【感想】東京国立博物館『桃山―天下人の100年』

東京国立博物館で開催されている『桃山―天下人の100年』を観てきました。

国宝と重要文化財だらけで、お腹いっぱいです、眼福でした。素晴らしかったです。

これまでにも様々な機会を得て観てはいるのですが、やはり狩野永徳「唐獅子図屏風」と長谷川等伯「松林図屏風」が並んでいるのが圧倒的でした。松林図屏風は印刷や映像で観ると「ふーん」という感じなのですが、リアルサイズを前にすると雰囲気がまるで違ってきます。印刷や映像では伝わってこない奥行きと空気感は、先日見た菱田春草「落葉図」となんとなく印象が似ている気がします。こういうとき、美術品はナマに限るなあというのを実感します。

絵の他にも、陶器、刀剣、鎧兜、蒔絵、衣服、書など、絶品ばかりが勢揃いの、素晴らしい展示でした。なるほど、桃山というのは転換期だったんだなというのがよく分かります。
信長・秀吉・家康の筆跡が並んでいるのも、シャレていました。

彫刻だけが欠けているのは、どうしてなのか少し気になるところではありました。(まあ立体造形に関しては、城郭建築のものすごい大発展や方広寺の大仏などが即座に思い浮かぶのではありますが)。陶器の絶妙なラインと色彩にぜんぶ回収されたということでしょうか。

上野公園の木々も、色づき始めました。秋ですね。部活動でランニングする高校生に次々と追い抜かれながら、上野公園を後にするのでありました。