教育概論Ⅱ(栄養)-10

▼11/20

前回のおさらい

・学力の再定義:コンテンツ(知識)からコンピテンシー(能力)へ
・学力の三要素=(1)コンテンツ(2)コンピテンシー(3)ソフトスキル
・社会に開かれた教育課程

学習指導要領総則4頁:カリキュラム・マネジメント

・最新学習指導要領を理解する上で決定的に重要なキーワードの一つが「カリキュラム・マネジメント」です。
・「社会に開かれた教育課程」が学習指導要領の理念を表すとすれば、「カリキュラム・マネジメント」はそれを実現するための具体的な手段と方法です。

各学校においては、生徒や学校、地域の実態を適切に把握し、教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと、教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと、教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して、教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする。(4頁)

・そもそも「マネジメント=経営」とは?
・カリキュラム・マネジメントの3指針
(1)教科横断的な視点で教育課程を編成する。
(2)教育実践の質の向上のためにPDCAサイクルを確立する。
(3)実践を可能とする資源(人・金・物・時間・情報)を確保する。

学校運営とカリキュラム・マネジメント

・カリキュラム・マネジメントを効果的に実行するためには、その前提として「学校運営=スクール・マネジメント」が成立していなければなりません。

各学校においては、校長の方針の下に、校務分掌に基づき教職員が適切に役割を分担しつつ、相互に連携しながら、各学校の特色を生かしたカリキュラム・マネジメントを行うよう努めるものとする。また、各学校が行う学校評価については、教育課程の編成、実施、改善が教育活動や学校運営の中核となることを踏まえつつ、カリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するものとする。(11頁)

・学校運営の3ポイント。
(1)校長のリーダーシップ。
(2)組織作り。
(3)学校評価。

目標の再検討

・「社会に開かれた教育課程」の理念を意識しながら「育成すべき資質・能力」を設定する。
・学力の三要素を踏まえる。

組織作り

・「校務分掌」に基づきすべての教職員が役割分担する。
・校長がリーダーシップを発揮する。

教科等横断的な視点

・「教科」をコンテンツとしてではなく、世界を見たり生活を豊かにするために「手段」や「道具」として考える。
・総合的な学習の時間を中心に構想する。
・教科教えるのではなく、教科教える。

PDCAサイクル

・そもそも「PDCA」サイクルとは。
・重要なのは「C」と「A」の具体的なありかた。
・「C」に利用する資料としての「全国学力・学習状況調査」。
・「A」を実現する組織作り。

資源の確保

・資源=人・物・金・時間。
・学校の最大の資源は「人」。教師の指導力の増強そのものがもっとも重要。
←校内研修の充実。研修に参加しやすい環境づくり。
←チーム学校、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)。
・時間のマネジメント←働き方改革。

学校評価

また、各学校が行う学校評価は、学校教育法第 42 条において「教育活動その他の学校運営の状況について評価を行い、その結果に基づき学校運営の改善を図るため必要な措置を講ずる」と規定されており、教育課程の編成、実施、改善は教育活動や学校運営の中核となることを踏まえ、教育課程を中心として教育活動の質の向上を図るカリキュラム・マネジメントは学校評価と関連付けて実施することが重要である。
学校評価の実施方法は、学校教育法施行規則第 66 条から第 68 条までに、自己評価・学校関係者評価の実施・公表、評価結果の設置者への報告について定めるとともに、文部科学省では法令上の規定等を踏まえて「学校評価ガイドライン」(平成 28 年3月文部科学省)を作成している。同ガイドラインでは、具体的にどのような評価項目・指標等を設定するかは各学校が判断するべきことではあるが、その設定について検討する際の視点となる例が12 分野にわたり示されている。カリキュラム・マネジメントと関連付けて実施する観点からは、教育課程・学習指導に係る項目はもとより、当該教育課程を効果的に実施するための人的又は物的な体制の確保の状況なども重要である。(総則編解説118-119頁)

・「評価」のあり方がPDCAサイクルの質を規定します。

復習

・「カリキュラム・マネジメント」という概念を自分なりに熟成させよう。

予習

・学習指導要領5~8頁を読み込んでおこう。