流通経済大学「教育学Ⅰ」(補講1)

■新松戸キャンパス 5/16(水)
■龍ケ崎キャンパス 5/17(木)

教育って何ですか? 東洋古代篇

・私たちが考える「教育」は実はつい最近になってから始まったものであって、昔はまったく違う営みが行われていた。

・そもそも「育」とは何を意味している漢字なのか。
・そもそも「教」とは何を意味している漢字なのか。

※「教」と「育」という漢字が持つイメージが、大きく離れていることに注意しよう。そもそも「教」と「育」がつながって「教育」と呼ばれる言葉は、江戸時代までは一般的に使われるものではなかった。(例外=『孟子』)。「教育」という言葉は、明治時代になってから、educationの翻訳語として普及することになる。
→孔子の思想:儒教・『論語』

教育って何ですか? 西洋古代篇

・教育とは、先生から生徒に「知識」を授けるものではない。
・ソクラテスの思想:無知の知産婆術汝みずからを知れ
※無知の知:「知らない」ということを知っている。
※産婆術:対話相手の内部に眠っている知恵を出産させる技術。
※汝みずからを知れ:いちばん重要な知恵とは、自分自身に対する知恵。
→教育とは、自覚していない知恵や才能を引き出す技術である。

参考文献

プラトン『ソクラテスの弁明・クリトン』
ソクラテスが処刑されことになる裁判と刑務所での様子を描いている。ソクラテスの活動の本質的な意味を知ることができる。

プラトン『国家』
古代ギリシアに熟成された教育思想が記されている。ただ、ソクラテスの活動そのものと一致しているかどうかには慎重な判断が必要。