【紹介と感想】石戸奈々子『子どもの創造力スイッチ!』

【紹介】21世紀に必要な「学び」とは、教師から一方的に与えられる知識を大量に詰め込むことではなく、多様な他者と協働しながら創造性を発揮する「力」をつけることです。この「創造力」を育むためには、子どもたちの自主性を尊重する「場」を用意して、ITCを活用しながら、大人たちが子どもの活動を温かく見守っていかなければなりません。本書は、そういう国内外の「場」や多彩なワークショップ、そこで行なわれている多様な実践を数多く紹介しています。

【感想】子どもたちが楽しそうに活動している写真がたくさん載っていて、見ているだけでホッコリする。紹介されている海外・国内の様々で多様で工夫された実践は、どれもこれも楽しそうだ。自分が子どものときにこういうワークショップがあったら、喜んで参加しただろうなあ。

まあ思い返してみれば、自分が子どものころには豊田理化学研究所が運営する「発明クラブ」という組織が地元にあって、木や金属やモーターなどの工作材料をかなり自由に与えてくれて、勝手にいろいろ工作したものだった。タミヤのモーターやギヤボックスセットには、本当にお世話になったものだ。ちなみに現在の発明クラブでは、「ロボットプログラミング体験講座」なども開催しているようだ。自分が子どもだったら、きっと喜んで参加したんじゃないかなあ。
ここで得た「ものづくり」の経験は、確かに今でも自分の力になっているような気がする(実証はできないけども)。現在のITCを活用した取り組みは新しいもののように見えつつ、昭和から存在していた「ものづくり」を応援する取り組みの延長にあるものなのかもしれない。この伝統は大切にしていきたいと思った。

石戸奈々子『子どもの創造力スイッチ! 遊びと学びのひみつ基地CANVASの実践』フィルムアート社、2014年

「CANVAS―遊びと学びのヒミツ基地」webサイト
「刈谷少年少女発明クラブ」webサイト