教育課程の意義と編成-10

▼第10回=11/26

前回のおさらい

・主体的、対話的で深い学び。
・深い学び=単に知識を身につけるのではなく、「見方・考え方」を働かせる過程を重視した学び。
・言語活動、ICT、体験活動などの重要性。

第3の2:学習評価の充実

学習評価の実施に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1) 生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し、学習したことの意義や価値を実感できるようにすること。また、各教科等の目標の実現に向けた学習状況を把握する観点から、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫して、学習の過程や成果を評価し、指導の改善や学習意欲の向上を図り、資質・能力の育成に生かすようにすること。
(2) 創意工夫の中で学習評価の妥当性や信頼性が高められるよう、組織的かつ計画的な取組を推進するとともに、学年や学校段階を越えて生徒の学習の成果が円滑に接続されるように工夫すること。(8-9頁)

・評価の種類:相対的評価、絶対的評価。
・それぞれの評価のメリットとデメリット。相対的評価=統計学的な根拠に基づき客観的な評価が期待できるが、教育活動の成果が反映しているかどうかのチェック指標として疑問。絶対的評価=教育活動の成果が反映しているかどうかの指標として期待できるが、教師の主観性に左右されやすい。
・診断的評価、形成的評価、総括的評価。
・形成的評価の重要性:コンピテンシーやソフトスキルの発達をどのように評価するか?→ポートフォリオ等の活用。指導と一体化した評価。
・評価の法的根拠:学校教育法施行規則第24条、第28条。「指導要録」←「通知表」や「内申書」との違いに注意。
*指導要録:学籍に関する記録(保存期間20年)、指導に関する記録(保存期間5年)。

第4 生徒の発達の支援

1 生徒の発達を支える指導の充実

教育課程の編成及び実施に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1) 学習や生活の基盤として、教師と生徒との信頼関係及び生徒相互のよりよい人間関係を育てるため、日頃から学級経営の充実を図ること。また、主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと、個々の生徒の多様な実態を踏まえ、一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方により、生徒の発達を支援すること。(9頁)

*学級経営の充実。信頼関係と人間関係。
・ガイダンスの機能。
・カウンセリングの機能。

(2) 生徒が、自己の存在感を実感しながら、よりよい人間関係を形成し、有意義で充実した学校生活を送る中で、現在及び将来における自己実現を図っていくことができるよう、生徒理解を深め、学習指導と関連付けながら、生徒指導の充実を図ること。(9頁)

・自己実現。
・生徒理解。
*生徒指導の充実。『生徒指導提要』を参考。

(3) 生徒が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう、特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて、キャリア教育の充実を図ること。その中で、生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、組織的かつ計画的な進路指導を行うこと。(9頁)

*キャリア教育:特別活動を要としつつ、各教科等で行う。
・理科で行う「キャリア教育」とは?
*進路指導。

(4) 生徒が、基礎的・基本的な知識及び技能の習得も含め、学習内容を確実に身に付けることができるよう、生徒や学校の実態に応じ、個別学習やグループ別学習、繰り返し学習、学習内容の習熟の程度に応じた学習、生徒の興味・関心等に応じた課題学習、補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れることや、教師間の協力による指導体制を確保することなど、指導方法や指導体制の工夫改善により、個に応じた指導の充実を図ること。その際、第3の1の(3)に示す情報手段や教材・教具の活用を図ること。(9頁)

*個に応じた指導=(1)個別学習(2)グループ別学習(3)習熟度別学集(4)課題学習(5)補充学習(6)発展学習

2 特別な配慮を必要とする生徒への指導

(1)障害のある生徒などへの指導:「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」の作成。
(2)海外から帰国した生徒などの学校生活への適応や、日本語の習得に困難のある生徒に対する日本語指導
(3)不登校生徒への配慮:保護者や関係機関との連携、心理や福祉の専門家の助言や援助。
(4)学齢を経過した者への配慮(9-11頁)

復習

・「評価」の機能について押さえておこう。
・「生徒の発達の支援」について、押さえておこう。

予習

・「社会に開かれた教育課程」を目指し、「カリキュラム・マネジメント」を踏まえ、「主体的・対話的で深い学び」を実現するための教育課程を編成するためには、どのような学校目標を設定し、どういった総合的な学習の時間を作り、どのように各教科を横断していくか、アイデアを出そう。