【教育学でポン!?】2020年1月8日

毎日様々なニュースが流れてきますが、教育学を修めた立場として、それらをどのように理解したか、主観的な感想と見解を述べます。あくまでも主観的です。

教育全般

2020年、教育の改革はどうなるか(ベネッセ教育情報サイト)

英語4技能とか記述式撤回とかで大騒ぎしているマスコミの浮ついた論調とは異なり、落ち着いて教育改革の全体像を示している。とはいえ、世間がそうは受け取らないことは、ヤフコメ欄の浮ついたコメントの端々から伺うことができる。まあ、利権が絡んでいることが疑われている状況では、仕方ないのではあった。いやはや。

大学入試制度のゴタゴタは今年の受験生にも影響「安全志向」「推薦入試」が増えた?(MBS)

記事内では「安全志向」が今年から始まったかのように書いているが、間違いで、実際には去年から始まっているのだった。しかも受験制度のゴタゴタが原因ではなく、「大学入学定員の厳格化」が原因だ。「推薦入試」の増加も、今年からの傾向ではないし、ゴタゴタとは関係がない。事情に詳しくない人がいい加減に書き散らかしたように見える。

18歳の学力は世界一、でもその後は…日本の大学教育の「ヤバい現実」(現代ビジネス)

文部科学省がどのように大学に圧力をかけているか現状をご存知ない方が狭い視野で適当に書き散らかしたいい加減な記事に見える。

大学入試国語、問題文の著者本人が自ら解いて気づいた「読解力」の本質(現代ビジネス)

「極端な話、著者なんかどうでもいい」とか、「そういうゲームだし、そういうゲームでしかない」とか、とてもクールで、よく分かる。ただ、分かっている人には言わなくても分かるし、分からない人にはいくら言っても分からない、という類の題材のように思うのだった。

中学受験本番目前、進学塾「サピックス」に訊く直前期~前日の心得。3学期は登校させるべきか?(Forbes JAPAN)

ここ15年くらいで、中学受験の圧力がどんどん増えてきている。良いか悪いかは別として、そういう状況を端的に示した記事ではある。記事の内容自体は、落ち着いていて、悪くない。

参考書おじさん参上 書店で受験生に助言 香林坊で週1回奉仕(北国新聞)

おもしろい人がいるものだなあ。

競争激化、工夫重ねる私立校 独自のプログラム、自由な雰囲気… 「選ばれる学校」模索(熊本日日新聞)

学校も個性を打ち出す時代。そう言われ始めてすでに20年以上経っているわけです。

プログラミング教育が必修化。大事なのは「国語力」だという意外な事実(lifehacker)

まあ、教育学的観点から言えば、意外でも何でもないことではあった。
→参考:プログラミング教育とは何か?(小学校篇)

心病むケースも…新任教諭の退職相次ぐ 1年内に全国で431人(西日本新聞)

心が痛む、とても残念なニュースだ。そして「残念だ」とか他人事のように言っている場合ではなく、私も教員養成に関わる当事者の一人として頑張らなければならない。教員養成段階でできることは、「問題を一人で抱えないで、他人と感情を共有し、頼ること」の意義と有用性を多面的な角度から繰り返し言い聞かせることだろうと思っている。実例と理論を交えて授業の中で伝えていきたい。

「同期は皆、目が死んでいた」新任教諭の息苦しさ 6時出勤、叱責続きの研修…(西日本新聞)

まあ、昭和な体質が残っているところの話は、個人的にもいろいろ聞く。立場上具体的な話は出せないのだが、絶滅してほしい。

「ぼくは失敗作だ」活発だった僕が不登校を経て「ワクワク」できるようになるまで(石井志昴)

不登校と「起立性調節障害」の関係が言及されている。これで苦しんでいる子ども(あるいは大人も含めて)は、とても多いのではないかと思う。法律も変わって、多様な形の学びがこれから増えていくはずなので、救われる人が増えるといいなと思う。教員養成の授業の中では、「教育にはいろいろな形がある」ということを学生たちに伝えていきたい。石井氏が言うような「遅れを取り戻せる」ような教育の形は、不登校の子どもたちだけでなく、本来はすべての子どもに保障していきたいものだ。