「滝」タグアーカイブ

【茨城県大子町】袋田の滝に行ったら、ぜひ月居城にも登りたい

 茨城県の「袋田の滝」に行き、ついでに月居城に登ってきました。

 まず月居城を目指します。というのは、袋田の滝から月居城へは急激な上り坂で、行くのがとても大変だからです。月居城から滝へは下り道が多く、らくちんなのです。
 で、袋田の駅から、月居城の登山道入口までタクシーで向かいます。1,500円くらいかな。登山道入口は旧道にあって、旧道入口に「通行止め」と書かれた車止めがあったのですが、タクシーの運転手は気にせずに車止めの脇をすり抜けて旧道をがりがり登り、登山道入口まで連れて行ってくれました。

 登山道入口まで車で来られると、かなり楽です。行程をGoogleマップで確認すると上図のような感じで、駅で配布していたハイキングマップでは下図のような感じです。地図下部の「月居山登山口」までタクシーで、その先の緑色の部分が今回の徒歩行程部分です。

 登山口から緩やかな道を北東方面に登ると、まず「月居峠のたたかい」があった場所に出ます。

 水戸天狗党はここで敗れて西へ向かったということか。月居峠の戦いの様子は、こちらの記事「天狗党西上大子で戦う」に詳しいですね。
 現在の峠には、当時を偲ぶよすがは何も残っておりません。

 峠を越えると少し広い場所に出て、月居観音堂が見えます。ここから道が四方向に分かれ、袋田の滝に繋がる道と月居城に向かう道がありますが、まずは城に向かいます。

 三叉路には城の説明板が立っております。

 うっすらと雪の残る道を上ると、崖が迫ってきます。足だけで登ることはできず、ロープを頼りに登っていくこととなります。足を踏み外すと、えらいことになります。鎧を着たまま、どうやって登ったんだ?

 厳しい斜面をなんとか登りきると、本丸に出ます。

 山頂には月居城の由緒を示したモニュメントが建っています。佐竹氏の部下が治めていた城でしたが、佐竹氏の秋田転封に従って廃城となった模様です。
 曲輪の跡は比較的良好に残っているように見えました。

 上の写真は、二の丸から本丸を見た図です。本丸が少し高く造成されているのが分かります。周囲は絶壁となっていて、そうとう守りは固かったように思います。

 さて、城跡を満喫したら、もと来た絶壁を恐る恐る降りて、袋田の滝に向かいます。途中で「月居観音堂」に登ります。

 階段等が朽ち果てておりますが、眺めは良好です。絶景。
 ここから袋田の滝への道が、けっこうな急峻です。下りが多いのですが、勾配が急なので、翌日は筋肉痛になりました。袋田の滝から月居城に向かうのは、登りばかりで、かなり大変だと思います。

 途中で「生瀬の滝」に向かう分かれ道があります。せっかくなので寄っていきましょう。

 まるで蜀の桟道のようです。

 遠くに「生瀬の滝」が見えます。秋はとても良さそうですね。

 袋田の滝に向かう道の途中で、大岸壁が目に入ります。袋田の滝の対面側にある石壁です。袋田の滝からは見えない景色で、このハイキングコースを通る人だけが堪能することができます。いやあ、すごい景色なのですが、写真だと凄さが分からないなあ。あの絶壁具合は、なかなか他で見ることはできない気がします。

 しばらく行くと、袋田の滝を上から眺め下ろす場所に出ます。こちらも写真では凄さが伝わりにくいのですが、たいへん良い景色です。

 天狗岩等の景勝地も抜け、袋田の滝の麓まで来ました。この時点で既に他に類のない景色となっておりますが、まだまだ序の口です。

 トンネルを通ってエレベーターで昇って観瀑台に出ると、まさにセンス・オブ・ワンダー。絶景が広がります。いやあ、すごい。このパノラマ感は、写真だと絶対に伝わりませんね。日本には他で見られない、ここだけの特別な光景です。

 袋田の滝はテレビの映像などでも何度も見ていて「こんなもんだろう」と先入観がありましたが、ぜんぜん違います。これは生で見てみないと分からない凄さですね。圧倒的です。

 さて、袋田から電車でひとつ北の駅が常陸大子ですが、改札から出て右手に銅像が建っています。根本正という人の銅像です。

 地元の人でもどんな人か認識していなかったのですが、明治教育史を専門的にやっていると、ちょくちょく出くわす人です。国会議員となって教育法制に尽力した人で、未成年者飲酒禁止法や未成年者喫煙禁止法の成立に貢献しています。明治初期は、子どももけっこう平気で酒を飲んだり煙草を吸ったりしていたのですが、この人の活躍で法的に禁止されるようになったんですね。他にも国語改革など、教育関係の国会議論ではよく顔を出します。

 地元では、「水郡線開通の功労者」として顕彰されているんですね。

 そんなわけで自然の美と人間の仕事を堪能して、常陸大子をあとにするのでした。紅葉の綺麗な季節にまた来たいですね。
(2019年2月訪問)