【要約と感想】プラトン『ソクラテスの弁明・クリトン』

【要約】ソクラテスは処刑されました。頭がいい人たちから嫌われてしまったためです。なぜ嫌われたかというと、彼らがまったく頭が良くないことを自覚させてしまったからです。みんな「正義」とか「愛」については何も知りません。彼らは自分だけは世界の秘密を知っていると思い込んでいましたが、やはり勘違いに過ぎず、実際には何も知りませんでした。ソクラテスだけが「自分は何も知らない」ということを知っていたのでした。
そうして裁判の結果、ソクラテスは処刑されることになりましたが、その裁判の結果に進んで従いました。

【感想】何回読んでも、すげえな、としか。さすが、古典中の古典。芸術的な完成度も高いし、ソクラテスの卓越したブレないキャラクターの魅力はハンパないし。

で、やっぱり私たちも、ソクラテスに死刑判決を言い渡すんだろうなあと。何回も殺すことになるんだろうなあと。共謀罪が成立した日に思う。

プラトン/久保勉訳『ソクラテスの弁明・クリトン』岩波文庫

→参考:研究ノート「プラトンの教育論―善のイデアを見る哲学的対話法」