【要約と感想】増田修治『「いじめ・自殺事件」の深層を考える』

【要約】学校や教育委員会のいじめ対応は、責任を逃れようとする的外れなものでした。子どもの現実を真剣に理解しましょう。

【感想】全体的に論点が散漫で、問題の焦点がどこ(制度論・教師論・学校論・現代社会論?)に合っているか見えにくく、最終的に何が言いたいのか分かりにくい本になっているが、いじめを本気でなくしたいという気持ちはよく伝わってくるのであった。
いじめ自体、どこに問題の焦点を合てていいかが見えにくく、教師が全方位で神経を張り巡らさないと解決できないようなものではある。本書からは、子どもの現実をなんとか理解しようと、あの手この手で様々な工夫をこらしている姿が垣間見える。本書の焦点がどこに当たっているか分かりにくいとしたら、著者のせいというよりも、いじめの本質に関わってくるせいかもしれない。

増田修治『「いじめ・自殺事件」の深層を考える―岩手県矢巾町『いじめ・自殺』を中心として』本の泉社、2017年