「matsudo2017k」タグアーカイブ

教育学Ⅱ(新松戸)-8

前回のおさらい

・教育勅語の働き。
・ナショナリズムの力と問題。

教育基本法体制

・1947年法律第25号。日本国憲法と密接に関係。(2006年改訂)
・日本国憲法が国作りの「理念」を表現しているとすれば、教育基本法は具体化への「方法」を示す。
・「教育勅語」と正反対の理念。

教育勅語の失効

・1948年。衆議院と参議院での決議。何が問題だったのか?
・「主権在君」と「神話的国体観」。

主権在民と基本的人権

*主権在民:国民ひとりひとりが「主人公」であるという政治体制。人間は誰か別の存在のために使われる「脇役」ではない。
*基本的人権:ひとりひとりが自分の人生の主人公となって生きることができるためには、これだけはどうしても必要になるという最低限の権利。幸福権や職業選択の自由や財産の自由や身体の自由などなど。

学校教育法

・1947年法律第26号。いわゆる「6・3・3制」
・複線制(フォーク型)から単線制へ。
・女性の地位の変化。
・教員養成の変化。師範学校から開放制へ。

教育委員会法

・1948年。公選制教育委員会。
・教育基本法第10条。「不当な支配」とは何か?
・政治と教育の分離。

学習指導要領(1947年版)

・「学習指導要領(試案)」。「試案」とはどういうことか。
・法的拘束力なし。
・道徳科なし。
・社会科の新設。「主人公」として生きるためには、基本的人権だけでは不十分。ガイドブックも必要。
・家庭科の男女共修。

生活綴方(せいかつつづりかた)

*無着成恭『山びこ学校』。1948年、山形県山元中学校。1951年、クラス文集を『山びこ学校』として刊行。
*綴方:いわゆる作文。

地域教育計画、コア・カリキュラム

*川口プラン:海後宗臣
*コア・カリキュラム:梅根悟、ジョン・デューイ

復習

・教育基本法体制の仕組みについて押さえよう。

予習

・「逆コース」という言葉について調べよう。
・高度経済成長について調べておこう。

 

教育学Ⅱ(新松戸)-7

■新松戸キャンパス 11/10(金)

前回のおさらい

・教育勅語の構造=3パートに分かれている。
・Aパートの内容=日本創世神話。

日本のナショナリズム(つづき)

教育勅語体制

・「忠」と「孝」。中国の道徳との違いを強調。
・「国体の精華」。団結力の強調。
・第二段落の徳目の全体構成。
・教育勅語を中心とした教育体制の構築。修身、国語、歴史、地理との関係。
・教育勅語は本当に日本の伝統に合致していたのか?

ナショナリズムの力と問題

・身分制秩序を破壊して、国民を平等に向かわせる力。
・異質な集団を一つにまとめる力。戦争の強さ。
・一方で、異質なものを排除しながら「純粋」さを追求していく傾向。
・排除したものを「敵」として固定し、憎しみを増幅させる作用。
・巨大な力と、コントロールの難しさ。

 

復習

・教育勅語の働きについて押さえておこう。

予習

・教育基本法体制の仕組みについて押さえよう。

教育学Ⅱ(新松戸)-6

■新松戸キャンパス 10/27(金)

前回のおさらい

・日本のナショナリズムの特質
・教育勅語の働き。

日本のナショナリズム(つづき)

教育勅語の構造

・3パートに分かれている。
・教育勅語には「いいことも書かれている」と主張する人々は、Bパートしか見ていない。しかし、単に「いいことも書かれている」だけで良いとしたら、聖書でもコーランでも論語でもいいはず。なぜ、聖書でもコーランでも論語でもなく「教育勅語」である必要があったのか。
・「日本人」という自己意識の形成にとって重要なのは、AパートとCパート。Aパートの理解を抜きにして、Bパートを語ることはできないし、語る意味がない。

Aパートの内容

・日本神話。712年『古事記』。720年『日本書紀』
・アメノミナカヌシ。
・イザナギとイザナミ。
・アマテラスとスサノヲ。
・オオクニヌシと天孫降臨。
・ニニギとコノハナサクヤヒメ
・ウミサチとヤマサチ。トヨタマヒメ。
・ウガヤフキアエズとタマヨリヒメ。
・神武東征。

・「忠」と「孝」。中国の道徳との違いを強調。
・「国体の精華」。団結力の強調。

教育勅語体制

・第二段落の徳目の全体構成。
・教育勅語を中心とした教育体制の構築。修身、国語、歴史、地理との関係。
・教育勅語は本当に日本の伝統に合致していたのか?

ナショナリズムの力と問題

・身分制秩序を破壊して、国民を平等に向かわせる力。
・異質な集団を一つにまとめる力。戦争の強さ。
・一方で、異質なものを排除しながら「純粋」さを追求していく傾向。
・排除したものを「敵」として固定し、憎しみを増幅させる作用。
・巨大な力と、コントロールの難しさ。

復習

・「教育勅語」の構造について押さえておこう。

予習

・「冷戦」について調べておこう。

教育学Ⅱ(新松戸)-5

■新松戸キャンパス 10/20(金)

前回のおさらい

・国語による国民統合。東ティモールの例。
・日本語廃止論。方言撲滅と標準語。

日本のナショナリズム

・明治維新(1868年):身分制社会から近代国民国家へ。
・板垣退助が見た戊辰戦争。サムライとノーミンの意識の落差。すべての国民に「主人公」意識を持ってもらうための自由民権運動。
・文明開化:日本の伝統文化をことごとく否定し、外来文化を崇拝する。鹿鳴館時代。
・学制(1872年):フランスの真似をした学校制度。教育内容も西洋の翻訳。
・福沢諭吉:『学問のすすめ』と学制。立身出世主義、国民皆学、実学主義、受益者負担。
・日本の日本らしさとは何か?→天皇の再発見。

日本の祝祭日の由来について考えてみよう。

・日本の祝祭日には、必ず連休になるものと、火曜日や水曜日ならそのままになるものと、2種類に分けられる。どうしてこのような違いがあるのか?

教育勅語

・1891年渙発、1948年失効確認(衆議院、参議院)。
・元田永孚と井上毅。儒学主義と近代主義のミックス。

日本近代と戦争

・日本が外国とどれくらい戦争したか、考えてみよう。
・日本の歴史全体を考えたときに、近代の戦争の特徴について考えてみよう。

教育勅語の構造

・段落が3つに分かれている。
・教育勅語には「いいことも書かれている」と主張する人々は、第二段落しか見ていない。しかし、単に「いいことも書かれている」だけで良いとしたら、聖書でもコーランでも論語でもいいはず。なぜ、聖書でもコーランでも論語でもなく「教育勅語」である必要があったのか。
・「日本人」という自己意識の形成にとって重要なのは、第一段落と第三段落。第一段落の理解を抜きにして、第二段落を語ることはできないし、語る意味がない。
・日本神話。天孫降臨。
・第二段落の徳目の全体構成。
・教育勅語を中心とした教育体制の構築。国語、歴史、地理との関係。
・教育勅語は本当に日本の伝統に合致していたのか?

 

復習

・日本のナショナリズムの特徴について押さえておこう。

予習

・「教育勅語」の失効について調べておこう。

 

教育学Ⅱ(新松戸)-4

■新松戸キャンパス 10/13(金)

前回のおさらい

・フランス革命の具体的な展開。
・ナショナリズムの教育。各国の国歌の事情。

国語による国民統合

・フランスの言語状況。フランス革命当時、フランス人が話していたのは何語か?
・「国語」と「方言」の違い。
・「方言札」による方言撲滅運動。
・『最後の授業』に見る、アルザス地方の言語。フランス語とドイツ語。
・東ティモール:2002年にインドネシアから独立。

東ティモールが実際に国語に選んだのは何語でしょうか?(ヒント:インドネシアから独立)
(1)インドネシア語:90%
(2)テトゥン語:40%
(3)英語:10%
(4)ポルトガル語:5%

・言葉は単なるコミュニケーション・ツールではなく、国家のアイデンティティとなる。
・しかし、言葉はコミュニケーション・ツールでもある。科学や社会に必要なボキャブラリー。

日本語廃止論

・森有礼(もりありのり)が明治初期に日本語廃止を主張。
・どうして後に初代文部大臣にまでなる森が日本語廃止を主張したのか?
・明治初頭に日本語が置かれていた状況。方言(身分と地域)が多様で、言葉が通じなかった。また、科学や社会に関する語彙が貧弱だった。

方言矯正と標準語

・第一期国定国語教科書:1904年、いわゆる「イエスシ読本」。
・東北方言と関東方言の矯正。
・方言札。
・「標準語」の開発。「お父さん」「お母さん」
・新しい日本語を作っていくのは、文学者の役割。

 

復習

・国語が国民統合に果たす役割について押さえよう。

予習

・日本のナショナリズムの特質について考えておこう。