東京と名古屋を安く往復する?
東京と名古屋を往復する場合、普通に往復切符を買うよりも安くする方法があります。「東京都区内→東京都区内」の一筆書き切符です。どのくらい安くなるか、下の表にまとめました。
種別 | 経路 | 乗車料金 | 特急料金 | 合計 | 所要時間 |
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東京-名古屋 往復 | 東京→名古屋→東京 | 12,760円 (片道6,380×2) | 8,360円 (東海道新幹線4,180×2) | 21,120円 | 3時間40分 |
東京→東京 長野新幹線経由 | 東京→名古屋→長野→東京 | 11,330円 | 8,760円 (東海道新幹線4,180+中央線1,210+北陸新幹線3,740) | 20,460円 | 7時間20分 |
東京→東京 中央線経由 | 東京→名古屋→塩尻→新宿 | 10,670円 | 7,830円 (東海道新幹線4,180+中央線西特急1,100+中央線東特急2,550円) | 18,500円 | 7時間10分 |
青春18きっぷ ※期間限定 | 東京→名古屋→東京 | 2,410円 | 0円 | 2,410円 | 12時間20分 |
※日帰りのケースです。日をまたぐと、新幹線から在来線特急への「乗継割引」が適用されなくなるケースがあり、値段が変わります。
※特急料金は自由席での計算です。北陸新幹線「かがやき」は全席指定のため、さらに速く移動できますが、料金は往復よりも70円高くなってしまいます。
運賃が安くなるのは、JRの乗車運賃は距離が伸びれば伸びるほどコストパフォーマンスが良くなるルールになっているからです。ただし経路が途中で交差すると無効というルールなので、一筆書き経路にする必要があるわけです。
東京→名古屋往復だと、北陸新幹線を使って長野を経由するルートと、中央線を使って塩尻を経由するルートの2通りで一筆書きができます。それぞれそこそこ安くなりますが、在来線特急(中央線)を経由するので、帰路の時間は3倍程度かかります。コストパフォーマンスだけ考えると、割に合うかどうかは難しいところかもしれません。が、ただ東京に帰るのではなく、ついでに長野や松本に途中下車して観光すると考えると、とたんに安く見えてきます。
そんなわけで、以下、実際に途中下車して松本に寄ってきた話です。
実例:東京→名古屋、松本経由
※2019年10月に消費税が増税されたため、現在とは値段が異なります。
「東京都区内→東京都区内」の切符を買いました。
東京から東京に行くのに10,480円もする切符なんですが。実は東京を出発し、実家に帰って、名古屋と松本を経由して、また東京に帰ってくる切符です。
経路を地図で見ると、下のような感じです。
JRの切符は、スタートからゴールまで重複したり交差したりするところがない「一筆書き」である限り、1枚で作ることができます。(大都市近郊区間は例外だけど)
なんでわざわざこんなことをするかというと、理由の一つは、値段が安くなるからです。
普通は東京と名古屋を往復すると12,520円かかりますが、この一筆書切符だと10,480円で行けます。けっこう安くなるんですね。JR運賃は距離が伸びれば伸びるほどコストパフォーマンスが良くなることを利用したお得技です。
ただしもちろん、行きが東海道新幹線なら、帰りは必ず中央線を使わなければなりません。特急でも5時間かかります。ということで、せっかく遠回りするなら、どこか中央線沿線で寄り道をして、旅行を楽しむのがいいでしょう。今回は松本で途中下車してきました。ちなみに松本でただ乗り換えるだけなら追加料金はかかりませんが、松本で途中下車する場合は、塩尻-松本間の鉄道運賃往復480円が別途必要になります。
さらにセコい技として、新幹線と在来特急の「乗継」を使います。名古屋から松本まで特急指定席料金は、通常なら2,880円かかります。ところが新幹線の「乗継」として買うと、半額になって1,440円になります(そういうルールがあるんです)。ということで860円出して「三河安城→名古屋」の新幹線特急券を余計に買って強制的に「乗継」にすると、在来線特急料金が1,440円割引になって、差し引き580円のお得。
そんなわけで、ただ新幹線を利用して帰省するだけなら20,720円かかるところ、20,460円で松本にも寄ってきました。うーん、松本城は何度行っても素晴らしい!
まあ、若い頃は青春18きっぷで帰省することもありましたが、歳をとると新幹線が大好きになりますね。