■新松戸キャンパス 6/23(金)
目次
前回のおさらい
・人格の完成:自己実現
・義務教育の思想。
・自由の落とし穴。
義務教育の思想(つづき)
思考実験:働いたら負け
・働いていない人ほどお金儲けができる?
・ワーキングプア:働けば働くほど貧乏になる?
・労働力は、売るよりも買う方が得?
・労働力を買うには、生産手段(土地や工場)がなければならない。
・生産手段+原材料+労働力→商品
・モノの価格は市場原理(競争)によって決まる→労働力の価格も市場原理(競争)によって決まる。
・努力すればするほど悪循環に陥るのはなぜか。←競争する相手を間違えている。失業者問題。
・最も安いのは、子供の労働力。→児童労働の発生。
・児童労働を防ぐにはどうしたらよいか???←誰もが自由で平等だったからこそ児童労働が発生してしまったのであって、もはや形式的な自由権では対処不可能。
社会権としての教育
*社会権:形式的に自由が与えられるだけでなく、全ての人が実質的に自由を使いこなすことができるように、強者に対してハンデを設け、弱者に対して様々なアドバンテージが与えられる。生存権、労働基本権、教育を受ける権利。
・たとえば、最低賃金や労働時間の設定、労働組合の結成等により、成人の労働環境が守られ、児童労働の自然発生を抑制することができる。
・児童労働の撤廃に向けての具体的な動き。
・誰が責任を持つのか?←「国家」の積極的な関与。
コンドルセ marquis de Condorcet
・1743年~1794年、フランス出身。
・愛称:公教育の父。
(1)子供の学習権。
(2)教育費無償。
(3)ライシテ:政治的中立や宗教的中立。
ロバート・オーエン Robert Owen
・1771年~1858年、イギリス出身。
・キーワード:性格形成学院。
・工場法の展開
1802年 | 徒弟の健康と道徳に関する法律制定。 |
1819年 | 繊維工場では9歳以下の労働禁止。16歳以下は1日12時間以内に制限。 |
1833年 | 12時間労働。9歳未満の労働禁止。13歳未満は週48時間。 |
1844年 | 女性労働者の労働時間制限。 |
1847年 | 若年労働者の労働時間を1日10時間に制限。 |
1870年 | 教育法制定。公費による学校設立。 |
復習
・自由が拡大すると格差も拡大する理屈について押さえておこう。
・「社会権」の意義について押さえておこう。
・「義務教育」が成立する過程について、理論と実践の両面から押さえておこう。
予習
・労働と教育の関係について考えてみよう。