【教育学でポン!?】2020年1月15日

毎日様々な教育関連ニュースが流れてきます。教育学を修めた立場として、それらをどのように理解したか、主観的な感想と見解を書き連ねます。

校則

偶然でしょうけれども、「校則」に関して毛色の違う記事が3つ流れてきました。

校則も定期テストもない 桜丘中学校のインクルーシブ教育が「大人たち」にもたらしたもの(Forbes JAPAN)

教育学者として注目している実践のひとつです。昨年の研修会で西郷校長先生の話を聞き、「自然科学」の発想から方針を立てていることを強調されていたのが印象に残りました。

「声が大きい人が勝つ組織」に嫌気…26歳・中学教師の悩みを「決定的な答え」がないのに鴻上尚史が取り上げた深い理由〈AERA dot.〉

意味もない校則に意味もなく服従させるのは、歯車的な工場労働者を大量に必要とした高度経済成長期の産物に過ぎず、21世紀には滅びるべきということで、教育学的にもファイナルアンサーでいいでしょう。しかし、ただ闇雲にルールに反抗するのではなく、合理的にものごとを考えて合意形成に結びつける知恵を身につけてほしいとは思います。

「校則を作られたら恥」 金沢大付属高で鍛えた決断力 日本ユニシス社長(NIKKEI STYLE)

校則でお行儀をよくしていてもは所詮は「他律」に過ぎず、本物の力になるのは「自律」だという話ですね。ただ教育学においては、他律から自律への切り替えがどのように可能となるかが、論理的にも実践的にも大問題なのです。

教育全般

大学は“お金持ち”だけが行くところ? 4月スタート「大学無償化」は吉と出るのか(ビジネス+IT)

学力低下の理由をいろいろ言う人がいるけれども、個人的には、国が教育に金を出していないのが一番の原因だと思いますよ。しかしこの40年間の新自由主義政策は、安直な自己責任論を蔓延させ、教育の基盤(公共性)を完全に崩壊させたのではないかと思います。ちょっとずつでも戻していく努力をするしかないですね。

入試改革の失敗を検証、初会議 1年めどに新制度提言へ(朝日新聞)

本質的な議論を望みます。注目して見ていきます。

大学入試検討会議がスタート 意見さまざま(日刊スポーツ)

背景が異なる人々が集まれば、そりゃ意見もさまざまになりますよね。そしていつもどおりなら、どんどん経済界の声が大きくなっていくのです。

「平凡な頭」で東大・京大に受かる親子の「ちょっとした工夫」(幻冬舎GOLD ONLINE)

東大・京大はどうでもいいとして、考える力を伸ばす子育ての方針そのものは、おっしゃる通りかなと思います。

「機械学習は道具。使いこなせるかは利用者次第」――識者が語る、公平性に配慮した機械学習の要点とは(ITmedia NEWS)

ものごとがおかしくなる時って、だいたい目的と手段を取り違えてしまうところから始まることが多いですよね。

少年院の収容者が最少 少子化、非行少年が5年で半減 施設の廃止も相次ぐ(中國新聞)

統計事実は明らかなのに、少年犯罪が増えていると信じたがる人々の如何ともしがたさのほうが目立っていますね。