「日々随想」カテゴリーアーカイブ

【教育学でポン!?】2024年2月12日

久しぶりに読書が進んでいます。
【本日の歩数】3029歩■引きこもり。

ICT

■1校上限1000万円、文科省「DXハイスクール」1000校指定で理数・探究を強化 背景に「デジタル・グリーン成長分野」人材育成(education×ICT)
狙いと必要性は分かります。が、問題の本質は社会全体の構造にあるので、学校を餌で釣るやり方でどこまでうまくいくか。

いじめ

■2カ月97人相談「福岡県いじめレスキューセンター」、第三者支援に強いニーズ 学校と保護者の膠着状態を解くカギとなるか?(education×ICT)
いじめが解決されるべき重要な教育課題であることは当然としても、一般的に言えば、子どもだけでなく大人のほうも「成熟した市民社会における個人主義に立った人間関係の構築」ができているとは言いがたい状況だと思うのですよね。その未熟な人間関係から生じる不幸な現象をすべて「いじめ」とラベリングするのもどうかな、というところです。

校則

■[三ない運動問題] 熊本県立矢部高校の取り組み#3【高校年代から安全意識を醸成】(YOUNG MACHINE)
事故が起こった時の責任を考えると最初から問答無用で禁止するほうがラクチンなので、OKにしているところは逆にそうとう指導に力が入っていると考えていいのでしょう。

■「校則、生徒の声反映を」 岐阜の教員団体、県教委に要望提出(毎日新聞)
校則見直しを一時的な流行に終わらせないためには、改正の段取りを制度化するところまで持っていく必要があるでしょう。

不登校

■学校に抵抗感…生徒らに「他者と接する場」 元中学教師 移住先北海道でフリースクール(共同通信)
どんな形でもまずは社会との繋がりを保つことが大切で、重要な機会を提供している場になっていると思います。

学校

■大規模校の確保を 高校再編問題で意見交換 バカロレア校については意見分かれる 富山(チューリップテレビ)
立場によって関心の重点が異なり、まったく利害が一致しない様子です。

■道徳教育の重要性を再確認 全国道徳祭2024in柏/千葉県柏市(チバテレ+)
■優秀な道徳教育に取り組む小中学校を表彰 岐阜県道徳教育奨励賞(岐阜新聞Web)
広い意味での道徳は確かに教育上極めて重要なのですが、狭い意味での道徳原理主義に陥るといろいろ変なことになりますので、バランスが大切です。

■男性教師が実感した学校教育では足りていない「生理」についての正しい知識(NewsCrunch)
「生理」についてはだんだん学校教育の範囲で扱おうという雰囲気が醸成されてきていますが、次のタブーは「性交・妊娠・出産」で、最後に「性欲」ですかね。

高等教育

■「公用語を英語にするべき」と吉村知事 大阪公立大の国際競争力強化 春入学廃止・全学生が秋入学へ 課題は入試と就職(関西テレビ)
まあ、それぞれの大学にそれぞれ固有のミッションがあってもいいのでしょう。が、それは一個人の思いつきに基づくものではなく、教育学的なベースがあるべきだとも思います。

教育全般(国内)

■罪を犯した少年の再教育を担う『法務教官』西日本最大級の少年院・加古川学園で少年たちに向き合う教官「最後のよりどころ、そこで彼らが変われるかどうかは私たち次第」(MBS NEWS)
本人の資質というよりは、多くは環境次第なんですよね。

【教育学でポン!?】2024年2月11日

買い物以外は家で読書。
【本日の歩数】2515歩■引きこもり。

働き方改革

■地域移行、文化部も…上尾市、市立小中学校対象の「英語クラブ」設立へ 英会話特化の部活動移行は全国初(埼玉新聞)
部活動地域移行の観点からの記事でしたが、実は民間の習い事の代わりという側面もあったりするのか。

ICT

■発達障害の子の特性「体験できるVR」気になる実力、合理的配慮への近道なるか 日々体感している困難さや辛さはどんなものか(education×ICT)
VR技術を活用して「感覚の共有」ができるのが強みかと最初は思ったのですが、その先の「意見の共有」がやはり大切だという内容でした。

学校間接続

■「学習塾」に通う小学生は4割弱 理由は「学校の授業だけでは不安だから」が最多 逆に塾に通わせていない家庭の理由は?(まいどなニュース)
本当に公教育が劣化していて保護者が不安に思っているのか、あるいは民間教育産業が各家庭の不安を煽った結果と見るのか。

■「東大合格はいくらで買える?」都市部で過熱する“課金ゲーム”に違和感も(日刊SPA!)
課金ゲームになっているのは教育そのもののせいではなく、競争を煽る資本主義の仕組みに基づくので、教育の仕組みをいくら変えてもまったく無駄なのです。

■お受験と子どもの成長 【馬場典子 コラムNEWS箸休め】(OVO)
おつかれさまでした。でもまあ、お受験以外の経験でも同等(あるいはそれ以上)の成長はできるでしょう。

■「いち早くスタートラインに」 中学受験を目指す小学生対象 甲斐ゼミナールの進学説明会(UTYテレビ山梨)
まあ、ここでいち早くスタートラインに立ったとして、人生全体で見れば大したことはないのでしょう。

学校

■新年度に向け「学級納め」大切な訳、フリーランスティーチャー田中先生の実践 次の学年にどう子どもたちを引き継ぐのか(education×ICT)
なるほど、「学級開き」の大切さは様々な場面で強調されますが、「学級納め」は軽視されているような印象があります。大事な観点ですね。

■名古屋市教委、教員団体から金品授受 「20年以上前から」証言(毎日新聞)
■名古屋市教委、校長会などから“金品”受け取る 河村市長「近く調査チームを設置」(日テレNEWS)
■校長会などから毎年200万円超が市教委に…河村たかし市長が激怒、ネットも厳しい声「使い道は?」(中日スポーツ)
これはダメでしょう。

■総合の時間で地域交流 開成南小学校3年生〈南足柄市・大井町・松田町・山北町・開成町〉(タウンニュース)
■【高知】小津高の生徒ら《探究学習》の成果発表会、ニッポン高度紙工業など企業も参加(高知さんさんテレビ)
学校で学んだことを外部に向けて発表・プレゼンするのは大きな成長のチャンスです。準備する先生のほうは大変ですが、効果があると信じてやりましょう。

高等教育

■吉田寮には人間育む「文化」、代替できぬ 京大側は立ち退き要求(毎日新聞)
良いか悪いかは別として、現代の個人主義ベースの生活では考えられない環境が残っていることは間違いありません。

【教育学でポン!?】2024年2月10日

採点も終わり、かなり落ち着きました。
【本日の歩数】2631歩■引きこもり。

働き方改革

■中学校の運動部活の未来は?「過剰に肥大化」「地域任せは本末転倒」 教育者やプロ野球選手ら議論(京都新聞)
中体連のシンポだということに注意しましょう。なぜ働き方改革に逆行するような質疑が出るのか、見当がつきます。

ICT

■埼玉県が仮想空間に若者の居場所作りへ…アバターで会話やイベント参加、孤独感や悩みの解消に(讀賣新聞オンライン)
政令指定都市のさいたま市ではVRを活用した不登校対応が始まっており、県のほうでも負けじと積極活用という感じでしょうか。

■「オンラインの居場所」で交流 三重県内の不登校中高生 好評で来年度も(夕刊三重電子版)
各地でVRを活用した実践が始まっています。

インクルーシブ教育

■まずはお互いを知る機会を――インクルーシブ教育を目指す、障害当事者たちの声 #令和の人権(Yahoo!ニュースオリジナル特集)
いろいろと刺さる記事です。言い訳をすると、民主主義社会における公教育の原理から考えればインクルーシブ教育は当然実現されるべきものなのですが、資本主義の論理によって「競争」の原理が持ち込まれたとたんにあらゆる歯車が狂い始めます。

学校

■小中学校の授業を5分短縮、年間で計85時間を弾力的に運用へ…各学校の裁量で自由に(讀賣新聞オンライン)
なるほど、そう来たんですか、へー、という感じです。抜本的な教育課程編成の自由を与えるものではないので、学習内容の削減(あるいは学習指導要領の法的拘束力解除)が伴わないのであれば、また学校の負担だけが増えます。

■【追跡】小学校「スキー学習」必要?必要ない? 「楽しい」「チャレンジする力がつく」一方、授業のためだけに数万円負担も… 北海道の子どもと保護者のホンネ(北海道ニュースUHB)
素朴な疑問ですが、毎年やることが決まっているならレンタルじゃいけないの?

高等教育

■大阪公立大学、2027年度から秋入学一部導入へ(日本経済新聞)
英語公用語化の話だけセンセーショナルに知れ渡ったようですが、決定事項ではありませんので、まず重要なのは「秋入学」のほうですかね。

幼児教育

■保育士の性暴力記録を一元管理 施設側、採用時に確認義務(共同通信)
その一方で国は無資格でも働けるように規制緩和をどんどん進めているので、無資格者をスルーしてしまうこのシステムに実効性が本当にあるのかどうか疑わしいところではあります。

教育全般(国内)

■「叱らない子育て」に悩む親たち 叱りが必要なのはどんな時か、言葉かけのポイントも(AERA dot.)
まあ、大人には大人の都合があるからいつでも理想通りにできるとは限りませんが、そのときは「大人の方の都合」だということさえ踏まえていれば罪悪感も少なくて済むようには思います。

■ボーディングスクールは「米国版・開成」…インター小に通う息子が自分で決めた「受験しない道」(FRaU edu)
まあ、これからの世の中はこういうふうにリスクを取れる人(そしてその選択肢に目と手が届き、かつリスクマネジメントが可能なリソースを確保している人)が優位に立つのでしょう。

■子ども食堂、地域に出張 福島県郡山市が新事業 居場所づくりと新規開設促進図る 町内会などと連携(福島民報)
出張・巡回を自治体が企画するケースは初めて見たのかな。

【要約と感想】神辺靖光・長本裕子『花ひらく女学校―女子教育史散策明治後期編』

【要約】明治後期に創立された女学校の沿革史をコンパクトに記述しています。明治前期に引き続き発展するプロテスタント系ミッションスクール、それに対抗する仏教系学校、中等教育段階にあたる高等女学校の制度化、女子高等教育の発展、医者・画家などの高等専門教育を扱います。現存の中等・高等教育機関に引き継がれている学校が多数あります。

【感想】前著に引き続き、基本的にそれぞれの学校の沿革史を土台に構成されてはいるのだが、女性教育にとどまらない幅広い教育史的観点から学校の意義が位置付けられており、勉強(復習)になった。
 ただ、誤字が散見されたのは残念なところで、特に静岡英和女学校の創立に関して「鵜殿長道」(鳥取藩家老・大参事12代か?)とあるべきところが「鶴殿長道」になっていた(しかも二か所)のはションボリなのだった。元のニューズレターではしっかり「鵜殿」だったので、著者自身は正確に記述していたものがOCRか何かの段階で誤字ったのだろうと推測する。

神辺靖光・長本裕子『花ひらく女学校―女子教育史散策明治後期編』成文堂、2021年

【教育学でポン!?】2024年2月9日

本日の実習巡回は習志野でした。
【本日の歩数】10861歩■習志野を闊歩。

働き方改革

■『大学からの推薦があれば一次試験を免除』小学校教諭の“確保” に向け新たな取り組み 熊本市(RKK熊本放送)
これまでの経験から言うと、大学から推薦をもらうような学生はこういう制度がなくても受験するので、受験数の底上げには繋がらないと思うのです。

■教員を目指す学生に「修学資金」 県内勤務で「返済免除」 与那原町が創設 3月8日まで募集 沖縄(琉球新報)
返還不要奨学金であれば、底上げになる気がします。

■【“パワハラ”女性教師自殺問題】「自分の娘が被害者と考えると本当に許せない」知事怒り 県教委に異例の苦言(仙台放送)
■【“パワハラ”女性教師自殺問題】「学校でパワハラは絶対許されない」教職員組合が“原因究明”求める声明発表(仙台放送)
パワハラ自体は学校特有のものではなく、民間企業を含めた日本社会全体の問題だとは思うけれども、調査と処分の風通しの悪さについては教育委員会固有の問題がありそうです。

ICT

■なぜGmailだけ届かなかった? 高校出願システム問題、神奈川県に詳しく聞いた(ITmedia NEWS)
googleのサービスは、個人レベルではあまり大きな問題を感じたことはないけれども、集団や組織で使おうとするといろいろ予想しなかったことが起こる印象はあります。

■Amazonのタブレット「Fire HD 10 キッズプロ」を小学校低学年の子どもに使ってもらった結果(ITmedia PC USER_)
学校での一人一台端末の買い換え機種の候補になったりするのかな。

■地域の将来を担うデジタル人材を育成 『マイスター・ハイスクール』事業 3年間の成果(TKUテレビ熊本)
この事業には学校という概念そのものを変えていく可能性もありそうです。

不登校

■「学びの多様化学校」全国初設置へ 県当初予算案(KBC九州朝日放送)
学びの多様化学校そのものは既に全国にたくさん設置されているので、どういう意味で「初」かを書かないと記事になりませんよ?

■不登校の子どもたちに「1度きりの人生、思い切り楽しもう」 フリースクールを作った女性の決意(tssテレビ新広島)
まずはどんな形でも社会と繋がっていることが大切です。

学校間接続

■首都圏の中学受験者数10年ぶり減少 受験率は過去最高(毎日新聞)
首都圏に限った話で、全国的には増加する傾向にあるかもしれません。

学校

■修学旅行中、生徒の前でビールを飲んだ教師らに元校長が苦言「危機管理、自覚の欠如」「判断ミスにつながる“酔う”ということは決してしてはならない」(ABEMA TIMES)
しかし、注意義務を要する時間としてカウントするなら給料が発生すべきという議論になりませんか。まあ、「給料が発生しないなら飲酒していい」という話にはなりませんけれども。

高等教育

■千葉大学長選の波紋やまず 想定超す反発にHPで経緯説明 学生らの署名運動に7千人超賛同 人文科学研究院に加え教育学部教授会も質問書(千葉日報)
様々な利害も絡むので、このままいっても禍根を残すでしょう。

教育全般(国内)

■最年少市長「ワクワクした」 初の当初予算案編成で自分色の教育施策(朝日新聞DIGITAL)
■市民との対話をもとに編成 芦屋市 新年度予算案を発表(サンテレビNEWS)
成果を期待しましょう。

■「できることはすべてやった」 3月末退任の平川理恵広島県教育長が会見(広テレ!)
■平川教育長「官製談合すべて私の責任」 来月退任前に「精一杯やった」実績強調も(テレビ新広島)
脇が甘かったのは事実として反省すべきですが、改革に対して横槍を入れてくる勢力があったのかなとも勘ぐります。

教育全般(海外)

■韓国・小学校の女性教師、過半数が「教壇去りたい」という危機的状況(KOREA WAVE)
日本以上に深刻な印象です。