOK、コンピュータOK。用紙サイズなど、日本語で読めれば何でも可。
・内容(語学)「グローバル化に対応した英語教育改革に向けて、これからの英語教育に何が期待され、どのように変化するか考えて下さい。」(参考:文部科学省「今後の英語教育の改善・充実方策について報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~」)
・内容(心カ)「「特別な配慮を必要とする児童生徒」について調べ、これからの生徒指導に何が期待され、どのように変化するか考えて下さい。」(参考:文部科学省「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」)
・内容(教福)「主権者教育について調べ、今後の社会科に何が期待され、どのように変化するか考えて下さい。」(参考:文部科学省「主権者教育の推進プロジェクト」)
・内容(服美)「男女共同参画社会について調べ、これからの家庭科教育に何が期待され、どのように変化するか考えて下さい。」(参考:内閣府「男女共同参画社会って何だろう?」)
・内容(造形)「創造性を育む教育が必要とされる今日、これからの美術科教育に何が期待され、どのように変化するか考えて下さい。」(参考:「シンポジウム「イノベーションを創出する次世代人材育成のための創造性教育」」)

教育の基礎理論-12

前回のおさらい

・資本主義の世界の教育。ドラえもん構造。
・隠れたカリキュラム。

新教育

・20世紀初頭から世界的に広まった教育運動のことです。様々な人が活躍しますが、ほぼ共通して、主知主義的な教育を批判し、子供の自発性や能動性、創造性を重視します。日本では大正期(1912年~1926年)に流行し、大正新教育運動と呼ばれます。

人間の範囲の拡大

・「白人+男性+キリスト教徒+中産階級」のみを人間とした市民社会から、様々な人々の努力により、徐々に人間(人格を持ち、自由と権利を行使できる者)の範囲が拡大していきます。たとえば、労働者、女性、異教徒(無神論者)、子供、障害者。→動物?
・具体的な権利の拡大過程として、男子普通選挙権(労働者への公民権拡大)。女性参政権、フェミニズム(女権拡大論)。植民地の独立。公民権運動。
児童の権利に関する宣言(1959年)。児童の権利条約(1989年)。児童を、保護の対象から、権利の主体へと捉え直します。
障害者権利条約(2006年)→障害者基本法改正、障害者差別解消法(2013年)へと繋がっていきます。

児童中心主義

児童中心主義:子供を「客体」として扱うのではなく、子供が「主体」となります。「教育する=教師や学校が主語」のではなく「学習する=子供が主語」へと転換します。

ジョン・デューイ John Dewey

・アメリカ出身。1859年~1952年。
・著書:『学校と社会』『民主主義と教育』
・キーワード:コペルニクス的転回。実験学校。問題解決学習。
・名言:「なすことによって学ぶ。」

エレン・ケイ Ellen Karolina Sofia Key

・スウェーデン出身。女性。1849年~1926年。
・著書:『児童の世紀』
・名言:「教育の最大の秘訣は、教育しないことにある。」←ルソーの消極教育の影響が指摘されています。

モンテッソーリ Maria Montessori

・イタリア出身。女性。1870年~1952年。
・著書:『幼児の秘密』『子どもの発見』
・キーワード:子供の家。感覚教育法。教具。自発性。整えられた環境。

特別支援教育

・平成19年の学校教育法改正により、すべての学校(幼稚園含む)で特別支援教育を推進することが明確となりました。
・「特別支援教育の推進について(通知)」2007年。
・「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」2012年。

特別支援教育の理念

共生社会:障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ、様々な人々が活き活きと活躍できる社会です。誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様なあり方を相互に認め合える全員参加型の社会です。
インクルーシブ教育:障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするためにも、障害のある子供が障害のない子供と共に教育を受けられる仕組みです。
教育的ニーズ:子供が必要としている支援です。
合理的配慮:障害のある子供が、他の子供と平等に教育を受ける権利を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある子供にたいし、その状況に応じて、学校教育を受ける場合に個別に必要とされるものです。体制面・財政面において、均衡を失した過度の負担は課しません。
ユニヴァーサル・デザイン:あらかじめ、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方です。

発達障害

発達障害:これまでの特殊教育の対象とはなっていなかった、知的な遅れのない障害のことです。
→LD(学習障害):知的発達に遅れはありませんが、聞く・話す・読む・書く・計算するなどの能力のうち、特定の分野に極端に苦手な側面が見られます。
→ADHD(注意欠如・多動症):注意力や衝動性、多動性などが年齢や発達に不釣り合いで、社会的な活動や学業に支障をきたすことがあります。
→自閉症スペクトラム:他者の気持ちを察することや周りの状況に合わせたりする行動が苦手だったり、特定のものにこだわる傾向が見られます。

学校の仕事

校内委員会:校長のリーダーシップの下、全校的な支援体制を確立し、実態把握や支援方策の検討等を行うために設けなければならない組織です。
特別支援教育コーディネーター:各学校における特別支援教育の推進のために、情報収集、校内委員会・校内研修の企画・運営、関係諸機関・学校との連絡・調整、保護者からの相談窓口となります。
個別の教育支援計画:特別支援学校では、ひとりひとりの教育的ニーズに応じた支援を効果的に実施するため、乳幼児期から学校卒業後までの一貫した長期的な計画を作成しなければなりません。作成にあたり、医療・福祉・労働などの関係機関と連携し、保護者の参画や意見を聞きます。
個別の指導計画:特別支援学校では、障害のある子供ひとりひとりの教育的ニーズに対応して工夫され、学校における指導内容・方法を盛り込んだ指導計画を作成しなければなりません。

復習

・新教育にかかわる人物を、著作やキーワードとともに押さえておこう。
・「特別支援教育」の理念と、学校や先生が携わる具体的な仕事について理解しよう。

教育学Ⅱ-10

■新松戸キャンパス 11/30(金)
■龍ケ崎キャンパス 12/3(月)

前回のおさらい

・ゆとり教育のデメリット。

ゆとり教育の修正

・2003年、学習指導要領の一部改訂:書いていないことも発展的な内容として教えてよいことになります。(ゆとり教育の終わりの始まり)
・2008年、学習指導要領改訂:授業時間増、指導内容の充実。→詰め込み教育の復活と単純に考えていいのでしょうか?

学力の再定義:学校教育法改定(2007年)

・2007年に学校教育法が改定され、第30条に「学力」が定義されます。

前項の場合においては、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。

・教育の主な関心が、コンテンツ(内容・知識)からコンピテンシー(能力)やソフトスキル(関心・意欲・態度)へと転換しました。89年改訂で登場した「新学力観」が法律化されたものとも言えます。
*コンピテンシー(competency):単に知識として知っているだけではなく、様々な情報を実際に活用して成果を出すことができる能力。「社会人力」とか「生きる力」とか「女子力」のような、「○○力」という言葉の流行とも関連します。
*ソフトスキル:テストなどで数値化することができないものの、成功する上で実は決定的な能力。「非認知能力」などとも重なる概念です。

PISAショック

*PISA:学習到達度調査。Programme for International Student Assessment。高校1年生対象。
*OECD:経済協力開発機構。Organisation for Economic Co-operation and Development
*PISAショック:2003年と2006年の調査で日本の順位が大幅に下がったことに教育関係者一同衝撃を受けたこと。←しかし2009年と2012年の調査では順位が上昇します。
・「活用力=コンピテンシー」と「学ぶ意欲=ソフトスキル」が日本の課題であることが明確になります。
*全国学力・学習状況調査:2007年より毎年実施。小6と中3を対象。←A問題とB問題の違いに注意しましょう。

これからやってくる世の中

知識基盤社会

*知識基盤社会(knowledge-based society):新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増すような世の中を意味します。

我が国が科学技術創造立国の実現に向けて世界をリードし、成長し続けるためには、イノベーションを絶え間なく創造できる人材の育成が求められている。「知」を巡る国際競争の激化や知識基盤社会の進展等により、産業構造の変化も急速に進んでいる現代においては、多種多様な個々人が力を最大限発揮でき、それらが結集されるチーム力が必要とされている。(知識基盤社会が求める人材像、2009年)

第4次産業革命

第4次産業革命とは、18世紀末以降の水力や蒸気機関による工場の機械化である第1次産業革命、20世紀初頭の分業に基づく電力を用いた大量生産である第2次産業革命、1970年代初頭からの電子工学や情報技術を用いた一層のオートメーション化である第3次産業革命に続く、次のようないくつかのコアとなる技術革新を指す。
一つ目はIoT及びビッグデータである。工場の機械の稼働状況から、交通、気象、個人の健康状況まで様々な情報がデータ化され、それらをネットワークでつなげてまとめ、これを解析・利用することで、新たな付加価値が生まれている。
二つ目はAIである。人間がコンピューターに対してあらかじめ分析上注目すべき要素を全て与えなくとも、コンピューター自らが学習し、一定の判断を行うことが可能となっている。加えて、従来のロボット技術も、更に複雑な作業が可能となっているほか、3Dプリンターの発展により、省スペースで複雑な工作物の製造も可能となっている。
→内閣府「第4次産業革命のインパクト」2016年

(1)大量生産・画一的サービス提供から個々にカスタマイズされた生産・サービスの提供
(2)既に存在している資源・資産の効率的な活用
(3)AIやロボットによる、従来人間によって行われていた労働の補助・代替

Society5.0、データ駆動型社会

狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。
これまでの情報社会(Society 4.0)では知識や情報が共有されず、分野横断的な連携が不十分であるという問題がありました。人が行う能力に限界があるため、あふれる情報から必要な情報を見つけて分析する作業が負担であったり、年齢や障害などによる労働や行動範囲に制約がありました。また、少子高齢化や地方の過疎化などの課題に対して様々な制約があり、十分に対応することが困難でした。
Society 5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会となります。
→内閣府「Society5.0とは」2018年

復習

・PISAショックによって教育が変わったことを押さえておこう。
・これからやってくる不透明な世界について認識しておこう。

予習

・先行き不透明な世界で必要となる資質・能力について調べておこう。

教育概論Ⅱ(栄養)-11

前回のおさらい

・カリキュラムマネジメント(1)教科等横断的な視点(2)PDCAサイクル(3)資源の確保

学習指導要領総則:主体的、対話的で深い学び

学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、第3の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、次の(1)から(3)までに掲げる事項の実現を図り、生徒に生きる力を育むことを目指すものとする。(『学習指導要領』3頁)

主体的・対話的で深い学び

第3 教育課程の実施と学習評価
1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善
各教科等の指導に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1) 第1の3の(1)から(3)までに示すことが偏りなく実現されるよう、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら、生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと。
特に、各教科等において身に付けた知識及び技能を活用したり、思考力、判断力、表現力等学びに向かう力人間性等を発揮させたりして、学習の対象となる物事を捉え思考することにより、各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(以下「見方・考え方」という。)が鍛えられていくことに留意し、生徒が各教科等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう過程を重視した学習の充実を図ること。(『学習指導要領』7~8頁)

*主体的・対話的・深い学びとは、それぞれどういうことでしょうか?
→「過程を重視した学習」=単に正しい答えを出すのではなく、答えに至るための「過程」を重視します。先の見えない不透明な世界では、正解は複数あったり、あるいはなかったりします。それでも前に進まなければなりません。そのためには正解を知るのではなく、正解があろうがなかろうが「前に進む」ための「手段」や「方法」を身につけることが必要になります。

(1) 学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しをもって粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているかという視点。
(2)子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているかという視点。
(3) 習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているかという視点。
(『学習指導要領解説 総則編』77頁)

*授業は具体的にどのように行なえばいいのでしょうか?

主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を考えることは単元や題材など内容や時間のまとまりをどのように構成するかというデザインを考えることに他ならない。(『学習指導要領解説 総則編』77頁)

→毎回毎回アクティブラーニングを行なう必要はないということです。長い単元の中で、知識を与える部分とアクティブな部分にメリハリをつけましょう。そのためには授業そのもののみを考えるのではなく、カリキュラム全体の構成やデザインを考えることが重要になります。

*ポイントは何でしょうか?→「見方・考え方」

主体的・対話的で深い学びの実現を目指して授業改善を進めるに当たり、特に「深い学び」の視点に関して、各教科等の学びの深まりの鍵となるのが「見方・考え方」である。各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方である「見方・考え方」は、新しい知識及び技能を既にもっている知識及び技能と結び付けながら社会の中で生きて働くものとして習得したり、思考力、判断力、表現力等を豊かなものとしたり、社会や世界にどのように関わるかの視座を形成したりするために重要なものであり、習得・活用・探究という学びの過程の中で働かせることを通じて、より質の高い深い学びにつなげることが重要である。 (『学習指導要領解説 総則編』77~78頁)

(1)知識・技能←既習知識とつなげる。現実社会とつなげる。
(2)コンピテンシー←自分の経験とつなげる。
(3)ソフトスキル←人生の目標や社会とつなげる。

「家庭科」の目標とは?
 生活の営みに係る見方・考え方を働かせ、衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して、よりよい生活の実現に向けて、生活を工夫し創造する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
⑴ 家族・家庭の機能について理解を深め、家族・家庭、衣食住、消費や環境などについて、生活の自立に必要な基礎的な理解を図るとともに、それらに係る技能を身に付けるようにする。
⑵ 家族・家庭や地域における生活の中から問題を見いだして課題を設定し、解決策を構想し、実践を評価・改善し、考察したことを論理的に表現するなど、これからの生活を展望して課題を解決する力を養う。
⑶ 自分と家族、家庭生活と地域との関わりを考え、家族や地域の人々と協働し、よりよい生活の実現に向けて、生活を工夫し創造しようとする実践的な態度を養う。 (『学習指導要領』136頁)

・学校教育法第30条「学力の定義」を踏まえて理解しよう。

「家庭科」に特有の「見方・考え方」とは何でしょうか?
⑴ 題材など内容や時間のまとまりを見通して、その中で育む資質・能力の育成に向けて、生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。その際、生活の営みに係る見方・考え方や技術の見方・考え方を働かせ、知識を相互に関連付けてより深く理解するとともに、生活や社会の中から問題を見いだして解決策を構想し、実践を評価・改善して、新たな課題の解決に向かう過程を重視した学習の充実を図ること。
⑷ 各項目及び各項目に示す事項については、相互に有機的な関連を図り、総合的に展開されるよう適切な題材を設定して計画を作成すること。その際、生徒や学校、地域の実態を的確に捉え、指導の効果を高めるようにすること。また、小学校における学習を踏まえるとともに、高等学校における学習を見据え、他教科等との関連を明確にして系統的・発展的に指導ができるようにすること。さらに、持続可能な開発のための教育を推進する視点から他教科等との連携も図ること。 (『学習指導要領』141頁)

学習評価の充実

学習評価の実施に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1) 生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し、学習したことの意義や価値を実感できるようにすること。また、各教科等の目標の実現に向けた学習状況を把握する観点から、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫して、学習の過程や成果を評価し、指導の改善や学習意欲の向上を図り、資質・能力の育成に生かすようにすること。
(2) 創意工夫の中で学習評価の妥当性や信頼性が高められるよう、組織的かつ計画的な取組を推進するとともに、学年や学校段階を越えて生徒の学習の成果が円滑に接続されるように工夫すること。(8-9頁)

・評価の種類には、大きく分けて2つあります:相対的評価、絶対的評価(到達度評価)。
・それぞれの評価のメリットとデメリット:相対的評価=統計学的な根拠に基づき客観的な評価が期待できますが、教育活動の成果が反映しているかどうかのチェック指標として疑問が残ります。絶対的評価=教育活動の成果が反映しているかどうかの指標として期待できますが、教師の主観性に左右されやすいのが難点です。
・評価のタイミングは、主に3つあります:診断的評価、形成的評価、総括的評価。
・形成的評価の重要性:コンピテンシーやソフトスキルの発達をどのように評価するか?→ポートフォリオ等の活用。指導と一体化した評価。
・評価の法的根拠:学校教育法施行規則第24条、第28条。「指導要録」←「通知表」や「内申書」との違いに注意しましょう。
*指導要録:学籍に関する記録(保存期間20年)、指導に関する記録(保存期間5年)。

復習

・「主体的、対話的で深い学び」について、自分の言葉で説明できるようにしておこう。
・「評価」の意義と手法について押さえておこう。

予習

・『学習指導要領』8~11頁を読んでおこう。
・学校教育法と学校教育法施行規則について調べておこう。