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【福島県いわき市】白水阿弥陀堂と磐城平城

 福島県の浜通り、いわきにある白水阿弥陀にお参りしてきました。

 湯本駅には安定の顔出しパネル。いわきは「フラのまち」で売っていますが、今回はパスして、寺。

 タクシーに乗ったら、ラジオから夏の甲子園の中継が流れていて、ちょうど福島県代表の試合中でした。したら、タクシーの運ちゃんが「11年連続で福島なんだよね」って話しかけてきて、何を言われているかまるで分からずに首をかしげていると、「昔は磐城のが強かったんだけどね」と言われて、ようやく合点がいきました。福島県代表の話で、浜通りが中通りにずっとやられているのを嘆いていたのでした。県内で地域対抗意識が強いんですねえ。タクシーの運ちゃんがアロハシャツを来てハワイアンを演出していたのも印象的でした。

 白水阿弥陀堂は、平安後期の建物で、福島県内の建造物では唯一の国宝指定です。周囲を囲む浄土式庭園も美しく、たいへん落ち着く空間でした。室町以降の枯山水庭園の美に慣れていると、浄土式庭園の様式美には多少の違和感を覚えたりもしますが。

 で、阿弥陀堂の近くに炭鉱跡があるということで、ぐるっと歩いて廻ることにしました。

 「石炭の道」遊歩道の看板がありました。道が整備されているようですね。

 ウソでした。道は整備されていませんでした。草が生い茂り、足下はぬかるんでいます。樹も倒れて道をふさぎっぱなしです。本当に先に進んでいいのか?

 昭和30年代まで実際に稼働していた「通勤山道」は、もはやただの登山。革靴で突入するところではありません。Googleマップで見ると、道が途切れていました。が、実際にはちゃんと道が繋がっていましたので、これから行かれる方は安心して突入してください。

 ところで、高校野球で磐城と言われて連想するのは、ドカベン一年生の夏に決勝で戦った、いわき東高校の緒方勉くんですね。お父さんが出稼ぎでツルハシを振るったり、地元の鉱山が廃坑になったりと、高度経済成長を象徴するようなエピソードが満載でした。親父さんがラジオの高校野球中継で息子の活躍を聞き、涙を流しながらツルハシを振るう姿は、経済成長を最底辺で支えた人たちの象徴的な姿のように思います。

 いわき東高校は、実際に1971年に夏の大会に出場して決勝まで進んだ磐城高校がモデルになっています。さらに磐城高校のエースが、里中君のモデルなんだよね。そんなことを思い出しながら、通勤山道を登山。

 炭鉱地帯を抜けて、バスに乗って、いわき駅へ。いわき駅の駅前は、磐城平城の跡になっています。北口を出ると、既にかなり高低差があって、城の立地条件として恵まれていたことが分かります。

 が、本丸は私有地につき、入ることができませんでした。残念。イベントなどが開催されているときに限って入ることができるようです。

 本丸と二の丸を分断する堀は、公園として残っていました。高低差が激しく、かなり立派な堀です。さすが伊達氏への抑えとして機能することが期待されていただけのことがあります。いちど本丸に入っておきたいなあ。
(2017年8/10訪問)