青森県の三内丸山遺跡は、噂に違わず、たいへん素晴らしい史跡でした。
2000年に特別史跡に指定されています。たいへん価値のある縄文時代の遺跡です。
遺跡に併設されている博物館「縄文時遊館」も素晴らしいです。発掘された様々な石器や土器が展示されているほか、復元模型や映像による解説も充実していて、見応えがあります。
三内丸山遺跡といえば、まず思い浮かぶのはこの巨大木造建築物ですね。すごい。これが出てきて、一気に史跡保存に流れが傾きます。
掘立柱建物の案内板。この建物の存在によって、縄文人が規則正しく長さを測っていたことや、巨大な建築を指示した指導者がいただろうことが想像されます。縄文時代のイメージを覆す、大発見です。
いま建っている巨大掘立柱はレプリカで、こちらが発見された穴と木。よく残っていてくれました。
あと、三内丸山遺跡で感心したのは、竪穴式住居の復元に関してです。
竪穴住居の案内板によると、茅葺きと樹皮葺きと土葺きの3種類で復元しています。これが素晴らしい。たいていの復元では茅葺きになっていますが、個人的には怪しいと思っています。
土葺きの竪穴式住居復元。いやあ、やっぱりこれだったんじゃないですかねえ。稲作も始まっていないのに藁葺き屋根って、不自然なように思います。
後ろから見ても、とても自然な土葺き竪穴式住居。
まあ、土葺きである証拠もないんだけれども、少なくとも藁葺きである根拠もないので、藁葺きで復元するときは「可能性の一つ」であることを並記するべきであるように思います。
まだ発掘作業は続いているので、さらに縄文時代のイメージを豊かにするような発見を楽しみにしています。
(2015年10月訪問)