【千葉県木更津市】証誠寺のタヌキ、請西藩陣屋跡は強者どもが夢の跡

千葉県木更津市に行ってきました。
木更津までは、東京湾アクアラインができてからは新宿や東京からの高速バスが便利ではあるんですが、土日は新宿から「特急さざなみ」が直通しているので、今回は電車で。自由席でも座って行けます。

新宿から75分で木更津着。特急は速いですね。
で、駅を降りたとたん、やたらとタヌキ推しでした。マンホールの蓋も、タヌキ。証誠寺(しょじょじ)を観光の目玉として推しているようです。

駅前に据えられたタヌキのモニュメント。

木更津港の近くにある海鮮バーベキューの店頭にも、タヌキ。セルフサービスのバーベキューで、サザエとアワビをいただいてきました。

隣のみやげもの屋さんにも、大量のタヌキ。

港にも、タヌキ。

さらに海岸通りにもタヌキ。特産の貝と観光名物のタヌキを合体させたのは分かるけど、それにしてもビーナスの誕生て。どれだけタヌキ推しなんだ。

そんなわけで、証誠寺にやってきました。本堂脇の梅がほころび始めていて、とても清々しいです。

「証誠寺の狸囃子」は、明るく楽しい童謡だと思っていましたが。元の話は、なかなか悲しいことになっていますね。

境内にはタヌキを慰霊する「狸塚」がありました。

証誠寺を離脱して、駅の東側へ。
駅の東側の山の天辺には、歴史博物館があります。真里谷武田氏の動向とか、請西藩の幕末とか、上総掘りの展開とか、他の地域にはない展示が充実しています。目玉展示は、日本の古墳でここからしか見つかっていない金の鈴。たいへん立派なものでした。

山の上にはふるさと創生の一億円で作ったという展望台があったので、登ってみると、木更津市街を一望できる上に、はるか京浜工業地帯の工場群から立ち上る煙と東京湾を見渡すことができます。絶景。

博物館から1.5Kmほど南に行くと、請西藩陣屋跡があります。ここに来たかったんですよね。

請西藩陣屋跡には、現在は石碑が建っているだけで、跡形もありません。

案内板には、幕末の林忠崇の動向が少し説明されています。中公新書から出ている「脱藩大名の戊辰戦争―上総請西藩主・林忠崇の生涯 」という本がとても面白くて、興味を持ったのでした。昭和16年まで存命の、ラスト大名です。なかなかすごい人生。

案内板の裏には重機が入って、宅地造成大開発の真っ最中でした。真っ平らにされてしまって、当時を偲ぶよすがは、ほとんど残されていません。と思いきや。

陣屋跡の周りを探索していると、なかなか面白い地形にでくわします。たとえば上の写真は、虎口ぽい感じです。他にも、土塁の跡らしきものや、堀の形跡らしいものはたくさん見えました。これらも今後の大開発で消えていくんでしょうね。

陣屋跡から数百メートル北には、請西城の跡があるらしいのですが、行ってみてもほとんど形跡は残っていませんでした。上の写真は請西城の跡地周辺のはずですが、左側の断崖絶壁が要塞としての痕跡を残している他には、当時を偲ぶ手がかりは見つかりませんでした。

今回は真里谷城に行けていないので、また木更津には行きたいと思います。
(2018年2/3訪問)