短大栄養科 4/17
目次
半年間の予定
・本講義は教員免許(中学家庭科)資格に関わる授業であり、特に「教育」の原理・哲学・思想・歴史に関わる領域を扱います。人の名前や教育理論がたくさん出てきます。
・できるだけ「家庭科」の内容と関わりながら「教育」の思想を理解することに重点を置きます。
・学期末にテストを行います。スマートフォンや電子辞書等も含めて、あらゆるものが持ち込み可です。
・課題を2~3回出します。
教育って何ですか?
教育って何ですか? 東洋古代篇
・私たちが考える「教育」は実はつい最近になってから始まったものであって、昔はまったく違う営みが行われていました。
・そもそも「育」とは何を意味している漢字でしょうか。
・そもそも「教」とは何を意味している漢字でしょうか。
※「教」と「育」という漢字が持つイメージが、大きく離れていることに注意しましょう。そもそも「教」と「育」がつながって「教育」と呼ばれる言葉は、江戸時代までは一般的に使われるものではありませんでした。(例外=『孟子』)。「教育」という言葉は、明治時代になってから、educationの翻訳語として普及することになります。
→孔子の思想:儒教・『論語』
教育って何ですか? 西洋古代篇
・教育とは、先生から生徒に「知識」を授けるものではありません。
・ソクラテスの思想:無知の知・産婆術
※無知の知:「知らない」ということを知っている。
※産婆術:対話相手の内部に眠っている知恵を出産させる技術。
→教育とは、自覚していない知恵や才能を引き出す技術です。
復習
・「教育」とは何かについて、古代東洋と古代西洋の考え方を踏まえて、自分のこれまでの常識を捉え直そう。
予習
・自分が「子供」なのか「大人」なのか、考えよう。
・どうしてそう考えたのか、判断の根拠や理由についてもまとめておこう。
発展的な学習の参考
・プラトン『ソクラテスの弁明・クリトン』
・村井実『ソクラテスの思想と教育』
・林竹二著作集1『知識による救い-ソクラテス論考』
・稲富栄次郎著作集2『ソクラテス・プラトンの教育思想』