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【北海道木古内町・松前町】木古内町郷土資料館と松前城

 北海道の木古内町と松前城に行ってきました。

 まずは2016年に開通したばかりの北海道新幹線、木古内駅へ。

 北海道新幹線の木古内駅には、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平顔出しパネルが木古内町キャラクターと共に設置されていました。新函館北斗駅にも大谷翔平顔出しパネルが設置されているのですが、一緒に並ぶ北斗市キャラクターはなかなか強烈です。参照:ずーしーほっきー公式facebook

 木古内駅前には道の駅があって、特産物を手に入れることができます。ここにある顔出しパネルもなかなか強烈。1831年に始まった「寒中みそぎ祭り」という奇祭なわけですが、1/15の津軽海峡に飛び込むって、死んじゃいそう。

 木古内駅から2kmほど西に木古内町郷土資料館があります。2011年に廃校になった鶴岡小学校を利用した資料館で、目玉展示は咸臨丸の碇です。本来の役目を終えた咸臨丸は、明治政府に接収された後は輸送船として第二の人生を送っていましたが、明治4年に木古内沖で沈没してしまいます。
 資料館には開拓民と本土を結ぶ様々な資料がある他、鉄道マニア垂涎の資料がたくさんあります。学芸員の方にいろいろ案内していただきました。体育館に、校歌の歌詞パネルが2つ飾られていたのが印象的でした。北海道にできた鶴岡小学校の校歌と並んで、開拓元の鶴岡の小学校の歌詞があったのでした。木古内は、山形県鶴岡市からの開拓民によって開かれた町で、姉妹都市になっていたんですね。北海道の歴史の一端を垣間見た気がしました。

 さて、木古内からバスに乗って松前へ。1時間30分かかります。北海道は広い。

 松前城の入り口。信長の野望だと、最後に勧告で落としちゃうから、実際に攻め込んだことはないなあ。

 松前城の案内板。天守閣は国宝だったのに、昭和24年に焼失というのは、本当に勿体ないことをしました。

 本丸から天守閣を臨む。現在の天守閣は鉄筋コンクリートによる再建ですが、現在は木造による復興を目指しているようですね。

 天守閣。

 松前城全景の模型。津軽海峡が目前です。

 そして松前には、菅江真澄が松前に上陸した沖ノ口番所があります。

 菅江真澄は江戸時代の旅行者ですが、同郷の三河出身で、しかも鵜殿兵庫之城がある牟呂生まれということで、何かと親近感があります。

 そんなわけで、はるばる蝦夷地までやってきた大先輩を思いつつ、松前を後にしたのでした。
(2017年8月訪問)

【北海道函館市】五稜郭と碧血碑に、戊申の涙を見る

 北海道函館市、五稜郭と戊辰戦役慰霊碑「碧血碑」に行ってきました。

 五稜郭タワーに登ると、城郭構造の全体像を見渡せます。地上にいても全体像を想像することが難しいから、ありがたいですね。

 函館奉行所。中は博物館になっていて、戊辰戦争関連の展示が充実しています。

 五稜郭タワー内にあった、往年の五稜郭全体像。鉄砲と大砲の時代に合わせた城づくりというコンセプトは分かるものの、素人に設計を任せざるを得ないというのは、幕末だから仕方ないところでしょうか。

 五稜郭を満喫した後は、路面電車に乗って函館岬の南端へ移動。函館は路面電車で移動するのが風情あります。

 函館山の東側麓には、函館護国神社があります。こちらには、官軍側の墓地があります。

 奥まったところにひっそりと。

 戊申戦役薩摩藩戦死者墓。箱館戦争では何かと旧幕府軍の悲劇の方に脚光が当たりがちですが、当然のことながら官軍の方にも大量の戦死者が出ているんですね。

 さらに函館山の東麓を南下して岬の先の方に向かうと、旧幕府軍側の戦没者慰霊碑「碧血碑」があります。

 昼なお暗い、山の中。ひっそりと建っています。

 碧血碑。当時は逆賊ということでひっそりと立っていたと思われますが、現在では熱心な土方歳三ファンなどが訪れ、コミュニケーションノートなども設置されています。

 案内板には、土方歳三の他、中島三郎助のことにも触れられていますね。題字を書いたのは幕府歩兵隊の大鳥圭介でしたか。なかなか感慨深いものがあります。

 幕末維新の動乱期に命を落とした人々に思いを馳せつつ、ラッキーピエロで巨大ハンバーガーを食して函館を後にするのでした。
(2017年8月訪問)

【長野県松本市】松本城と犬甘城

松本城と犬甘城に行ってきました。

松本城は、何回訪れても、感動します。アルプスの山々を背景に聳え立つ黒い天守閣は、惚れ惚れとする美しさです。素晴らしい。今回は三が日だったので、松本城も謹賀新年モードでした。

下から天守閣を見上げる。かっこいい。

見る角度によって姿を変え、受ける印象が様々に変化するのも松本城天守閣の見所ですね。これは北西側から見た天守。個人的には、南西側から見る形が一番好きです。

続いて、犬甘城へ徒歩にて移動。

犬甘城は、松本城の北西1.5kmほどのところにあります。現在は「城山公園」となっています。

縄張の図。私は南側からまず六ノ郭に登って、尾根伝いに北に移動し、一の郭に出ました。城の西側は奈良井川が削った断崖絶壁になっていて、天然の要害になっています。

一の郭全景。写真では比高差があまりないように見えますが、私が写真を撮っている場所は袖郭になっているところで、そこまでたどり着くのがけっこう大変。全体の防御力はかなり高い城のように思います。

六の郭には展望台が立っていて、松本市街を見渡せるほか、アルプスの山並みを眺めることができます。なかなか爽やかな気持ちになれるところです。

犬甘城を後にして、東に400mくらいのところに、正麟寺があります。ここにはマタ・ハリやジャンヌ・ダルクとも呼ばれた川島芳子のお墓があります。若い頃の華麗な活躍と、処刑で命を落とすという非業の死に、思いを馳せます。

さらに500mほど東に行くと、旧開智学校。道なりに歩いて行って裏側に出ました。1/3は残念ながら休館日で、中には入れません。開智学校には、土方先生と一緒に資料調査に行ったことが思い出されます。貴重なのは建物だけでなく、明治時代の教案等、文書史料が数多く残されていて、宝の山です。

そんなわけで、信州蕎麦を美味しくいただいて松本を後にしたのでした。
(2018年1月3日訪問)

【岡山県岡山市】岡山城と後楽園

岡山県に行く用事があったので、用事の隙を見て岡山城と後楽園に行ってきました。

個人的な感想ですが、外から見るだけなら、岡山城天守閣のカッコ良さは全国でもトップレベルです。特に旭川をまたいで臨む天守閣は、カッコいい!

後楽園の南側入口から川沿いに遊歩道があるのですが、先端にある桃太郎の像?あたりからの景色もとても綺麗。観光客はあまり足を伸ばさないポイントですね。

天守閣から本丸を臨む。まあ、天守自体は鉄筋コンクリートの復元なので、中はどってことないですが。普通に宇喜多家絡みの展示は充実しています。せっかくなので、天守の中にある甘味処で宇喜多サンデーを食べてきました。黍団子入り。

江戸から残っている月見櫓は国宝に指定されていて、とても味わい深いです。ほか、石垣は時代ごとに様々な容貌を見せてくれて、とても見応えがあります。きっと初心者からマニアまで楽しめる、いい城です。

後楽園にも行ってきました。ありがたいことに、早朝7:00から開園しているんですね。朝食前にぐるっと二周してきました。早朝の名園散歩は、とても気持ちいいですね。

後楽園から臨む岡山城天守閣も、たいへん味わい深いです。そんなわけで、朝のバイキングで岡山名物黍団子を食して、満足して学会にでかけたのでした。
(2017年10/8訪問)

【福島県白河市】白河小峰城が震災から復興中

 福島県の白河小峰城に行ってきました。以前にも訪れたことがあるのですが、様子はずいぶん変わっていました。まず、白河小峰城のシンボル、三重櫓に入れるようになりました!

 白河小峰城の三重櫓は、秀麗な姿をしています。気品を感じさせます。が、3年前は復興工事中でした。下の写真は2014年9月に撮影したものですが、白河駅から工事中の様子が見えます。三重櫓を工事用足場がすっかり囲み、巨大クレーンが作業しています。

 しかし3年経ち、見事に三重櫓復活。白河駅のホームからも、その勇姿を拝むことができます。

 うん、素晴らしい。
 が、まだまだ復興の道のりは遠いようです。訪れた時も、各所の石垣を積み直しているところでした。完全復活まで、あと半年はかかるようです。

 本丸から北側を見ると、石垣の斜面に足場を組んで、巨大なクレーン車が石を積み上げているところが見えました。今も復興作業が続けられている様子が分かります。

 城の北側には水堀もよく残っています。たくさんのおじさんたちが釣りを楽しんでいました。水堀越しに見る三重櫓も、かっこいいですね。

 城の東側の丘陵には、戊申戦役で亡くなった薩摩藩士の墓がありました。

 白河口の戦いは、大激戦でした。明治政府軍の死者も多かったようです。
(2017年9/5訪問)

 さて、今回は訪れなかったのですが、3年前には少し離れたところにある白川城にも行ってきました。白河小峰城は平山城ですが、白川城は山城です。本丸までは、ほぼ、ただの山登りになります。中世の城跡で、堀や曲輪の跡などを良好に観察することができます。

 が、地震の爪痕濃く、石碑や墓石が倒れたままになっていました。今はもう復旧しているのかな。

 南湖公園にも足を伸ばしました。

 が、南湖公園(江戸時代に作られた日本初の公園)の畔、南湖神社(御祭神は松平定信)の石碑や墓石も地震で倒れたままになっていました。こちらも、今は直っているのかな?

 白河藩主松平定信もびっくり。

 南湖神社に訪れたのは、大鳥居が復旧した後でした。いろいろなところを順番に直していっているのですね。3年前には宝物館は閉まっていましたが、今は再オープンしているようです。また行かなくては。

 小峰城のほうは、とても素晴らしい状態で復興されていました。鉄筋コンクリートではなく、木材で温かみのある作りになっています。

 お城の復興と言えば熊本城にスポットが当たる昨今です。熊本城の復興も心待ちにしていますが、福島のたくさんのお城が大打撃を受けて、現在進行形で復興の努力が続けられていることも広く知ってもらいたいなと思いました。
(2014年9/20訪問)