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【栃木県足利市】足利織姫神社は恋人の聖地だが、足利城は山の奥

足利市の足利織姫神社に行ってきました。
織姫神社の背後に続く山道をさらに進むと足利城の跡に行けて、こちらは2012年5月と2020年10月に訪問しています。

さて、足利織姫神社は機神山の中腹にあります。

鳥居をくぐったら、階段が待ち受けています。

階段は229段あります。がんばりましょう。

階段の途中、ところどころに足利市の文化を示す様々な記念碑や銅像等が据えられています。足利氏の家系図には、歴代室町将軍や古河公方などのメジャー系列のほか、千葉県小弓を本拠地とした小弓公方=足利義明の系列もしっかり書き込まれていました。鑁阿寺に寄進した足利国朝が「喜連川公方」って書かれていて、興味をそそられます。「喜連川公方」ってメジャーな呼ばれ方なんでしょうか?

山腹にある梅の花は、見頃を迎えておりました(2018年2月)。

秋は、同じ角度から紅葉が見事なのです(2020年10月)

織姫神社の御祭神は、天八千々姫命と天御鉾命の二柱。もともとは伊勢で機織りに関わる神様だったのが、いわゆる織姫と彦星に習合していった感じです。

階段を登りきると、目の前に本殿が現れます。本殿は鮮やかな朱色を基調としていて、なかなか見事です。階段を登りきったという達成感を増幅させてくれます。

振り返ると、足利の街と渡良瀬川を一望できます。229段上ってきた甲斐がある、清々しい眺めです(2018年2月)。

秋は紅葉が見事ですね(2020年10月)。

ところで、2012年にも織姫神社に来ているのですが、その時とは境内の印象がかなり変わっています。というのは。

2012年にはこういう萌え幟がそこかしこに立っていたんですね。2008年に西又葵が描いたイラストで萌え米が話題になって以降、萌えキャラによる町おこしが盛んになっていた時期です。足利も萌えキャラで頑張っていたんですね。2018年訪問時には、神社境内からは萌え幟が消えてしまっていましたが、町中ではまだまだひめちゃんとたまちゃんは頑張っています。

境内には「恋人の聖地」の鐘が設置されています。七夕のロマンスにあやかるのと、機織りで縦糸と横糸が結び合わさるという連想から、足利織姫神社は恋愛パワースポットということになっています。
(2018年2月には修復工事中で鐘そのものは取り外されていましたが、2020年10月には工事完了していました。)

さて、2018年は神社に参拝してすぐに帰りましたが、2012年と2020年はここからさらに山の奥へ、足利城を目指して踏み入ります。

織姫神社から北の山一帯は自然公園として整備されていて、ハイキングコースとしてとても人気があります。織姫神社を起点とするハイキングコースを、足利城を超えてさらに進むと名草巨石群というパワースポットがあって、そこを目指すハイカーが多いのですが、私は足利城まで。

地図で見るとこんな感じ。足利城は織姫神社のほぼ真北に位置しています。

で、ゴツゴツした岩が露出する山道を進んでいくと、おっさんの声が響き渡ってきました。

断崖絶壁の岩の上で叫ぶおっさん。まあ、眺めがとてもいいので、ヤッホーの一つでも叫びたくなる気持ちは分からないでもありません。
で、こういうふうに岩が露出しているので、足利城とか金山城とか唐沢山城とか、関東の城には珍しく石垣が組まれるのかなと思いました。

細尾根の岩道をさらに進むと、足利城跡に着きます。

2012年に来たときは、手前の紅葉が新緑で輝いていましたが。

2020年は紅葉の見頃にやってきました。

本丸下の東屋から切り取られる風景が、なかなか趣深かったのでした。

案内板。足利城は両害山城とも呼ばれているようですね。源平合戦と戦国時代に機能したお城のようです。足利氏の勃興についても完結にまとめられていて、分かりやすいです。

縄張の様子が分かる案内板。

案内板。

本丸は、神社として整備されています。ところが2021年2月に山火事があり、全焼したとの報道がありました。驚きました。

美しい風景も灰燼に帰しているのでしょうか。被害が少ないことを祈ります。

足利城本丸跡から東方の足利市街を臨むの図。ここからの眺めを見る限りでは、ここに城を設置するのは地政学的に合理的な気はします。まあ、広域的な観点で見た場合、前橋や佐野ほどの地政学的重要性はないような気もしないではないですが、今と昔では川の流れや道筋が違っているから、一概には言えないんだよなあ。関東の戦国時代には、古河公方や上杉謙信等も絡んで、何度か争いに巻き込まれているようです。

さて、織姫神社の少し北は織姫公園として整備されていて、「もみじ谷」と名付けられたエリアは、名前の通り秋は見事に真っ赤になります。

谷を埋める紅葉。

見事ですね。

春は梅、秋は紅葉で彩られる織姫神社ですが、春も秋も境内でいちゃいちゃするカップルを横目に見ながら、足利を後にしたのでした。
(2018年2/26訪問、2020年11/18訪問)