教育概論Ⅰ(中高)-1

栄養・環教 4/12
語学・心カ・教福・服美・表現 4/13

半年間の予定

・本講義は教員免許(中学・高校)取得に関わる授業であり、特に「教育」の原理・哲学・思想・歴史に関わる領域を扱います。
・中でも「教育基本法」の精神を理解することに重点を置きます。
・「教育基本法」を本質的に理解するために、教育の思想と歴史を学ぶことが必要となります。人の名前や教育理論がたくさん出てきます。
・学期末にテストを行います。スマートフォンや電子辞書等も含めて、あらゆるものが持ち込み可です。
・本講義は、100分の予習と100分の復習を前提に成立します。もし授業が分からない場合は、予習と復習が不足している可能性があります。
・課題が評価に含まれます。
・出席はmanabaでとります。

今回の目標

・「教育基本法」の存在を認識しよう!
・大昔の「教育」の姿を知って、現在の教育とずいぶん違っていたことを理解しよう!

教育って何ですか?

「教育基本法」の概要を把握しよう

・「教育基本法」には、日本の教育が目指す根本的な理念が示されています。日本の「教育」にとって一番重要な法律です。
・日本の教育の目的は「人格の完成」です。←つまり、知識をたくさん獲得することだけが目的ではありません。もちろん偏差値を上げて難関大学に入ったり、たくさん給料をくれる大企業に入ることが目的なのではありません。
・私たちが常識的に考える「教育=勉強ができるようになること」は、教育基本法に書いてある「教育=人格の完成」とはずいぶん違っているようです。常識が変なのですか?それとも教育基本法が変なのですか?
・では、「人格の完成」とはどういう状態でしょうか?
・そもそも「人格」とは何でしょうか?

教育って何ですか? 東洋古代篇

・私たちが考える「教育」は実はつい最近になってから始まったものであって、昔はまったく違う営みが行われていました。

・そもそも「育」とは何を意味している漢字でしょうか。

・そもそも「教」とは何を意味している漢字でしょうか。(あるいは「学」)

※「教」と「育」という漢字が持つイメージが、大きく離れていることに注意しましょう。そもそも「教」と「育」がつながって「教育」と呼ばれる言葉は、江戸時代までは一般的に使われるものではありませんでした。(例外=『孟子』)。「教育」という言葉は、明治時代になってから、educationの翻訳語として普及することになります。
・「教」や「学」にとって「うらない」がとても重要なことは、日本中世の教育(特に足利学校)で改めて確認します。

・参考「保」

教育って何ですか? 西洋古代篇

小テスト

・教育とは、先生から生徒に「知識」を授けるものではありません。
・ソクラテスの思想:無知の知産婆術
※無知の知:「知らない」ということを知っている。
※産婆術:対話相手の内部に眠っている知恵を出産させる技術。
→教育とは、自覚していない知恵や才能を引き出す技術です。

・プラトン 哲人政治・イデア論・アカデメイア
・アリストテレス 万学の祖・リュケイオン

復習

・「教育基本法」を熟読吟味しよう。
・「教育」とは何かについて、古代東洋と古代西洋の考え方を踏まえて、自分のこれまでの常識を捉え直そう。
・次の記事を読んでおこう。
ソクラテスの教育思想―魂の世話―
プラトンの教育思想―善のイデアを見る哲学的対話法―

予習

・自分が「子供」なのか「大人」なのか、考えよう。
・どうしてそう考えたのか、判断の根拠や理由についてもまとめておこう。