東京と金沢を安く往復する?
東京と金沢を往復する場合、普通に往復切符を買うよりも安くする方法があります。一筆書き切符です。ただし、2024年3月16日に北陸新幹線が敦賀まで延長した結果、特急しらさぎや特急サンダーバードの自由席も廃止されるなどして、それ以前より所要時間が30分程度早くなった代わりに、お得度は格段に下がりました。「東京都区内→東京都区内」の一筆書き切符でどのくらい安くなるか、下の表にまとめました。
種別 | 経路 | 乗車料金 | 特急料金 | 合計 | 所要時間 |
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東京-金沢 往復 | 東京→金沢→東京 | 14,960円 (片道7,480円×2) | 13.800円 (北陸新幹線6,900円×2) | 28,760円 | 5時間 |
東京→東京 米原経由 | 東京→米原→金沢→東京 | 13,200円 | 14,800円 (東海道新幹線4,620円+特急しらさぎ640円+北陸新幹線2,640円+北陸新幹線6,900円) | 28,000円 | 6時間 |
東京→東京 京都経由 | 東京→京都→金沢→東京 | 14,080円 | 15,360円 (東海道新幹線4,960円+特急サンダーバード860円+北陸新幹線2,640円+北陸新幹線6,900円) | 29,440円 | 6時間30分 |
青春18きっぷ ※期間限定 | 東京→京都→敦賀→金沢 | 4,820円(2,410円×2) | 0円 | 4,820円 | 23時間 |
ということで、工夫をすると普通に往復するより760円ばかり安くなりますが、かつては3,000円以上安くなったことを考えると、コスパそのものの魅力はかなり低下しています(京都回りルートはむしろ単純往復よりも高くなりました)。
※特急料金は、北陸新幹線は指定席、東海道新幹線と在来線は自由席で計算しています。というのは金沢へ行く場合、かがやきに自由席が設定されていないので、自由席での計算は現実的ではありません。東海道新幹線のぞみには自由席があります。
※北陸新幹線を大宮で下車する場合、指定席特急料金は6,890円となり、多少安くなります。
※敦賀乗換あるいは米原乗換・京都乗換のどちらかは日をまたがないことを前提にしています。日をまたぐと新幹線から在来線特急への「乗継割引」が適用されなくなるケースがあります。
※京都乗換のケースでは、乗換利用に限り例外的に一筆書きを認めているケースに当たりますので、京都駅では構外に出られません。駅の外に出ると、乗換以外の目的があるとみなされ、「一筆書き」でないことにされ、別に料金が発生します。同じようなケースに塩尻-松本間などがあります。
※青春18きっぷは、東海道線で京都まで行くルートです。北陸新幹線ルートでは在来線が繋がりません。
ちなみに一筆書き切符で運賃が安くなるのは、JRの乗車運賃は距離が伸びれば伸びるほどコストパフォーマンスが良くなるルールになっているからです。ただし経路が途中で交差したり後戻りしたりすると無効になるというルールなので、経路を交差しない一筆書きにする必要があります。
東京→金沢→東京を一筆書きで回ろうとすると、選択肢が2つあります。
(1)琵琶湖の東側を通るルート:米原乗換で特急しらさぎ利用。
(2)琵琶湖の西側を通るルート:京都乗換で特急サンダーバード利用。
どちらのルートも敦賀-金沢間を北陸新幹線利用しなければならず、コスパは大きく低下しました。ただし観光的な目的があれば、まだまだ相当の付加価値を生み出すことはできます。たとえばルート2のほうでは、京都で途中下車して観光を楽しむ目的があれば、かなりコスパがよくなる印象です。(ただし京都に途中下車すると後戻りしたと見なされて一筆書きが適用されなくなり、一筆書きルートとは別に「山科→京都」の往復きっぷ380円を用意する必要があります。)
【応用】東京-京都往復なのに、金沢に寄ってみる
この理屈を応用すると、たとえば東京-京都を東海道新幹線で往復するだけなら26,640円かかりますが、余計に3,000円程度(北陸新幹線延長前は1,090円でした)出せば、一筆書きルートで金沢に立ち寄ることができます。かつてよりかなりお得感は下がりましたが、選択肢の一つとしてはあっていいかもしれません。
東京と敦賀も安く往復する?
ところで、敦賀まで北陸新幹線が伸びましたが、東京からならどのルートで敦賀に行くのがお得なのでしょうか。
種別 | 経路 | 乗車料金 | 特急料金 | 合計 | 所要時間 |
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東京-敦賀 往復(北陸新幹線) | 東京→敦賀 | 18,260円 (片道9,130×2) | 14,460円 (北陸新幹線7,230円×2) | 32,720円 | 7時間30分 |
東京→敦賀 往復(東海道新幹線) | 東京→米原→敦賀 | 16,060円 (片道8,030×2) | 10,520円 (東海道新幹線4,620円×2+特急しらさぎ640円×2) | 26,580円 | 7時間 |
東京→東京 米原経由 | 東京→米原→敦賀→東京 | 13,200円 | 12,490円 (東海道新幹線4,620円+特急しらさぎ640円+北陸新幹線7,230円) | 26,690円 | 7時間30分 |
東京→東京 京都経由 | 東京→京都→敦賀→東京 | 14,080円 | 13,100円 (東海道新幹線4,960円+特急サンダーバード860円+北陸新幹線7,280円) | 27,180円 | 8時間 |
青春18きっぷ ※期間限定 | 東京→京都→敦賀 | 4,820円(2,410円×2) | 0円 | 4,820円 | 21時間 |
というわけで、単純に東京と敦賀を往復するなら、今なら実は東海道新幹線で米原乗換するのが時間も値段も最もパフォーマンスが良かったりします。大宮あたりでも、時間は北陸新幹線のほうが1時間ばかり短くなりますが、値段は東海道新幹線経由の方が安かったりします。