教育概論Ⅱ(中高)-11

▼語学・心カ・教福・服美・表現 12/9
▼栄養・環教 11/28

前回のおさらい

・生きる力=知・徳・体のバランス。
・知=確かな学力:学力の三要素。
・徳=豊かな心:学校教育全体を通じた道徳教育。要としての道徳科。
・体=健やかな体:学校教育全体を通じて育む(1)食育(2)体力(3)安全(4)健康。
・社会に開かれた教育課程:変化の激しい社会に求められる新しい教育。

学習指導要領 前文:社会に開かれた教育課程つづき

家庭や地域との連携

生徒が学ぶことの意義を実感できる環境を整え、一人一人の資質・能力を伸ばせるようにしていくことは、教職員をはじめとする学校関係者はもとより、家庭や地域の人々も含め、様々な立場から生徒や学校に関わる全ての大人に期待される役割である。(2頁)

学ぶことの意義?

・どうしたら「学ぶことの意義」を実感できるのか?
→社会に開かれた教育課程:生活との関わり。知識が実際に役立つという実感。
→カリキュラム・マネジメント:「教科の本質」を教員が説明できるか。

社会に開かれた学校(1)チーム学校

・教師の力を最大限に発揮できる組織を作ると同時に、学校外の専門家の力も有効に活用する。
・スクールカウンセラー、ソーシャル・スクール・ワーカー、部活動支援員など。
・校長のリーダーシップ。マネジメント機能の強化。
・教職員がそれぞれの能力を発揮することができる環境。

チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)

社会に開かれた学校(2)コミュニティ・スクール

・学校運営協議会が組織され、学校運営に意見が反映されている学校。(根拠:地教行法第47条の6)
(1)校長が作成する学校運営の基本方針を承認する。
(2)学校運営について、教育委員会又は校長に意見を述べることができる。
(3)教職員の任用に関して、教育委員会規則に定める事項について、教育委員会に意見を述べることができる。

コミュニティ・スクール2017(文部科学省パンフレット)

大綱的な基準

学習指導要領とは、こうした理念の実現に向けて必要となる教育課程の基準を大綱的に定めるものである。学習指導要領が果たす役割の一つは、公の性質を有する学校における教育水準を全国的に確保することである。また、各学校がその特色を生かして創意工夫を重ね、長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら、生徒や地域の現状や課題を捉え、家庭や地域社会と協力して、学習指導要領を踏まえた教育活動の更なる充実を図っていくことも重要である。(2頁)

・大綱的な基準であって、細かいところまですべて決められているわけではない。→教育課程とは、各学校が、生徒や地域の実態を踏まえた上で、特色を生かして創意工夫を重ねて作るもの。
・ただし、すべてが自由であるわけでもない。→全国的な教育水準の確保。生徒や地域の個性の把握。

生涯学習、学校間連携

幼児期の教育及び小学校教育の基礎の上に、高等学校以降の教育や生涯にわたる学習とのつながりを見通しながら、生徒の学習の在り方を展望していくために広く活用されるものとなることを期待して、ここに中学校学習指導要領を定める。(2頁)

・「生涯学習」の理念と現実。知識の賞味期限切れが早くなったとき、どうするか。
・これからの教育に必要なことは、単に「何かを学ぶ」のではなく、「学び方を学ぶ」こと。

学習指導要領:総則

カリキュラム・マネジメント

各学校においては、生徒や学校、地域の実態を適切に把握し、教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと、教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと、教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して、教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする。(4頁)

カリキュラム・マネジメントの三指針

(1)各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと。
(2)教育内容の質の向上に向けて、子供たちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立すること。
(3)教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること。

学校運営とカリキュラム・マネジメント

総則の「第5学校運営上の留意事項」。

各学校においては、校長の方針の下に、校務分掌に基づき教職員が適切に役割を分担しつつ、相互に連携しながら、各学校の特色を生かしたカリキュラム・マネジメントを行うよう努めるものとする。また、各学校が行う学校評価については、教育課程の編成、実施、改善が教育活動や学校運営の中核となることを踏まえつつ、カリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するものとする。(11頁)

・カリキュラム・マネジメントの実践は、学校運営=スクール・マネジメントそのものと密接な関係を持っている。
・「カリキュラム・マネジメント」については、校長又は園長を中心としつつ、教科等の縦割りや学年を越えて、学校全体で取り組んでいくことができるよう、学校の組織及び運営についても見直しを図る必要がある。そのためには、管理職のみならず全ての教職員がその必要性を理解し、日々の授業等についても、教育課程全体の中での位置付けを意識しながら取り組む必要がある。また、学習指導要領等を豊かに読み取りながら、各学校の子供たちの姿や地域の実情等と指導内容を照らし合わせ、効果的な年間指導計画等の在り方や、授業時間や週時程の在り方等について、校内研修等を通じて研究を重ねていくことも考えられる。
こうした「カリキュラム・マネジメント」については、管理職のみならず、全ての教職員が責任を持ち、そのために必要な力を、下記(2)に示す支援方策等を通じて、教員一人一人が身に付けられるようにしていくことが必要である。また、「社会に開かれた教育課程」の観点からは、学校内だけではなく、保護者や地域の人々等を巻き込んだ「カリキュラム・マネジメント」を確立していくことも重要である。
(中央教育審議会・教育課程企画特別部会「論点整理」)

復習

・「社会に開かれた教育課程」について押さえておこう。
・「カリキュラム・マネジメント」について押さえておこう。
※さらに詳しく知りたい場合は、リンク先を参照のこと。

予習

・学習指導要領総則、4~9頁を読み込んでおこう。