【要約と感想】蓑手章吾『個別最適な学びを実現するICTの使い方』

【要約】単にICTを使うことを目的にするのではなく、これまでの教育の形(チョーク&トーク)が根本から変わることを実感しましょう。これまではやりたくてもできなかったようなことが、ICTを活用することでどんどん実現できます。具体的な実践例多数。

【感想】東洋経済オンライン「education×ICT」でも安定した記事を配信している蓑手氏の著書で、非常に明快で分かりやすい。特に良いのは、単にICTを活用する方法だけ紹介しているのではなく、一貫した「子ども観」を土台として、実現したいことを実現するための手段としてテクノロジーを利用しているところだ。子どもの主体性や学びに向かう力を全面的に信じるところから、様々な実践が成立する。フレーベルが現代に甦ったとしたら、たぶん同じようにICTを使いこなしまくるだろう。だから逆に言えば、本書を読んで、表面だけマネしようと思ってもなかなかうまくいかないだろうと思う。一番のポイントは、子どもの力を信じることだ。

蓑手章吾『個別最適な学びを実現するICTの使い方』学陽書房、2022年