鵜殿篤 のすべての投稿

【教育学でポン!?】2023年1月15日

博物館を3つハシゴしてきました。台東区立書道博物館「抵抗と恭順リターンズ—激動の明末清初—」→東京国立博物館「博物館に初もうで 兎にも角にもうさぎ年」→上野の森美術館「日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~」。古代中国について深まった感じ。
【本日の歩数】10295歩■上野を鬼門の方角(寛永寺)から南下。

働き方改革

■室伏スポーツ庁長官が講演 長与町の中学部活方針「全国に誇れるモデル」(長崎新聞)
できる自治体とできない自治体と格差が開きつつある印象です。

学校間接続

■教師や生徒の不安を煽るだけの「内申書」問題を改革。名古屋市教育長が目指す“好きな学び”を突き詰められる学習環境(集英社オンライン)
記事内にもあるキーワードですが、今後は「ポートフォリオ」のようなものに切り替わっていくことになるでしょう。

■大学選びの最新事情。「大学全入時代」だからこそ知るべきことを専門家に聞いてみた(サンキュ!)
内容の薄い記事ではありますが、さしあたって親世代の常識がもうまったく通用しないことは理解しておいて損はないかと。

学校

■子どもが「学ぶ楽しさ、自分の成長を実感できる探究学習」のやり方と真の狙い 興味関心、コンピテンシーから始まる探究学習(education×ICT)
良い記事でした。アクティブラーニングで一番危険なことは「活動のための活動」になってしまうことです。

■小学校より負担減でもネガティブな印象が付きまとう「中学校PTA」のリアル 生徒会とコラボ、キャリア教育など活動に幅(education×ICT)
小学校よりも「消費としての教育」が前面に出てくる時期なので、公共性に基づいたPTA運営は本質的に大変になるような気はします。

教育全般(国内)

■「子供の遊び場に」早大が野球場を開放したワケ コロナ禍で子供たちの運動機会はますます減少(東洋経済ONLINE)
測っていないだけで、大人の運動能力はもっと落ちてそうです。

■「制度をポンポン、ポンポン…」てぃ先生、“その場しのぎ的”子ども政策に違和感 “異次元”に保育の質を上げるには?(TBSテレビ)
データに基づかないどころか、妄想上の「家族」の姿を根拠にしてデタラメな政策を推し進めてきたので、良くなるわけがないという。

■「学歴なしお金なし」で息子を純国産バイリンガル東大生に育てたママの教育 「親はあるものを精いっぱい使うだけ」の真意は(education×ICT)
まあ、子どもの個性によるので、まったく同じことをしてもうまくいくとは限りません。子どもの個性に噛み合う方法を早く見つけられるかどうかがポイントです。

【愛知県岡崎市】大樹寺で厭離穢土欣求浄土

 徳川将軍家と松平家の菩提寺として知られている大樹寺に行ってきました。立派な三門です。

 三門をくぐって180°回れ右をして南側を向くと、大樹寺小学校の校庭の向こうに総門が見え、さらにその総門の向こう3km南に岡崎城が見えます。写真ではピントが合わずによく分かりませんが、肉眼だと見えてます。

 岡崎城から大樹寺までの3kmは、矢作川の作る扇状地でゆるやかな登りになっています。大樹寺からは岡崎城を見下ろす形になるので、よく見えます。三代将軍家光が、大樹寺から岡崎城が臨めるように伽藍を整備したそうで、大樹寺と岡崎城を結ぶ3kmの直線を現在は「ビスタライン」と呼んでおります。

 境内は膨大に広いわけではありませんが、清潔感あふれる心地よい空間です。

 岡崎高校に通っていたので、「大樹寺」という名前そのものはバスの行き先としてよく聞いていたのですが、実際に訪れることはまったくありませんでした。岡崎市内の繁華街からはずいぶん北にあるので、高校生の時は特に用事がありません。

 前回訪問は10年前の2013年でしたが、そのときには存在しなかった家康像が本堂の脇に鎮座しておりました。

 家光が夢に出てきた家康を狩野探幽に描かせた像を元にデザインされているようです。

 沿革を見ると、創建は応仁元年(1467)年に松平親忠(第4代)にかかるものとのことです。歴史上名高いのは、桶狭間合戦の後、大高城から逃げ帰った家康が大樹寺に籠もって自害しようとしたエピソードです。

 時の住職登誉上人が「厭離穢土欣求浄土」の教えを説いて自害を思いとどまらせたほか、祖洞和尚が門から閂を引き抜いて奮戦したエピソードは、若き家康伝では必ず登場します。

 500円の拝観料を払うと、まず外陣まで入れます。入る価値があります。金色の柱に「厭離穢土・欣求浄土」と書いてあります。ただし「欣求浄土」のほうの「土」には点がついているのが注目ポイント。

 「厭離穢土・欣求浄土」は、穢れた戦乱の世を終わらせて天下泰平の世を目指そうという願いを込めた言葉で、徳川軍の旗印にも描かれ、家康の天下統一までのキャッチフレーズとなります。
 ところで個人的にずっと気になっているのは、「江戸」と「穢土」の発音が通じているということです。歴史学者の本郷和人先生は、家康はもちろん江戸から穢土を想起していたはずだが敢えて改名しなかった、と唱えています。史料はありませんが、まあ、ありそうなことだと私も思います。

 500円を払った人だけ、さらに庫裏に進んで屏風絵を干渉したり、貫木のご神木を拝めたりしますが、ハイライトは徳川将軍歴代位牌の間です。撮影禁止なので、写真はありません。

 徳川幕府歴代14代の将軍の位牌が安置されていて(15代慶喜だけは神式で葬られているので仏式の位牌がありません)、ポイントはその位牌が全て等身大で作られている(という寺伝がある)ところです。確かに8歳で亡くなっている第7代将軍家継の位牌は135cmと小さく、等身大というのもナルホドだと思うのですが。問題は第5代将軍綱吉の位牌が124cmということです。どういうことか。
 本当かウソかというところでいえば、個人的にはウソの可能性が高いと思っています。本当に低身長だったとすれば、当時の文献資料等に記録されないわけがないと思うからです。特に生類憐れみの令に絡んでアンチが多かったので、本当に低身長だったとすれば、どんなに権力側が箝口令を敷こうとも、どこかで言及されないわけがないと思うのです。そしてウソだとすれば、後にアンチ綱吉が悪質な嫌がらせをした、ということになります。アンチがたくさんいたので、あり得る話だと思っています。一方、大樹寺の位牌が正しいと考える人たちもたくさんいます。もちろん大樹寺は、124cmが正確な身長だったということを前提に展示の解説をしています。何が本当かは、今となってはまったく分かりません。

 さて、境内には松平8代の墓もあります。

 案内パネルによると、大坂の陣の後に、家康が先祖の墓を再建したとのことです。江戸時代中期以降はどんどんお墓が巨大化していくので、それと比べると、この松平家8代の墓は素朴な感じに見えます。

 ちなみに写真で一番手前に見えるのが家康の墓ですが、これは昭和44(1969)年になってから勧請したもので、江戸時代にはなかったものです。
 しかしまあ、松平初代親氏の来歴が極めて怪しく、家康が家柄ロンダリングをした疑いが濃厚なところですが、大樹寺を創建した4代親忠(安城松平家)は間違いなくこの地で大きな力を振るっており、三河では松平諸家と鵜殿家の争いが続きます。松平家と鵜殿家の争いに決着がつくのは1562年、桶狭間の2年後のことになります。
(2013年8月、2023年1月訪問)

【教育学でポン!?】2023年1月14日

美術館を3つハシゴしてきました。静嘉堂文庫美術館「初春を祝う 七福うさぎがやってくる!」→三菱一号館美術館「ヴァロットン—黒と白展」→三井記念美術館「国宝 雪松図と吉祥づくし」
【本日の歩数】11618歩■東京駅南西(裏鬼門)から地下を通って北東(鬼門)へ。

働き方改革

■Twitter教員アカ座談会、「長時間働くのがよい先生」解けない呪縛に危機感 「学校現場のリアル」ブラックな実態が明らかに(education×ICT)
制度上の問題ではなく、主に「学校文化」による原因を突きつめた記事です。管理職の意識によって劇的に良くなる領域です。

■大学3年から筆記受験可能に 教員採用で全国初―東京都教委(時事通信)
3年生で合格しておいて、4年生で安心して民間企業の就職活動ができるようになるだけかもしれません。

学校

■このままでは危ない学校教育…「主体性が失われる子どもの数」を増やさないために、カリスマ校長が実践した「凄い改革」(現代ビジネス)
■じつは「褒めるだけ」では逆効果…子育てする親の「失敗させない努力」が子どもに与えるコワイ影響(現代ビジネス)
机上の空論ではなく、実践しているところが尊いのでしょう。

■「打吹至誠というような言葉が出てしまってみんながっかりしている」住民団体「打吹小学校」を申入れ…わずか1件応募の校名を採用から”仕切り直し”新小学校名「打吹至誠小学校」(BSS山陰放送)
予想通りのトホホな展開になっています。

教育全般(国内)

■「親への恩義」を植え付けろ! 奨学金が「借金」となったダークすぎる経緯とは(Yahoo!JAPANニュース)
空想上の「家族」という幻想が人々を不幸にしているのは、奨学金に限った話ではなさそうです。

■52.6%が読書すらしない…世界一学ばない国・日本の「1兆円リスキリング支援」が失敗すると言える3大理由 スキルの「獲得」と「発揮」が素朴すぎる工場モデルの限界(PRESIDENT Online)
そんなにモリモリ頑張らなくても皆がボチボチ生きていけるような温和な気候条件などもあって、そう簡単にマインドセットは変わらないでしょう。

教育全般(海外)

■勉強くらいで死ぬことはない…中国の「大学受験」が壮絶すぎる!(FRaU edu)
まあ、こういうことをするから大人になって勉強しなくなります。

【教育学でポン!?】2023年1月13日

3日連続で事務の仕事をたくさんこなして、いろいろ終わらせたけど、まだある。
【本日の歩数】8320歩■自宅と学校を往復。

働き方改革

■東京都の教員採用試験、大学3年も一部受験可に 志望減に歯止め?(朝日新聞DIGITAL)
小手先の弥縫策に過ぎず、本質的な問題は解決しないでしょう。

■部活動改革で知っておくべき中体連の「真の理想」と、設立で目指したもの 過熱化に立ち向かうのは「自由」と「本当の自主性」(education×ICT)
「お膳立て」をするのではなく、子どもがやりたくなったときにやれるような「環境」を整えるのが大人のほうの役割なのでしょう。

ICT

■GIGAスクール2年目「残念な学校、残念な先生」が広げるICT活用格差の行方 教育・校務のDXは意思決定を行うトップ次第(education×ICT)
リスクをとれないように学校現場を萎縮させてきたものがたくさんある、ということにも配慮していいかな、とは。

■小学生向けSTEAM教室「zunOw」が、2校目となる流山おおたかの森校を開校(こどもとIT)
民間主導でどんどん進む一方、財務省が金をケチる公教育との格差が広がります。

校則

■「清風カット」守らなければ“退学”に生徒ら反発 OB・池谷幸雄氏「全て苦しかったが、いい勉強では」(めざまし8)
■カズレーザー 髪形校則撤廃求める私学生徒に「別の学校に行けばいいのに」(デイリー)
宗教的な背景があっての私立校のルールなので、市民社会的な倫理とは別に考えるべき問題かもしれません。

学校間接続

■中学受験に”倍速視聴”モードで臨み子供を潰す…コスパ・タイパ信仰の親が塾や家庭教師に真っ先に聞く愚問 コロナ禍で急に中学受験に関わりだした父親からの相談が増加(PRESIDENT Online)
教育を「消費」だと思っているからこうなります。

学校

■教員経験もある異色の経歴、経産省・五十棲浩二が描く「未来の教室」の姿 外の力も活用し、多様で「柔軟な学びの形」を(education×ICT)
良いか悪いかは別として、文科省が管轄する教育は「平等に国民を作る」ものなのに対して、経産省が手を出す教育は「個人サービス」。経産省の仕事に説得力があるとすれば、国民の側が教育を「個人サービス」と認識しているということでしょう。

高等教育

■アスキー創業者・西和彦が新設、「とがった理系人材」育てる工科大学の中身とは 「日本先端工科大学(仮称)」、25年開校目指す(education×ICT)
希望に溢れる記事です。成果を期待しています。

【教育学でポン!?】2023年1月12日

昨日に続いて、事務の仕事をたくさんこなした一日。
【本日の歩数】8207歩■自宅と学校を往復。

働き方改革

■どうなる?部活動の地域移行 実行性は?課題山積、解決策は? 岐阜の関係者の本音に迫る(岐阜新聞Web)
いろいろな問題が出ると予測されていますが、これまで成り立ってきたのは、そういう問題を全部教員に押しつけてきたからです。しかもタダで。

ICT

■悩み抱えず直接届けて 宇和島市教委・学習端末に「ポスト」 運用2ヵ月 相談120件超(愛媛)(愛媛新聞ONLINE)
一人一台端末のいいところが出る施策です。

校則

■現役生「嫌ではないが、気に入ってもない」 賛否両論の「清風カット」はブラック校則なのか(ABEMA TIMES)
一般的な人権理念と抵触する特殊な地域文化をどうするかという問題は、学校文化に限らず、世界全体に見られます。

学校間接続

■大学入学者の過半数“推薦” 格差?「親ガチャ」批判も…専門家「チャンス十分ある」(khb5)
推薦入試に対応できないのは、高校の進路指導がお粗末で、時代についていけていないだけだと思います。

■大学受験に日本の教育を揺るがしかねない大変化が!? いよいよ全入時代突入か? 専門家生解説(テレビ愛知)
前から分かっていたことではあります。

■「思考力や表現力を重視」した共通テストも、実はセンター試験と大差ない?対応できないのは教師の側に問題アリ?海外進学のプロが語る「ここがヘンだよ日本の入試」 東大よりも世界に近い学校(婦人公論.jp)
海外の比較ということでしたが、ただアメリカと比較しただけでした。そしてアメリカと比較する場合、アメリカには「高校入試がない」ということを踏まえないと、本当の意味は分からないはずです。

■激化する中学受験、子どもの努力ではどうにもできない“お金の問題”も 成田悠輔氏「勇気を持って“やりすぎない”ことが大事」(ABEMA TIMES)
「やりすぎない」どころか「やめる」くらいで丁度いいです。

高等教育

■理工農系「250学部の新設・転換」目指し支援、文科省が10年計画(讀賣新聞オンライン)
教育だけ変えても、民間企業が研究者に金を出すようにならないと、現実は変わりませんよ。

教育全般(国内)

■東京都が0~2歳の第2子保育料を無償化、全世帯対象…新年度予算案に関連経費200億円(讀賣新聞オンライン)
優秀な保育士の確保ができないと破綻しますので、保育士の給料も上げてください。

■「異次元の少子化対策」と言うのなら「こども家庭庁」に権限も予算もすべて任せるべき(ニッポン放送NEWS ONLINE)
ですよね。

■滋賀県が「子供目線」の条例策定へ 権利や意見を重視(毎日新聞)
子どもの権利条約の理念を踏まえて、よろしくお願いします。