以下の文章を読み、授業内容を踏まえて、自分の考えを記してください。
登場人物
野比のび太=労働者の子供
スネ夫=資本家の子供
ジャイアン=自営業の子供
出来杉=労働者の子供
しずか=女子
ドラえもん=猫型ロボット
状況
明日から夏休み。一学期を終えた小学生たちが帰宅の途についています。
しずか「どうしたの、のび太さん。そんなにしょんぼりして」
のび太「通知表、またオール1だったんだ。どうしよう、ママ、きっとすごく怒るよ」
スネ夫「相変わらず、のび太は平常運転だなあ」
ジャイアン「俺は体育だけは5だったぜ。他は1だったけど」
スネ夫「ジャイアンは別にいいんだよ。将来は一国一城の主だからね」
ジャイアン「まあな。(いっこくいちじょうのあるじって、なんだ?)」
のび太「あーあ、学校なんてなくなったらいいのにな。(1) 昔の子どもは良かったなあ、学校なんか行かなくてすんで。毎日朝から晩までずっと遊んでても、誰にも怒られなかったんだから。せいぜい夏休みは毎日昼寝をして過ごそう」
出来杉「野比くん。テストの点で人間の価値が決まるわけじゃないよ」
しずか「そうよ、のび太さん」
のび太「でも、(2) 義務教育って言うじゃないさ。義務だから、僕ら、学校に行かなきゃいけないんでしょ?」
しずか「あら、のび太さん。それは違うわ」
出来杉「ぼくらが今受けている教育は、“普通教育”っていって、すべての人が社会で生きていくために最低限必要な力を育てるものなんだ」
のび太「普通の教育? じゃあ、どこにでもあるつまらない教育ってことだね」
スネ夫「そうだぞ、のび太! ぼくみたいに特別な子は特別な教育を受けるから、“普通”じゃないぼくには関係ないってことだね!」
ジャイアン「“普通教育”って、どうせ“おとなしく言うこと聞く子”を育てるやつだろ? そんなのオレにはムリムリ! オレは型にはまらないタイプだから、そういうのパス!」
出来杉「ちょっと待って、骨川くんも剛田くんも、それじゃ“普通教育”を誤解してるよ。( A )」
スネ夫「さすが出来杉くん。ぼくらに言えないことを平然と言ってのける。そこにシビれる、あこがれるゥ。うちのパパ、出来杉くんくらい有能なら、年俸1億円出してもお釣りがくるって言ってた」
のび太「年俸1億! ぼくは? ぼくは?」
スネ夫「はあ? 毎日昼寝をしてるオール1だろ。そもそも雇う会社なんてあるか?」
のび太「そんなぁ。別にぼくだって、好きでこうなってるわけじゃないさ。できないものはできないんだから、しょうがないじゃないか。うわあああん、助けてドラえもん!」
問題
(1) 下線部(1)でのび太が示している見解は誤りです。実際にはどうだったのか、のび太にもわかるように説明してください。
(2) 下線部(2)でのび太が示している義務教育の理解は不正確です。実際の制度に照らして、のび太にもわかるように説明してください。
(3) 出来杉くんが「テストの点で人間の価値が決まるわけじゃない」と言っている背景には、西洋の教育思想の流れがあります。ソクラテス、ルソー、カントの教育観を踏まえ、出来杉くんの考え方をのび太にもわかるように説明してください。
(4) 「普通教育」について、のび太もスネ夫もジャイアンも誤解しています。「普通教育」は「どこにでもある退屈な教育」でも「平凡な人を育てる教育」でもありません。出木杉くんのセリフ( A )に、あなたが考える適切な言葉を入れてください。
(5) スネ夫が「ジャイアンは別にいいんだよ」と言った意味が、ジャイアンには伝わっていないようです。どういう意味か、ジャイアンにもわかるように説明してください。
(6) スネ夫が考えている教育とはどのようなものか、本文をふまえて説明してください。
(7) 教育基本法の精神(特に第1条「教育の目的は人格の完成」)をふまえて、のび太にアドバイスをしてください。