【愛知県刈谷市】於大の方ゆかりの椎の木屋敷

 愛知県刈谷市は私の故郷で、祖父の家が刈谷城のすぐ傍にありました。徳川家康の母親がここで過ごしたということも子どもの頃からよく聞かされていたもので、於大の方はここで生まれ育ったものだとすっかり思い込んでいましたが、実は衣浦湾を挟んだ対岸の緒川が成育の場だったと知るのはずいぶん後のことです。

 現在の刈谷城の東にある「椎の木屋敷」は、松平広忠(家康の父)に離縁された於大の方が、再婚までの間を過ごした屋敷です。現在は公園として整備されています。

 公園は西側に開けており、谷を挟んで刈谷城を臨めるほか、衣浦湾の向こうには生まれ故郷の緒川も見えるようなロケーションです。

 江戸時代には神君の母ゆかりの地ということで一般庶民がおいそれと足を踏み入れられるような場所ではありませんでしたが、明治維新で徳川の権威が地に落ちた結果、いまでは私でも簡単に立ち入ることができます。

 公園内には於大の方の石像もありますが、せっかく西側が開けていて生まれ故郷の緒川が臨めるロケーションにも関わらず、完全に反対側の東の方を向いております。

 刈谷の東は、もちろん岡崎です。
▼「椎の木屋敷跡」(刈谷市)
▼「於大の方の由緒の地 椎の木屋敷跡」(刈谷市観光協会)
(2023年1月訪問)