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【山形県山形市】山形城と博物館3つに幕末維新の困難を見る

 山形城は戦国時代に最上義光が整備した城で、日本百名城の一つにも数えられています。めちゃめちゃ広大な敷地面積の平城です。

 山形城というと、まず有名なのは最上義光の騎馬像です。騎馬像は数多くあれども、躍動感に溢れているという点では一番だと思います。格好いい。
 銅像の説明で「鎧兜は時代考証にとらわれず表現した」と言い切っているところも、すごいのであります。

 ちなみに城の東側にある最上義光歴史館前の広場にも銅像がありますが。

 こちらは文化人としての側面を強調した出で立ちになっております。騎馬像との落差が激しいですね。

 最上義光歴史館は、入場無料です。

 義光の生涯と最上家の歴史の他、山形城の特徴についても知ることができる、充実した博物館です。最上家が鎌倉時代から続く名門であることがよく分かります。

 が、この最上家、せっかく義光の時代に超巨大勢力まで成長したにも関わらず、跡継ぎ争いのせいで1622年に改易されてしまいます。
 最上家改易後の山形には代わる代わる大名が配置されることになりますが、57万石を誇った最上氏ほどの実力を持った大名はおらず、超広大な面積の山形城を維持管理することができなくなっていきます。

 明治維新時の様子の一端を、城の南東にある豊烈神社に伺うことができます。

 豊烈神社は幕末時に山形藩の藩主であった水野氏と明治維新時の殉難者を祀っている神社です。鳥居脇に水野三郎右衛門元宣の銅像があるのですが、この説明パネルがなかなかふるっています。

 戊辰戦争の際、山形藩が薩長側について、庄内藩と衝突し、ボロ負けしたことが記されています。
 それにも関わらず「改革後山形市が米沢・新庄の大藩をさしおいて県庁所在地となり」と誇らしげに書いてあることに、「庄内」について触れていないことなども含めて、違和感を抱かざるを得ないわけです。
 山形県の県庁所在地が鶴岡でも米沢でもなく山形である理由は、明治維新の性質を考える上で一つの材料になります。

 さて、最上義光歴史館のほう(東)から城に向かうと、JR東北本線とお堀を越える橋の向こうに、東大手門が復元されています。かっこいい。

 この東大手門の櫓には、入ることができます。

 さらに長屋門の中を通って、歩いて反対側に出ることができます。大興奮。

 二の丸をしばらく行くと、本丸に入る橋と門が見えてきます。こちらも復元されています。

 お堀も石垣も、たいへん立派です。
 ただし本丸は荒れたままになっています。現在本丸御殿の調査が行われていて、掘立柱建物や礎石の跡が確認されているようですが、明治以降の削平によって多くの痕跡が失われているようです。今後の発掘調査の成果に期待したいです。

 二の丸の南東側には、県立博物館があります。

 この博物館の目玉は、なんといっても国宝に指定された縄文時代の土偶「縄文の女神」です。先日、実物を東京国立博物館の縄文展で見てきたところでした。(特別展「縄文―1万年の美の鼓動」に行ってきました)。
 一緒に出土した土偶破片の展示なども充実しておりました。

 山形県が縄文の女神に誇りを持っているだろうことは、JR山形駅西口広場にあるベンチの造形からも分かりますね。

 訪問したときには幕末以降の歴史展示が準備中で見られなかったのが残念でした。特別展では明治150周年記念展示を行っていたようですが、その案内によると「新庄藩戸沢家・庄内藩酒井家等の一藩一家による長期的な単独支配地域と、村山地方のように幕府領・旗本領などの交錯した地域とが混在した状態から、戊辰戦争、奥羽越列藩同盟の成立と瓦解等動乱の時代を経て、「統一山形」に至るまでの複雑な過程を紹介」となっていて、幕末維新期は本当に大変だったことが分かります。個人的には三島通庸についての見識を深めたいところでした。
 また米沢と庄内の知見を深めながら、個別に勉強しよう。

 さて、さらに二の丸を南に進むと、山形市郷土館があります。こちらの建物が素晴らしい。

 明治初期に建造された擬洋風建築で、病院として利用されていた者のようです。展示は、主に近代医療関係のものが充実しています。

 そして、この中庭がとても良かったのです。

 禅様式の枯山水的な中庭と擬洋風建築のミスマッチが、なんとも言えない絶妙な味わいを醸し出しています。こういう場所は、他になかなかないように思います。

 二階に上がる階段も、他に見たことがないとても不思議な構造をしていて、興奮しました。残念ながら三階と四階に上がる螺旋階段は封鎖されていましたけれども、下から見上げるだけでもなかなかの風情でした。いい建物です。

 そんなわけで、山形名物「冷やしラーメン」に舌鼓を打ち、山形市を後にするのでした。
(2018年8月訪問)

【ガンダムのいる風景】山形のラーメン屋で壁一面のモビルスーツを見た篇

山形にガンダムがいました。

山形駅を昼前に降り、山形名物の「冷やしラーメン」を食そうとラーメン屋に入ったのですが。

冷蔵庫の脇にザクがいました。

ザクⅡです。足下に栓抜きが転がっています。

ぎょっとして店内を見回すと、壁一面にモビルスーツが。

ガンダムとかガンキャノンとかガンタンクとかジムとか、グフとかドムとかズゴックとかジオングとかが並んでいます。箱に入ったままのMSもずらっと並んでいます。

パンダの下にもモビルスーツ。

ミニカーの下にもモビルスーツ。

錚々たるコレクションを眺めながら山県名物「冷やしラーメン」とギョウザのセットを美味しくいただいたき、山形城へ向かうのでした。

ガンダムがいたのは「ラーメン&カレーアッキー」。JR山形駅から駅ビルの中を通って行けます。

冷やしラーメンは、具の焦しチャーシューとの取り合わせも見事で、食がさくさく進みました。美味しかったです。
冷やしラーメンの他、もやし盛り盛りの辛子味噌ラーメンも名物のようです。冬に山形へ行いくことがあったら、今度はこっちを食べよう。
(2018年8月訪問)