教育原論(保育)-13

前回のおさらい

・新教育運動の理論と人物。
・子どもの権利条約や障害者権利条約<人間の範囲の拡大。
▼小テスト1

今回の目標

・「生涯学習」と「持続可能な開発のための教育」について理解しよう!

生涯学習

・従来、教育とは大人になったら終了するものでした。「子ども/大人」の区別は、そのまま「教育/労働」の区別に対応していました。
・ところが20世紀後半以降、「労働」のあり方が大きく変化します。第二次産業(製造業)から第三次産業(サービス業)へ変化し、流動性と不確定性が高まります。
・本来は子どものもののはずだった「教育」を、大人にも広げていく必要が生じました。
・人生百年時代をどのように生きるか?

ポール・ラングラン

・フランスの教育思想家。1910年-2003年。
・著書『生涯教育入門』
・キーワード:1965年の成人教育推進国際委員会。
・名言:「教育は学校教育だけに終わらず、生涯を通じて行われる創造的なものでなければならない」

2006年教育基本法改定

(生涯学習の理念)
第三条 国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。

リカレント教育(recurrent education)

・一度学校を卒業して社会に出た人が、もう一度教育機関に入り直して教育を受けられるシステムや考え方のことです。

持続可能な開発のための教育

・これまでの教育や社会は、「生産と消費」を拡大させ、右肩上がりに発展することを前提に組み立てられていました。しかしそのような世の中には限界が見えつつあります。

持続可能な開発目標(SDGs)

・持続可能な開発目標(Sustainamle Development Goals)は通称「グローバル・ゴールズ」は、「ミレニアム開発目標(MDGs)」に代わる目標として、2012年にリオデジャネイロで開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)で議論が始まりました。
・2015 年9月に「持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」が国連で採択されました。
・貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動を呼びかけています。17の目標と169のターゲットがあります。

ESD(Education for Sustainable Development)

・国際連合は、2005 年から 2014 年までを「国連持続可能な開発のための教育の 10 年(UNDESD)」とし、ユネスコ主導のもとESDの重要性を提唱しました。
・ESDはEducation for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」と訳されています。
・今、世界には環境、貧困、人権、平和、開発といった様々な問題があります。ESDとは、これらの現代社会の課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組む(think globally, act locally)ことにより、それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと、そしてそれによって持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動です。
・つまり、ESDは持続可能な社会づくりの担い手を育む教育です。(出典:ユネスコ国内委員会)

▼小テスト2

復習

・20世紀後半から21世紀初頭にかけての教育の動きを自分なりにまとめてみよう。