教育課程の意義と編成-5

▼10/23(月)

前回のおさらい

・学習指導要領(前文):社会に開かれた教育課程、家庭や地域との連携、大綱的な基準、生涯学習・学校間連携。

学習指導要領の構造(目次)

・総則
・各教科(国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、外国語)
・特別の教科 道徳
・総合的な学習の時間
・特別活動

学習指導要領(総則)、3~4頁

教育課程の編成

第1 中学校教育の基本と教育課程の役割
1 各学校においては、教育基本法及び学校教育法その他の法令並びにこの章以下に示すところに従い、生徒の人間として調和のとれた育成を目指し、生徒の心身の発達の段階や特性及び学校や地域の実態を十分考慮して、適切な教育課程を編成するものとし、これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うものとする。

・教育課程を編成し、教育を行う主語は「各学校」である。
・教育課程編成の上で留意すべきことは3つある。

「主体的・対話的で深い学び」と「生きる力」

2 学校の教育活動を進めるに当たっては、各学校において、第3の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して、創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で、次の(1)から(3)までに掲げる事項の実現を図り、生徒に生きる力を育むことを目指すものとする。

・「主体的・対話的で深い学び」とはどういう学びで、それを実現する授業とはどういう授業か?
・「アクティブ・ラーニング」との関わり。
*生きる力=「知・徳・体のバランス」→「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」

確かな学力:学力の三要素

(1) 基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等を育むとともに、主体的に学習に取り組む態度を養い、個性を生かし多様な人々との協働を促す教育の充実に努めること。その際、生徒の発達の段階を考慮して、生徒の言語活動など、学習の基盤をつくる活動を充実するとともに、家庭との連携を図りながら、生徒の学習習慣が確立するよう配慮すること。

・学力の三要素←学校教育法第30条2項

前項の場合においては、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。

・学力の三要素と「PISAショック」
*PISA:学習到達度調査。Programme for International Student Assessment。高校1年生対象。
*OECD:経済協力開発機構。Organisation for Economic Co-operation and Development
*PISAショック:2003年と2006年の調査で日本の順位が大幅に下がったことに教育関係者一同衝撃を受けたこと。←しかし2009年と2012年の調査では順位が上昇。
*全国学力・学習状況調査:2007年より毎年実施。小6と中3を対象。
・A問題とB問題。

豊かな心

(2) 道徳教育や体験活動、多様な表現や鑑賞の活動等を通して、豊かな心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努めること。
学校における道徳教育は、特別の教科である道徳(以下「道徳科」という。)をとして学校の教育活動全体を通じて行うものであり、道徳科はもとより、各教科、総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて、生徒の発達の段階を考慮して、適切な指導を行うこと。
道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、自己の生き方を考え、主体的な判断の下に行動し、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標とすること。

・理科でも道徳教育を行う。

第3 指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(6) 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき、道徳科などとの関連を考慮しながら、第3章特別の教科道徳の第2に示す内容について、理科の特質に応じて適切な指導をすること。(82頁)

2 第2の内容の取扱いについては、次の事項に配慮するものとする。
(2) 生命を尊重し、自然環境の保全に寄与する態度を養うようにすること。(82頁)

健やかな体:スポーツライフ

(3) 学校における体育・健康に関する指導を、生徒の発達の段階を考慮して、学校の教育活動全体を通じて適切に行うことにより、健康で安全な生活と豊かなスポーツライフの実現を目指した教育の充実に努めること。特に、学校における食育の推進並びに体力の向上に関する指導、安全に関する指導及び心身の健康の保持増進に関する指導については、保健体育科、技術・家庭科及び特別活動の時間はもとより、各教科、道徳科及び総合的な学習の時間などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めること。また、それらの指導を通して、家庭や地域社会との連携を図りながら、日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し、生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮すること。

(1)食育(2)体力(3)安全(4)健康
・理科でも「健やかな体」を育成する。

復習

・学習指導要領の「総則」2~4頁を読み込んで、「生きる力」の具体的な中身について理解しよう。

予習

・学習指導要領総則4~5頁に目を通しておこう。