流通経済大学「教育学Ⅰ」(4)

■新松戸キャンパス 5/4(金)
■龍ケ崎キャンパス 5/7(月)

前回のおさらい

・隠れたカリキュラム。
・メリトクラシーと学歴主義。

自由はいいものか?

思考実験:自由の落とし穴

・自由を拡大したとき、得をするのはどういう人たちか?
・強者と弱者の間の格差拡大。
・自由を<実質的に>使いこなすことができるのは金持ちだけ。貧乏人はそもそも自由に<実質的に>手が届かない。形式的に自由を与えるだけでは、意味がないかもしれない。
・「自由」は、金持ちには十分な恩恵を与えるが、貧乏人にはあまり意味がない。自由を拡大することによってますます貧富の格差が広がる。
・貧富の格差=資本家(働かずにお金持ちになる人)と労働者(働いても貧乏になる人)への階層分化。働いている人たちの中での格差拡大と考えると実態を見失うことに注意。

労働力の売買

・「働く」とは、経済学的にはどういうことか?
*労働力:「働く」と言うのではなく、「労働力を売る」と言う。「雇う」と言うのではなく、「労働力を買う」と言う。
・労働力の再生産は、家庭で行われる。
・労働力をモノのように売買できるようにしたことで、市場原理によって必要なところに迅速に労働力が供給され、資本主義の発展が加速する。(奴隷労働のままでは労働力の流動化が促進されず、資本主義の発展は加速しない。)

労働力売買の仕組み

思考実験:働いたら負け

・働いていない人ほどお金儲けができる?
・ワーキングプア:働けば働くほど貧乏になる?
・労働力は、売るよりも買う方が得?
・労働力を買うには、生産手段(土地や工場)がなければならない。
・生産手段+原材料+労働力→商品
・モノの価格は市場原理(競争)によって決まる→労働力の価格も市場原理(競争)によって決まる。
・失業者問題。失業者が存在する以上、労働力を売る側が競争すれば、必ず労働力の値段は下がる。
・努力すればするほど悪循環に陥るのはなぜか。←競争する相手を間違えている。本当に戦うべき相手を見失って、のび太同士で競争してしまうから、おかしなことになる。努力の方向を間違っているから、努力すればするほど自分の首を絞めることになる。
・もはや形式的な自由を拡大するだけでは対処不可能。努力の問題ではない。

復習

・自由が拡大すると格差も拡大する理屈について押さえておこう。
・労働力が売買されるメカニズムについて理解しておこう。

予習

・義務教育の意味について考えておこう。