「日々随想」カテゴリーアーカイブ

【教育学でポン!?】2024年2月13日

会議がありましたが、自宅からオンラインで参加できるのがありがたい。
【本日の歩数】3735歩■引きこもり。

地震

■輪島高校長、生徒や被災者を勇気づけるブログ「おこらいえ」毎日更新…ユーモア交えメッセージ(讀賣新聞オンライン)
こういう非常時にこそ人格が出るのかもしれませんね。立派です。

働き方改革

■教職員の8割「時間内に仕事が処理できず負担」 9割「やりがい感じる」 教育現場の働き方改革【長野】(テレビ信州)
前向きな議論をよろしくお願いします。

■部活動地域移行の課題を探る 4市町の実証事業の取り組みを報告 /秋田(AAB秋田朝日放送)
一年間の取組みを踏まえて、続々と報告が上がってくるタイミングです。成果を共有しましょう。

インクルーシブ教育

■「みんなと一緒に学びたい」地域の中学校進学の希望は叶うのか?葉月ちゃんが直面した厳しい現実 北海道(HTB北海道ニュース)
まずは大きな前進です。競争社会を自明のものとして疑問視する人たちもいますが、もうそれではやっていけないことに多くの人が気付いているからこその「共生社会」の理念です。公教育が果たすべき役割を直視して進んでいきましょう。

不登校

■“無気力や不安”で不登校になる小中学生が急増中 専門家が指摘する「昔ならあり得ない3つの要因」(デイリー新潮)
まあ、教師の方も不登校になっているくらいの制度疲労ですからね。

学校間接続

■東大の学校推薦型選抜、志願者と合格者の女性割合が過去最高46%超(朝日新聞DIGITAL)
教育全体から見れば小さなコップの中の動きではありますが、まずは歓迎すべき傾向なのでしょう。

■2024年「中学入試国語」を解説、読解得意でも突然「書けなくなる」自由記述問題 実際の出題問題で見る「大学受験意識」の傾向(education×ICT)
大学入試改革を中学入試(あるいは高校入試)に波及させようという文科省の目論見そのものは見事に嵌まっている様子ですが、さてそれが子どものためになっているかどうかはまた別の問題です。

学校

■愛知県知事「過去15年は金品授受なし」 名古屋市教育委の金品受け取り発覚を受けて 県内市町村の教育委員会についても調査の方針(CBCテレビ)
普通はないのだが、さて。

■「公教育に対する信頼を損なう」盛山文科大臣が強い懸念 名古屋市教育委員会が教員団体から金品を受け取っていた問題で(CBCテレビ)
なんというか、まさに「おまいう」のブーメラン。

■第1は8番、第2も10番 「日本一長い」とされる諏訪清陵高の校歌 歌詞に込めた思い読み解く 【動画付き】(信濃毎日新聞デジタル)
校歌も様々で、ひとつくらいこういうユニークな歌があってもいいのでしょう。ちなみに法律では、学校が校歌をつくる義務は特にありません。

【教育学でポン!?】2024年2月12日

久しぶりに読書が進んでいます。
【本日の歩数】3029歩■引きこもり。

ICT

■1校上限1000万円、文科省「DXハイスクール」1000校指定で理数・探究を強化 背景に「デジタル・グリーン成長分野」人材育成(education×ICT)
狙いと必要性は分かります。が、問題の本質は社会全体の構造にあるので、学校を餌で釣るやり方でどこまでうまくいくか。

いじめ

■2カ月97人相談「福岡県いじめレスキューセンター」、第三者支援に強いニーズ 学校と保護者の膠着状態を解くカギとなるか?(education×ICT)
いじめが解決されるべき重要な教育課題であることは当然としても、一般的に言えば、子どもだけでなく大人のほうも「成熟した市民社会における個人主義に立った人間関係の構築」ができているとは言いがたい状況だと思うのですよね。その未熟な人間関係から生じる不幸な現象をすべて「いじめ」とラベリングするのもどうかな、というところです。

校則

■[三ない運動問題] 熊本県立矢部高校の取り組み#3【高校年代から安全意識を醸成】(YOUNG MACHINE)
事故が起こった時の責任を考えると最初から問答無用で禁止するほうがラクチンなので、OKにしているところは逆にそうとう指導に力が入っていると考えていいのでしょう。

■「校則、生徒の声反映を」 岐阜の教員団体、県教委に要望提出(毎日新聞)
校則見直しを一時的な流行に終わらせないためには、改正の段取りを制度化するところまで持っていく必要があるでしょう。

不登校

■学校に抵抗感…生徒らに「他者と接する場」 元中学教師 移住先北海道でフリースクール(共同通信)
どんな形でもまずは社会との繋がりを保つことが大切で、重要な機会を提供している場になっていると思います。

学校

■大規模校の確保を 高校再編問題で意見交換 バカロレア校については意見分かれる 富山(チューリップテレビ)
立場によって関心の重点が異なり、まったく利害が一致しない様子です。

■道徳教育の重要性を再確認 全国道徳祭2024in柏/千葉県柏市(チバテレ+)
■優秀な道徳教育に取り組む小中学校を表彰 岐阜県道徳教育奨励賞(岐阜新聞Web)
広い意味での道徳は確かに教育上極めて重要なのですが、狭い意味での道徳原理主義に陥るといろいろ変なことになりますので、バランスが大切です。

■男性教師が実感した学校教育では足りていない「生理」についての正しい知識(NewsCrunch)
「生理」についてはだんだん学校教育の範囲で扱おうという雰囲気が醸成されてきていますが、次のタブーは「性交・妊娠・出産」で、最後に「性欲」ですかね。

高等教育

■「公用語を英語にするべき」と吉村知事 大阪公立大の国際競争力強化 春入学廃止・全学生が秋入学へ 課題は入試と就職(関西テレビ)
まあ、それぞれの大学にそれぞれ固有のミッションがあってもいいのでしょう。が、それは一個人の思いつきに基づくものではなく、教育学的なベースがあるべきだとも思います。

教育全般(国内)

■罪を犯した少年の再教育を担う『法務教官』西日本最大級の少年院・加古川学園で少年たちに向き合う教官「最後のよりどころ、そこで彼らが変われるかどうかは私たち次第」(MBS NEWS)
本人の資質というよりは、多くは環境次第なんですよね。

【教育学でポン!?】2024年2月11日

買い物以外は家で読書。
【本日の歩数】2515歩■引きこもり。

働き方改革

■地域移行、文化部も…上尾市、市立小中学校対象の「英語クラブ」設立へ 英会話特化の部活動移行は全国初(埼玉新聞)
部活動地域移行の観点からの記事でしたが、実は民間の習い事の代わりという側面もあったりするのか。

ICT

■発達障害の子の特性「体験できるVR」気になる実力、合理的配慮への近道なるか 日々体感している困難さや辛さはどんなものか(education×ICT)
VR技術を活用して「感覚の共有」ができるのが強みかと最初は思ったのですが、その先の「意見の共有」がやはり大切だという内容でした。

学校間接続

■「学習塾」に通う小学生は4割弱 理由は「学校の授業だけでは不安だから」が最多 逆に塾に通わせていない家庭の理由は?(まいどなニュース)
本当に公教育が劣化していて保護者が不安に思っているのか、あるいは民間教育産業が各家庭の不安を煽った結果と見るのか。

■「東大合格はいくらで買える?」都市部で過熱する“課金ゲーム”に違和感も(日刊SPA!)
課金ゲームになっているのは教育そのもののせいではなく、競争を煽る資本主義の仕組みに基づくので、教育の仕組みをいくら変えてもまったく無駄なのです。

■お受験と子どもの成長 【馬場典子 コラムNEWS箸休め】(OVO)
おつかれさまでした。でもまあ、お受験以外の経験でも同等(あるいはそれ以上)の成長はできるでしょう。

■「いち早くスタートラインに」 中学受験を目指す小学生対象 甲斐ゼミナールの進学説明会(UTYテレビ山梨)
まあ、ここでいち早くスタートラインに立ったとして、人生全体で見れば大したことはないのでしょう。

学校

■新年度に向け「学級納め」大切な訳、フリーランスティーチャー田中先生の実践 次の学年にどう子どもたちを引き継ぐのか(education×ICT)
なるほど、「学級開き」の大切さは様々な場面で強調されますが、「学級納め」は軽視されているような印象があります。大事な観点ですね。

■名古屋市教委、教員団体から金品授受 「20年以上前から」証言(毎日新聞)
■名古屋市教委、校長会などから“金品”受け取る 河村市長「近く調査チームを設置」(日テレNEWS)
■校長会などから毎年200万円超が市教委に…河村たかし市長が激怒、ネットも厳しい声「使い道は?」(中日スポーツ)
これはダメでしょう。

■総合の時間で地域交流 開成南小学校3年生〈南足柄市・大井町・松田町・山北町・開成町〉(タウンニュース)
■【高知】小津高の生徒ら《探究学習》の成果発表会、ニッポン高度紙工業など企業も参加(高知さんさんテレビ)
学校で学んだことを外部に向けて発表・プレゼンするのは大きな成長のチャンスです。準備する先生のほうは大変ですが、効果があると信じてやりましょう。

高等教育

■吉田寮には人間育む「文化」、代替できぬ 京大側は立ち退き要求(毎日新聞)
良いか悪いかは別として、現代の個人主義ベースの生活では考えられない環境が残っていることは間違いありません。

【教育学でポン!?】2024年2月10日

採点も終わり、かなり落ち着きました。
【本日の歩数】2631歩■引きこもり。

働き方改革

■中学校の運動部活の未来は?「過剰に肥大化」「地域任せは本末転倒」 教育者やプロ野球選手ら議論(京都新聞)
中体連のシンポだということに注意しましょう。なぜ働き方改革に逆行するような質疑が出るのか、見当がつきます。

ICT

■埼玉県が仮想空間に若者の居場所作りへ…アバターで会話やイベント参加、孤独感や悩みの解消に(讀賣新聞オンライン)
政令指定都市のさいたま市ではVRを活用した不登校対応が始まっており、県のほうでも負けじと積極活用という感じでしょうか。

■「オンラインの居場所」で交流 三重県内の不登校中高生 好評で来年度も(夕刊三重電子版)
各地でVRを活用した実践が始まっています。

インクルーシブ教育

■まずはお互いを知る機会を――インクルーシブ教育を目指す、障害当事者たちの声 #令和の人権(Yahoo!ニュースオリジナル特集)
いろいろと刺さる記事です。言い訳をすると、民主主義社会における公教育の原理から考えればインクルーシブ教育は当然実現されるべきものなのですが、資本主義の論理によって「競争」の原理が持ち込まれたとたんにあらゆる歯車が狂い始めます。

学校

■小中学校の授業を5分短縮、年間で計85時間を弾力的に運用へ…各学校の裁量で自由に(讀賣新聞オンライン)
なるほど、そう来たんですか、へー、という感じです。抜本的な教育課程編成の自由を与えるものではないので、学習内容の削減(あるいは学習指導要領の法的拘束力解除)が伴わないのであれば、また学校の負担だけが増えます。

■【追跡】小学校「スキー学習」必要?必要ない? 「楽しい」「チャレンジする力がつく」一方、授業のためだけに数万円負担も… 北海道の子どもと保護者のホンネ(北海道ニュースUHB)
素朴な疑問ですが、毎年やることが決まっているならレンタルじゃいけないの?

高等教育

■大阪公立大学、2027年度から秋入学一部導入へ(日本経済新聞)
英語公用語化の話だけセンセーショナルに知れ渡ったようですが、決定事項ではありませんので、まず重要なのは「秋入学」のほうですかね。

幼児教育

■保育士の性暴力記録を一元管理 施設側、採用時に確認義務(共同通信)
その一方で国は無資格でも働けるように規制緩和をどんどん進めているので、無資格者をスルーしてしまうこのシステムに実効性が本当にあるのかどうか疑わしいところではあります。

教育全般(国内)

■「叱らない子育て」に悩む親たち 叱りが必要なのはどんな時か、言葉かけのポイントも(AERA dot.)
まあ、大人には大人の都合があるからいつでも理想通りにできるとは限りませんが、そのときは「大人の方の都合」だということさえ踏まえていれば罪悪感も少なくて済むようには思います。

■ボーディングスクールは「米国版・開成」…インター小に通う息子が自分で決めた「受験しない道」(FRaU edu)
まあ、これからの世の中はこういうふうにリスクを取れる人(そしてその選択肢に目と手が届き、かつリスクマネジメントが可能なリソースを確保している人)が優位に立つのでしょう。

■子ども食堂、地域に出張 福島県郡山市が新事業 居場所づくりと新規開設促進図る 町内会などと連携(福島民報)
出張・巡回を自治体が企画するケースは初めて見たのかな。

【要約と感想】神辺靖光・長本裕子『花ひらく女学校―女子教育史散策明治後期編』

【要約】明治後期に創立された女学校の沿革史をコンパクトに記述しています。明治前期に引き続き発展するプロテスタント系ミッションスクール、それに対抗する仏教系学校、中等教育段階にあたる高等女学校の制度化、女子高等教育の発展、医者・画家などの高等専門教育を扱います。現存の中等・高等教育機関に引き継がれている学校が多数あります。

【感想】前著に引き続き、基本的にそれぞれの学校の沿革史を土台に構成されてはいるのだが、女性教育にとどまらない幅広い教育史的観点から学校の意義が位置付けられており、勉強(復習)になった。
 ただ、誤字が散見されたのは残念なところで、特に静岡英和女学校の創立に関して「鵜殿長道」(鳥取藩家老・大参事12代か?)とあるべきところが「鶴殿長道」になっていた(しかも二か所)のはションボリなのだった。元のニューズレターではしっかり「鵜殿」だったので、著者自身は正確に記述していたものがOCRか何かの段階で誤字ったのだろうと推測する。

神辺靖光・長本裕子『花ひらく女学校―女子教育史散策明治後期編』成文堂、2021年