教職基礎論(栄養)-1

短大栄養科 4/14

半年間の予定

・本講義は教員免許(栄養教諭・中学家庭科)取得に関わる授業であり、特に「教職の意義」に関わる領域を扱います。
・「教育基本法」や「地方公務員法」および「教育公務員特例法」、「地教行法」など、法令に規定された教職の地位や身分、義務について理解してもらいます。
・「教員に求められる資質・能力」について、背景となる教育課題とともに理解を深め、「教職の専門性」に対する自覚を持ってもらいます。
・「学校」という組織と職務分掌について理解してもらいます。

・学期末にテストを行います。スマートフォンや電子辞書等も含めて、あらゆるものが持ち込み可です。
・課題を2~3回出します。

教えるという職業の基本

教育基本法の核心を押さえる

・「教育基本法」には、日本の教育が目指す根本的な理念が示されています。
・教育基本法第1条によれば、日本の教育の目的は「人格の完成」です。
・「人格の完成」とはどういう状態でしょうか?
・そもそも「人格」とは何でしょうか?
・「教育基本法」(第9条)が「教師」をどのような役割を果たすべき人間と考えているか、確認しましょう。→「修養」に励むことと「研修」の充実が大切だと書かれています。

「教師」に必要な資質・能力を把握する

・教師に必要な資質・能力を考えるためには、まず「どのような人間を社会に送り出すべきと、学校は期待されているのか?」を理解する必要があります。
・学校に対する期待を理解するためには、「いまはどのような社会か?」を理解する必要があります。

・いま、社会は急激に変化しつつあります。具体的には、(1)グローバル化(2)情報化(3)少子高齢化が大きな課題です。
・学校や教師には、高度化・複雑化する課題へ対応することが期待されています。
・教師に期待される資質・能力には、大きく分けて「不易」と「流行」という区別があります。
・不易とは:時代や地域によって変わらないものです。たとえば、熱意や使命感、教育的愛情が挙げられます。
・流行とは:時代によって変わるものです。たとえば情報通信技術への対応、グローバル化への対応等が挙げられます。

・このような現状と課題を踏まえて、文部科学省は教員に求められる資質能力を3つの領域に整理しました。
(1)教職に対する使命感や責任感、教育的愛情
(2)専門職としての高度な知識・技能:教科や教職に関する高度な専門的知識+新たな学びを展開できる実践的指導力+教科指導、生徒指導、学級経営等を的確に実践できる力。
(3)総合的な人間力:豊かな人間性や社会性+コミュニケーション力+同僚とチームで対応する力+地域や社会の多様な組織等と連携・協働できる力。
・教職を目指す人には、この3つの領域に関わる力を身につけることが期待されています。

・まとめて、文部科学省は「学び続ける教師像」というモデルを強く打ち出しました。

復習

・「教育基本法」を熟読吟味しよう。特に第1条と第9条について、何が書いてあるのか理解しよう。
・「教師」に必要な資質・能力を確認して、どうして「学び続ける教師像」というキャッチフレーズが登場してきたのか、理解しよう。

予習

・「立憲主義」や「法治主義」という言葉の意味を調べて、「公務員」の立場について予備知識を持とう。

参考サイト

現状と課題。(文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会配付資料「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について(審議の最終まとめ(案))):2012年