【要約と感想】河村茂雄『アクティブ・ラーニングのゼロ段階―学級集団に応じた学びの深め方』

【要約】協同学習を表面的に取り入れるだけでは、子どもたちの学力は伸びません。本物のアクティブ・ラーニングを実現するためには、学級経営で「安定と柔軟性がある学級集団」を作らなければなりません。学級集団の個性に応じて、働きかけ方を変えていきましょう。

【感想】最新学習指導要領から「アクティブ・ラーニング」という言葉は跡形もなく消え去った。形式的で無意味な実践が横行してしまったからだ。
本書は、そんな形式的で無意味なアクティブ・ラーニングに陥ることを戒めている。本質は「学級経営」にあることを看破している。本質的な学びになるかならないかは、学級集団の質に決定的に依存しているのだ。だから、小手先の協同学習を導入するのではなく、本腰を入れて学級経営に取り組む必要があるということだ。
まあ、なるほど、確かに、というところではある。学級経営に関しては、同じ著者の「Q-U」理論が大いに参考になるわけだが、それはまた別の本で。

河村茂雄『アクティブ・ラーニングのゼロ段階―学級集団に応じた学びの深め方』図書文化、2017年