【要約と感想】岡田祥吾『英語学習2.0』

【要約】英語ができるようになるために決定的に重要なのは、自分に最適な学習方法を見つけることです。メタ認知とセルフモニタリングが大切です。学習法を効率化し、永続きする方法を選び、学習効果を実感しながら英語を身につけましょう。

【感想】著者本人はコンサル時代に身につけた「問題解決アプローチ」だと言っているけれども、私が専攻する教育学の文脈では、それを「メタ認知」あるいは「セルフモニタリング」という概念で説明する。目標を定め、自分の性向を分析し、方法を意識的に選択し、その効果を客観的に測定して、方法を微調整する。いわゆるPDCAサイクルを適切に回すためには、自分自身の適性を見極め、方法が最適化されているかを確認する視点が必要となる。それが「メタ認知」であり「セルフモニタリング」だ。それができる人間は、英語に限らず、目標さえ定まれば、自然と伸びていくに決まっているのだった。逆に言えば、力がつかないのは、目標が適切に定まっていないか、メタ認知ができていない可能性が極めて高いことになる。
そんなわけで、本書は本気で英語を身につけたい自発的な大人のための本であって、むりやり学習させられる受け身な学生向けの本ではない。

岡田祥吾『英語学習2.0』角川書店、2019年